南足柄の森で見つけたタマゴタケ … インストラクター・WanderVogel2014/09/11

タマゴタケ
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先日、横浜市内の小学校の森林自然観察で、南足柄市内にある森の中を生徒たちを引率して歩いてきました。

午前中だけの短い時間でしたが、雨上がりの生気に満ちた森の空気をいっぱい吸い込み、森の働きや自然/動植物の営み、山の恵みの話しをしながら歩きました。

森の中では、目に入る大きな木々や繁る下草だけではなく、落ち葉やその下に隠れている小さな虫だって、大切な森の働きの一部なんだよ。
森歩きで見つけた 小さな感動を持って帰ってもらえただろうか。


スギ・ヒノキなどの針葉樹、クヌギ、コナラなどの落葉広葉樹の入り混じった林の腐葉土の厚く積もった林床で、鮮やかなオレンジ色の目立つキノコを見つけました。

タマゴタケです。
テングタケ属タマゴタケ節に分類されるキノコです。

厚くて白い卵形をした外被膜は腐葉土の下に隠れてしまっていますが、ちょうどそこから殻を突き破って柄が立上がり、オレンジ色の丸い傘の部分が現れたところです。(幼菌の姿です。)

周りを良く観察すると、あちらにもこちらにもタマゴタケが顔を見せています。
写真の奥に見える黄色がかった傘の開いたキノコがタマゴタケの大人の(?)姿ですが、鮮やかなオレンジ色をした幼菌の姿からは想像出来ないほど地味な姿かたちなのがちょっと意外ですね。

前日まで雨がしとしと降り続き、午前中やっと雨が弱まった まさにその時を狙ったかのように、あちこちでいろいろな種類のキノコが一気に顔を出しています。


このタマゴタケ、林内でもかなり目立つハデな色をしていて、毒キノコのように誤解されやすいのですが、実は無毒で味も風味も抜群だといいます。
わざわざこれに執着して採取するキノコ好きも少なくないようで、実際に、森林インストラクターの先輩たちの中にも愛好家は多いようです。

つい先日も、「持ち帰ってバター炒めにして食べたらとても美味しくて、家族皆大喜びでした。」と、先輩インストラクターから話を聞いたところです。

ある本には「海外で「帝王のキノコ」とも呼ばれるセイヨウタマゴタケに近い種で、わざわざ語る必要が無いくらい、凄まじく美味な食菌(キノコ)です。」と書かれています。


ただこのキノコ、猛毒の毒キノコで知られるベニテングタケととても良く似た姿カタチをしていて、素人は手を出すのは危険です!、とも言われている。
また、同じ種類のキタマゴタケという毒キノコにも良く似ていると言いますから、まったくもってキノコというのは油断ならないシロモノです。
でも、それがキノコの魅力のひとつなのでしょうけどね。


といっても、毒キノコか食べられるキノコかの判別が大切なことは確かだが、心配はそんなことより「原発事故の影響」のほうが切実だったりして…。

福島県や栃木県、茨城県、群馬県、埼玉県などはもちろんですが、東京都も神奈川県も山梨県でも状況は同じです。

山梨県の富士北麓地域では、「野生キノコを採らないよう」と呼び掛ける看板が行政の手で立てられているというくらいですから、キノコの残留放射能(セシウム)は手に負えないことになっています。

まあ、それを考慮すれば、東日本の野生のキノコはすべて「毒」キノコということになるのかなぁ。
あとは自己責任でお願いします、ということなのだな。

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