希少種 エビネを発見・GWの山歩き … 自然観察・WanderVogel2014/05/03

エビネ
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GW初日に行った神奈川県内の山歩きで見つけた開花前の野生のエビネ。

環境省の準絶滅危惧種に指定されていて(神奈川県のカテゴリーでは絶滅危惧Ⅱ類)、全国的にも個体数はかなり少なく年々減少しています。

心ない人による盗掘が原因で、野生のエビネがどんどん姿を消しているという事実があるので、山歩きの人に出会っても「かわいいエビネを見ましたよ!」と話すことも出来ないのは残念ですが、しょうがないことですね。

山はヒメウツギが満開で、これから初夏に掛けてさまざまな種類のウツギが美しさを競うことになります。

GARMIN社製の山岳用ハンディーGPS … 登山・WanderVogel2014/05/04

ハンディGPS
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山岳用ハンディーGPSを購入しました。
前から狙っていた、ガーミンGARMIN社OREGON650TCJというマルチタッチパネルのディスプレイを持った新機種です。

山岳地図ソフト TOPO 10M plus V2 と日本詳細道路地図等がプリインストールされていて、測位システムはアメリカとロシアの衛星からの電波と国産衛星の「みちびき」からの電波を受信しています。
使い勝手はスマートフォン並みにすごく良いのですが、かなり高価なおもちゃです。

一昨日、里山歩きに持って行っただけですので、まだ使い勝手がよく解っていませんが、これからその金額に見合うだけの活躍をしてもらいます。
使用レビューはおいおい書いていきますね。

カラムシと越後上布とへぎそばの関係 … 自然観察・WanderVogel2014/05/07

丹沢のカラムシ
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丹沢で見かけたカラムシの群生

南アジアから東アジア地域まで広く分布していて、日本では各地で見ることができる。というか、各地で栽培されていた、という言い方の方が正しい。

カラムシ(苧)とは、イラクサ科の多年性の植物で、葉は互生に付く。よく似たものにヤブマオという草があるが、こちらは葉が対生に付くので区別できる。カラムシはアカタテハの食草でもある。
と、ここまではなんてことの無い、ただの植物の説明文のようだが、実はこの草、茎の皮から丈夫な繊維が取れる。

なので、上代の時代より日本各地で栽培されていて、その繊維を紡いで高級な織物を作っていた長い歴史を持つありがたい草なのです。

別名は苧麻(ちょま・まお)、青苧(あおそ)ともいう。

特に戦国時代には、越後(新潟)が日本一のカラムシの栽培地となり、糸の原料として奈良や上方に運ばれ、高価な交易品として上杉謙信に莫大な軍資金を提供していたと言います。
江戸時代以降、南魚沼地方~小千谷・十日町市周辺の豪雪地帯で栽培されたカラムシは、糸の原料としてだけでなくこの地独特の織物としても発展していくことになります。

その繊維から織られ、この地特有の豪雪の中に晒されて(天然の漂白作用)生まれる「越後上布」「越後縮(ちぢみ)」「小千谷縮」は特に有名です。

カラムシの繊維はとても強靭なのですが、欠点は毛羽立ちやすいことだといいます。そのため、糸の表面を滑らかにするための「糊」として使われたのが「布海苔(ふのり)・海藻」だったのです。
布海苔は煮ると柔らかなゼリー状になるが、べたつかなくて扱いやすいと言います。


越後上布などの織物が盛んな地で簡単に手に入る「布海苔」
これを地元の蕎麦のつなぎとして使い、生まれたのが有名な「へぎそば」です。
ふのりは織物の糸の表面だけでなく、蕎麦の表面もツルツルにして、喉ごしのよい独特の食感を持つ蕎麦が誕生した、というわけです。

カラムシからつながって生まれた「へぎそば」は、東京下町の蕎麦よりも、信州信濃の蕎麦よりも、(僕にとっては)最高の蕎麦になりました。
おしまい。。

同時代性:視点を変えれば 2 … 歴史認識・思いつきBLOG2014/05/08

東西のビーナス
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「世界史の有名な出来事で、この2つは同じ時期とはとても思えないものは?」のつづき

二つの(2人の)ビーナス像。どちらも有名なフィギュアですので、あえて解説もいらないとは思いますが、、、

左は誰でも知っている「ミロのヴィーナス」、ギリシア神話のアフロディーテ(ラテン語名 Venusの英語読み)というのが通説です。
作者は紀元前130年頃に活躍していた彫刻家アンティオキアのアレクサンドロスだと言われています。白大理石を彫刻して作られています。

右は群馬県大泉町で出土した古墳時代中期後半(紀元6世紀頃)に作られた埴輪
「腰掛ける 巫女(みこ)」という名前が付けられて、神に仕える神聖な巫女を表現していると考えられています。
素焼きの焼物で出来ていて、同じようなフィギュアは3世紀頃(古墳時代前期)から表れていますので、そのころから300年間に渡って、こういった埴輪が盛んに製作され古墳の周りに祀られていたのでしょう。

同時代と呼ぶには製作年代が少し離れていますが、ミロのビーナス像の方がさらに400年〜500年も古いということを考えるとかなり不思議な感じがします。
このクオリティーのあまりの違いは何なんだろう?

ふと見かけた2つの写真について、あらためて考えてみると、、
・・つづく・・

同時代性:視点を変えれば1: http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2014/02/14/

中学校の自然観察授業での竹林整備 … 森林インストラクター・WanderVogel2014/05/10

竹林整備
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先日、ある中学校の自然観察授業での「竹林整備」を指導してきました。
もちろん、学校の先生も(校長先生も)揃って竹林の中に入ってもらい、またその他のボランティアさんにもお手伝いしてもらいながらの野外授業でした。

生徒数も200名以上でしたので、10名の森林インストラクターで班分けをして、それぞれ指導・監督に当りました。
私も男女それぞれ10名ずつの中学2年生(計20名)を引き連れて、急勾配の竹林での間伐や林床整備などの指導に当りましたが、、一言で言えばものすごく大変でした。

元気あって良いと言えばそうなのですが、女子生徒は少しは言うことを聞いてくれますが、男子生徒はみんな なかなかやんちゃ揃いで始末に負えない…。
それでも絶対に怪我をさせないように作業をしてもらわないといけませんから、笛を吹き、声をからして指示していたので今でも喉が痛いです。

私としてはこういう経験を通して、「自然」がなにも特別なことではなくて常に身近に存在していること、自然素材の心地良さ・温かさ・柔らかさなどを実感してもらい、普段の生活環境(衣食住)について興味と自分なりの意見を持ってもらいたいと思ったのですが、、、さてどうだったでしょうかね?

自然の成り立ち、森や木の美しさ、森林整備の大切さ・重要さについても少しは理解してくれたかなぁ?

私自信の感想としては、一言「いやはや、疲れました。」

丹沢/大山に咲くヒメレンゲの花 … 自然観察・WanderVogel2014/05/11

大山のヒメレンゲ
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丹沢・大山周辺を歩いてきました。
表の山道脇のちょっと湿ったところにヒメレンゲの花が咲いていました。

漢字で書くと「姫蓮華」別名:コマンネングサ
群生で咲いていて、明るい黄緑色の柔らかそうな葉の上に付く黄色い花(花弁)がよく目立ちます。
花を良〜く見ると中心に赤い葯(おしべ)が可愛らしい。

関東以西の本州・九州に分布し湿った土地で良く見られる花なのだそうだが、西丹沢の沢歩きではそれほど印象に残っていないのは何故だろう。
顔を近づけて良く観察すると、なかなか可愛らしい魅力的な花でした。

山上の農園(5月)・スナップエンドウ大収穫 … 畑仕事・WanderVogel2014/05/12

スナップエンドウ収穫
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今朝の山上の畑、忙しくて一週間ほっぽらかしていたらスナップエンドウと絹さやがやはりすごいことになっていた。
この時期の一週間は一番の育ち盛りだから、本当はマメに畑に通わなければいけなかったな。
マメだけに。

先日見たときのジャングル状態のままで実を付けているものだから、手の入らない奥の方までびっしりとマメマメ状態になってます。

絹さやも収穫時期を逃すとまるでスナップエンドウにように巨大化していて、店で見る姿とまるで違うものになっていた。
今日は時間も限られていたのでとりあえず、手の届く範囲で大きなものから収穫して帰ってきたが、レジ袋一杯になってしまった。
次回来るときもきっと同じようにまたたくさん出来ているのだろうなぁ。(少し恐怖を感じます。)

これからしばらく豆料理が続くことになるのかぁ・・・

それに比べて、ジャガイモの方は育ちが少し遅いような気がするが、、、(ちょっと安心したりして・・)

4/21の様子:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2014/04/21/

やどりき水源林/森林探訪イベント:1 … 自然観察・WanderVogel2014/05/17

寄・森林探訪1
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5/17 土曜日、丹沢のやどりき水源林と三𢌞部(みくるべ)林道を廻る「森林探訪」のイベントがありました。

広く一般から参加者を募ったところ、県内外から60名以上の参加者があり、なかなか盛況でした。
約8km強の林道・山道を5班に分かれて、それぞれリーダーの個性を出しながら観察して歩くという催しです。

僕も「森林探訪」で はじめてパーティーリーダーを任されることになり、かなり下見にも下調べにも力を入れ、このイベントにのぞみました。
5月のGWもほぼこの下調べ+下見に追われ、みんなと遊びにも出かけられませんでした。

やどりき水源林周辺のこの時期の「花」と言えば、十数種類のウツギの花です。
比較的開花の早いウツギ、ヒメウツギやマルバウツギなどから始まって、コゴメウツギ、ニシキウツギ、ガクウツギ、ベニウツギ、ツクバネウツギと数日ごとに開花のサイクルが訪れます。
数回の下見をしたからと言って、イベント当日にそれらの開花がうまくタイミングが合うとは限りません。

木々の新緑もこの時期はあっという間にその景色を変化させてしまいます。
僕にとっては気が抜けない数日間が続きました。

「森林探訪」当日は幸い好天に恵まれましたので、それだけでもイベントは半分成功という感じでしょうか。
明るい日差しの中、ウツギの花と新緑、川の音、鳥のさえずり、清廉な空気をたっぷり味わってもらって、何とか無事に「森林探訪」は終わりました。

終了後、参加者を送り出した後の反省会では(辛辣な意見も励ましも…)いろいろな感想が出ましたが、いつものように日本酒のビンが林立して夜は暮れていきました。

やどりき水源林/森林探訪イベント:2 … 自然観察・WanderVogel2014/05/18

寄・森林探訪2
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丹沢の里山ではこの時期は特に、いろいろな花をみることが出来ます。

寄沢から小沢に分岐するところに生えていたツリバナ。

ツリバナはマユミやコマユミ(共に花は4片)と同じニシキギ科の仲間で、枝から伸びた緑色の長い柄の先に花が付いています。
まるで、下を通る人に見せびらかすように、ぶら下がって咲いているピンクの5片の花びらが可愛らしい!

秋になると直径1cmほどの丸い実になり、やがて赤く熟して5裂し5つの種子がぶら下がり、ニシキギ科特有の形になります。
この赤い実は、遠くからでもかなり目立ちます。

やどりき水源林/森林探訪イベント:3 … 自然観察・WanderVogel2014/05/19

寄・森林探訪3
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「森林探訪」の最後を飾るのは、土佐原集落の茶畑です。

三𢌞部(みくるべ)林道を途中で寄(やどりき)バス停の向かって、雑木林の中を下ってくると急に視界が開けて、この茶畑が現れます。
ちょうど一番茶を摘み取って、また新芽が出てきたところですので、茶畑全体が柔らかい黄緑色をしていてきれいなお茶の波を見せています。

寄の村は昔は薪炭や木材、煙草、三椏(ミツマタ)、養蚕などが主な産業だったようですが、今はお茶が広く栽培されています。

少し下って行くと、蝋梅(ロウバイ)園があって春先にはロウバイ祭りも開かれて、観光客もけっこう来られるようです。

丹沢の里山で春の花といえば、ロウバイ、ミツマタ、ダンコウバイ、アブラチャン、クロモジ、など黄色い花が目につきますが、そろそろ春の花も新緑も終わります。
これから一気に夏に突入していきますね。
今年のまた暑い夏になるのでしょうか、、、体力落ちるなぁ。

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