三渓園・特別公開の鶴翔閣を見る … 建築の旅・WanderVogel2012/08/12

三渓園/鶴翔閣
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三渓園の「夏の特別開放」で一家の住まいとして建てられた「鶴翔閣」と三渓晩年の隠居所「白雲邸」を見に行ってきました。

写真は明治35年竣工の「鶴翔閣(カクショウカク)」の中の客間に当てられた棟内部です。

ここには三渓に庇護を受けた多くの若手芸術家が寝泊まりし、客間隣にある土蔵に納めてあった三渓所蔵の文化財級の書画・彫刻などに直接触れながら新しい芸術の製作にいそしんだといいます。
若手芸術家たちとは、横山大観、下村観山、前田整頓など、後の日本を代表する芸術家たちです。

建物は、外観は重厚な茅葺き屋根で重々しさと威厳を見せていますが、内部は一変して 洗練されていて、造作にも細かい配慮を見せた、非常に上品で繊細な造りの数寄屋建築になっています。

この日(8/12)は同時に古建築公開関連企画として、「建築野外博物館としての三渓園の魅力」という題で、横浜国立大学准教授の大野氏による講演が行われました。

三渓園には白川郷荘川村から移築された「旧矢篦原(ヤノハラ)家住宅」という茅葺き合掌造りの大きな民家が建てられていますが、この住宅と日本民家園(川崎市)にある白川郷白川村、五箇山、五箇山利賀の4つの地域の合掌造りの違いなどを中心に、移築や保存・修復、施工・技術の継承に関わる話しまで、とても内容の濃い講演を聴くことが出来ました。


三渓園は春と夏に期間を限って内部を公開する特別な建物がありますが、それ以外にも多くの重要文化財、横浜市指定有形文化財に指定されている建物が建っています。
とても2回、3回来たくらいで見切れるものではありません。

春の特別公開1:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2012/05/04/
春の特別公開2:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2012/05/05/


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