越後妻有トリエンナーレ・今度生まれて来る時も、また … 建築の旅・WanderVogel2012/09/11

トリエンナーレ 蓮
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越後妻有トリエンナーレの思い出、最後の紹介は「今度生まれて来る時も、また」という本多裕紀(ユキ)氏の作品。

詩的で清浄な空気感を持った、幻想的でコンセプチュアルな良い作品だと思います。僕はこういうのすごく好きです。

土のMuseum もぐらの館 にあって、唯一「土」を使ってない作品です。

茎も葉も花もすべて白色に塗られた「蓮」が上に向かって伸びていて、天井付近に蓮の葉や花が開いています。

説明書きには、
「蓮は泥沼に生息するが、花は水をくぐり抜けて水面に咲く。古来、現世は泥沼で、極楽浄土は美しい蓮の花で満ちている。
鑑賞者は水面下から頭上にある「理想の世界」を見上げるが、私たちが立つ泥沼の「希望」という栄養素があってこその花たち。」
とあります。

古い小学校を改造したもぐらの館の屋上に通じる階段に展示されていて、階段を上っていくに従って少しずつ水面に向かって登っていくようなイメージです。
ただし、けっして蓮の葉や花の上(水面上)に出ることはない。

階段を登るとその振動で、かすかに蓮の葉が揺れてゆらぎを生み出し、幻想的な世界を見せています。

屋上に出る扉からは明るい外光が差し込み、下界に降り注いでいます。


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