異彩な姿のツチアケビのしたたかな生き方 … 自然観察・WanderVogel2014/07/08

ツチアケビの花
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ひと月前に確認をしていたツチアケビが花を付けていました。
期せず定点観察になってしまいました。
花の姿を見ると、この植物がランの仲間だとやっと気がつきますが、それにしても妙ちくりんで変ちくりんな植物です。

この植物、見ると解るように色も赤褐色していて葉っぱもなく、普通の緑々した植物とはずいぶん趣が違います。

ツチアケビは光合成を行って栄養をつくり出す葉緑素を持っていません。ですから、緑色の葉っぱも必要ないわけですね。では、栄養はどこから取っているのでしょう?
前にも書きましたが、ツチアケビはナラタケというキノコと、土中の菌から栄養をもらって(奪い取って)生きている変わった植物です。

このナラタケというキノコには「木材腐朽菌」といって、倒木や枯れ木にとりついて、腐らせ分解し栄養にしてしまう能力を持っています。
ナラタケは自身の持っている細い根のような菌糸束を地中に伸ばして、栄養分となる樹木や枯れ木を一生懸命に探します。

そのうちにツチアケビの白くて太い根を見つけて、ナラタケの菌糸束が根にとりついてしまうことがあります。
ところがツチアケビは,伸ばしてきた菌糸束を通じて逆にナラタケから栄養分をうばって成長するというしくみです。
なかなかうまく考えられています。
というか、自然界、特に動物や植物の持っている共生能力・支え合いというのは、僕ら人間の想像をはるかに超えているような気がします。

ひと月前の同じツチアケビ:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2014/07/03/

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