林業機械化現場の見学・研修会1 … 森林インストラクター・WanderVogel2014/04/09

林業機械化研修
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今日は相模原市津久井の山林で行なわれた林業機械化現場研修で、スギ材の切り出し/集材作業を見てきました。

ここの杉材はだいたい60年~70年生のものだそうで、これまでに3回の間伐作業が行われ今年の切り出し作業となった。

これまでにも書いたが、神奈川県の昨年度のスギ材ヒノキ材その他の材木の切り出し目標は30,000m3と設定されている。
ただし、実際の切り出し量は16,000m3程度でしかなく、しかもこの切り出し量は実際の伐採量の1~2割程度でしかないといいます。切り出せない大きな理由の一つには売値が安くて元が取れないことがあげられるが、この要因は伐採した木材の集材の困難さがコストに跳ね返ってくることにも原因はあります。

切り出した木材は写真にあるスイングヤーダ(黄色い方の機械)という機械でワイヤーを使って、山の斜面から引きずり下ろしてくるわけですが、このスイングヤーダ(写真の機械は0.25タイプ)の作業距離(引きずって集められる距離)がせいぜい70m~120m程度しかないということなので、それ以上の距離を作業しようとすると作業道や林道を取り付ける必要があります。

もう少し大型の機械を入れれば作業効率も作業範囲も上がるのでしょうが、それをするには取付け道路・林道の幅や作業スペース、斜面の状況など、条件によりなかなかそうはうまくいかない場所が多いのだそうです。

今日の運び出し作業は斜面の上と下で計5人でおこなっていましたが、こういった山での切り出し作業では、2〜3m3/日/人 を切り出すのが精一杯ということでした。

作業している方との話しの中で、スイングヤーダでの作業は、斜面を引き下ろすより引き上げる方が楽だと言っていました。
ただどちらにせよ、(間伐して残した方の)立木の間を引きずって集めることになるので、立木に傷が付きやすく、(数年後に伐採しようとしている)木を痛めてしまう原因になり易いのがこの機械による集材の大きな欠点なのだそうです。それだけ慎重で繊細な作業を求められるということですから、やはり作業効率の面からは条件は良くはないですね。


木の伐採時期は、樹木が水を吸い上げだす2月にはだいたい終わりになりますが、今年は2月に降った大雪の影響で除雪が間にあわず、伐採作業が4月までズレ込んでいるということでした。

実際に山での木材伐採作業というのは、晩秋から翌年に掛けて(10月から1月くらいまで)の寒い時期に行われます。

以前のblog: http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2014/03/05/
・・・つづく・・・

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