昭和初期の洋館そのままを使い続ける個人病院 … 邸園/文化財保全・ヘリテージマネージャー2012/08/03

昭和初期の病院建築
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邸園(歴史的建築物)保全活用には、地域に残る古く貴重な洋館、和館を探し出してリストアップしていくという作業があります。

僕に住んでいる地元横浜/金沢八景周辺にも、歩いて探してみると結構そういう昭和初期に作られた洋館などがひっそりと残っているものです。

写真は木造2階建ての個人医院ですが、もちろん現在も代替りをしながら何代目かのお医者さんが開業しています。
外観は1階は南京(ドイツ?)下見板張りでペンキ塗りという(かなり剥がれていますが)レトロなもので、2階は塗り壁(漆喰?)、窓は全て木製の上げ下げ窓、また 玄関ポーチは小さな車寄せ風にデザインされていて、腰壁がスクラッチタイルで壁はスタッコ調の塗り壁、木製の丸い飾り窓もそのまま残り、昭和初期の洋館の条件がみな揃っています。

全体のデザインバランスがすごく良くて、昭和のレトロな雰囲気を醸し出しています。

軒天井は無垢板の実張りのようですが、さすがに老朽化していて一部は剥がれて欠落しています。
屋根は一見するとフランス瓦のように見えますが、詳細は解りません。(ひょっとすると、ジェラール瓦だったりして、、、まさかねぇ)

こうして全体と細部をざっと眺めて見ただけでも、建設当時の仕様やディテールをそのまま今に残しているのではないかと想像出来ます。

この建物がかなり貴重だと思えるのは、昭和初期のデザインを残しているということだけでなく、当時の個人病院の設計・レイアウトなどが手を加えられずに残されていれば、病院設計の手法的にも重要なサンプルと言えるでしょう。

しっかりと実測と調査をしてみたい建物です。
そして、ぜひ後々までこのまま残していってもらいたいなぁ。

・・・定期的に つづく

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