西丹沢・大叉沢支流法行沢から大栂へ … 山登り・WanderVogel2013/12/31

椿丸から大栂・菰釣山
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快晴の青空のもと、ひとり 西丹沢にある大叉沢支流法行沢を遡って椿丸(ツバキマル)・織戸峠・大栂(オオツガ)と尾根上を歩いて来ました。
さすがに大晦日です、人に出会うことはありません。
シカはたくさん見かけましたが、すでの猟期に入っていることを知っているのか一定の距離に近づくと一目散に走り去って行きます。

林道途中から小尾根に取付き直登していきます。
開けた尾根上に、早春の準備が整ったつぼみを持ったミツマタの群生を見つけました。
この時期はカヤもササ(スズタケ)もすっかり枯れていてたいした藪漕ぎも無く、スムーズに尾根上を歩いて行けます。

尾根上の雪はたいしたことありませんでしたが、雪の上に残るシカやタヌキなどの足跡/踏み跡には要注意です。
登山道では無く、動物がつけたケモノ道ですから、木々を観察したり写真を撮ったりと気を抜いて歩いていると、知らず知らずのうちに少しずつルートから外れていき、気付いた時には支尾根を歩いている、なんてことになりかねません。

大栂は菰釣山(コモツルシヤマ)に突き上げる手前の1204mの低い小ピークですが、ブナとモミに囲まれた気持ちの良い場所です。さすがに人の気配はまるでなくて、大栂の雪面は静寂に包まれていました。

そこでお湯を沸かしてのんびり昼食を取ったのち、ルートを大栂東側の小尾根にとってイデン沢方向に下山します。ここでもシカの足跡に惑わされないように、地図とコンパスを見ながら注意深く尾根上のルートを下っていきます。
ここも基本的には正式な登山道ではありませんから、どう下っていっても正解とも言えるのですが、とりあえずは決めた東尾根上に乗って下っていきます。
植生はブナとモミ、カシ類と植林されたスギ・ヒノキで、木々は冬枯れていますのでわりと見通しのある山中なのですが、途中けっこう迷う小尾根もあってそのたびにコンパスで進路を確認しながら下っていきます。

下りきって林道と交差し、そのまま今朝登って来た法行沢方面に富士見峠南尾根を下ることも考えたのですが、夕方になって日が落ちてくるとルートロストの危険性も考えられますし、冷え込みも感じてきたのでこのまま林道をイデン沢方面に下ることにしました。
とは言え、疲れ切ったこの身体には、この林道(歩き通しで2時間半!)がまた長かった。(さすがに歩くペースが落ちたなぁ)

これが本当の今年最後の山行でした。 正月は筋肉痛だな。

コースタイム:(山行時間=約9時間、写真を撮り冬芽観察しながらゆっくりとしたペースの山行でした)
浅瀬(7:40)~法行橋(8:30)~(法行沢林道)〜中法行橋(9:15)~(林道が折り返した所から)小尾根取付(9:45)~(小尾根を登る)~椿丸への主尾根上(10:15)~椿丸(10:30)~織戸峠(10:55)~大栂(12:10) 昼食(~12:45) ~(大栂東尾根を下る:途中のルート間違いやすい)~笹薮を抜けて見晴しの良い場所1,024m付近(13:30)~シカ網(13:40)~林道まで下りる(13:50)~(林道を下る:途中いくつかのイデン沢支流を渡る)〜シキリ沢の橋(14:45)~白水沢橋(15:00)~富士見橋・地蔵平(15:15)~(大叉沢林道)〜ちどり橋(15:35)~法行橋(15:50)~浅瀬駐車場(16:30)

地図=1/25,000:御正体山、中川、西丹沢頂稜河川土地名称図

西丹沢・大栂で見つけたモミの球果 … 自然観察・WanderVogel2013/12/31

西丹沢で見つけたモミの球果
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西丹沢の大栂で見つけたモミの球果。

大栂という名の付いたピークなので、大きなツガ(栂)がいっぱい生えているのかと思っていたが、目につくのはモミの木でした。
雪面に落ちていたのもモミの球果でした。

針葉樹の中でもヒノキやスギ、マキなどは見分けがつき易いですが、マツの仲間であるツガやモミ、トウヒなどは遠目では注意して見ないとなかなか見分けがつきません。

トウヒの仲間は、エゾマツなど、少し寒いところに多い植物ですが、モミ・ツガは暖温帯林を形成していますので丹沢などにも普通に分布しています。
また、ドイツトウヒなどはクリスマスツリーの木としてたくさん輸入されたこともあって、今では逆に街の公園などで見られる身近な木になっていたりします。

ツガ、モミ、トウヒを見分けるには葉の形状と付き方を見れば割と良く違いが解りますが、写真のような球果を比べるとさらによく解ります。
大きさで一番大きいのはトウヒ(ドイツトウヒ)で、いかにも日本離れした長くて大きな松ぼっくりという感じです。

ツガの球果は枝の先端に垂れ下がるような感じでつきます。大きさ的には一番小さいサイズと言えます。トウヒのように松ぼっくりのような形状になり、モミのように鱗片がバラバラになることはありません。

モミの球果は木の頂き近くに直立して出来ます。そして、種子が熟すと球果の鱗片はバラバラと剥がれ落ちていきます。
写真の左のものはすでに手で触るだけで先端部分からパラパラと剥がれていきます。右のものは下の方から剥がれていっていて、ちょうど先端部分だけが残っているという感じです。
ちなみに、シラビソやオオシラビソもモミの仲間になります。

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