丹沢の山の荒廃を考える … 森林インストラクター・WanderVogel2012/08/26

丹沢の山の荒廃
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今日は神奈川県森林インストラクターの会合があり、神奈川県の山林(丹沢など)と水源になっている森の現状など レクチャーとディスカッションに参加してきました。

以前Blogにも書きましたが、今春 上流側(山梨県山中湖村)から山を越えて、世附川源流域の沢まで降りてみたのですが、一帯の山林の荒廃はいっそう激しくなっていて、写真のような荒れた姿を晒していました。
その時感じたのは、これは今何らかの手立てをしないと取り返しのつかない姿になってしまうな、という危機感でした。

ちなみに、世附川は酒匂川水系の丹沢湖に流れ込む支流の一つで、多くの枝沢を抱えた奥の深い沢です。
この世附川渓流の一体には、植林された杉やヒノキの林もありますが、比較的広葉樹の自然林も多く残っています。

また、この渓流は源流部を遡って行っても、結構な水量の沢水が豊富に流れていて神奈川県の(というよりは横浜の)水源地としてとても重要な山域・森林帯でもあります。

ところが、一昨年の台風の被害で林業管理に使われている主要林道が山の斜面もろとも崩壊してしまい、ここ2年余りは下流からのアプローチが不可能になってしまっています。


今日のレクチャー・ディスカッションの中でもありましたが、こういった山林崩壊の問題には即効性のある「特効薬」などはなく、ひとつひとつ人の手で解決していくしか道はないということです。
神奈川県でもいろいろ手立てを考えてはいますが、一番の問題は森林環境問題の専門家が足りない、山林保護の指導者と実際に作業してくれる人の手がまだまだ足りていない。

森林保護と水源地保護、林業の復活、治水や水資源活用、鹿の生態(保護と適正な頭数管理)など 担当する省庁ごとの縦割りの縄張り意識がまだまだ障壁になっていて、取り組みに対する進みが遅いということもあります。これは県自身も充分認識しているところでした。

ただ、この問題は考えていただけでは何も解決しませんので、今 自分が出来ることから手を付けていくことが大切だと思いますし、数年・数十年先を見越して継続して守っていくという姿勢が求められているのだと感じました。

今何かに手を付けないと、何かをしないとこのままどんどん山の荒廃が進み、本当に丹沢から渓魚の姿が消えてしまいます。


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