湿地の植物・クラマゴケという名のシダ … 自然観察・WanderVogel2014/11/14

湿地のクラマゴケ
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先日、小学校の自然観察会で引率して歩いた「横浜自然観察の森」に隣接して「金沢自然公園」という谷戸がある。ここには金沢動物園も付随している。

この周辺は他に「金沢市民の森」「瀬上市民の森」「氷取沢市民の森」「峯市民の森」「能見堂緑地」などの山々や緑地を統合して「横浜つながりの森」という名の横浜市最大の緑地帯があります。

これらの緑地帯を山の尾根で結んだ「六国峠ハイキングコース」はそのまま 鎌倉へと続く「天園ハイキングコース」へと入り、建長寺裏手から北鎌倉の明月院まで延々と1本の尾根道でつながっていて、まさしく「横浜つながりの森」になっています。

谷戸では尾根沿いの道で出会う草花とは少し違う、湿気た谷間らしい面白い(昔はあちこちで見られたであろう)植物を見ることができます。

写真の植物は「クラマゴケ」という名前の付いている植物で、湿気た谷間では昔はごく普通に見ることができました。
和名のクラマゴケは漢字で表記すると鞍馬苔と書きます。(京都の鞍馬寺で発見されたのでそう名付けられました。)

苔(こけ)という名が付いていますが、イワヒバ科イワヒバ属のシダ植物で、常緑の多年草です。


イワヒバ属は日本では17種が確認されていますが、「イワヒバ」と聞くと建築を勉強した人ならすぐに「芝棟」のことをイメージすると思います。

藁葺き屋根の一番上(棟)の上に生やす植物として、イチハツ(一初:アヤメ科)と並んでイワヒバが良く使われていました。

実際には、芝棟に使われるイワヒバというのはこのクラマゴケではなく、本物(?)のイワヒバですけどね。(興味のある方は「芝棟」「イワヒバ」「イチハツ」などの単語で検索してみてください。)


茅葺き屋根や芝棟というと、いかにも「日本独特の田舎の農村風景」という感じもしますが、欧州でも(特にフランス・ノルマンディー地方など)多く見られる建築工法なんですよ。
もっとも、ノルマンディー地方の茅葺き農家で使う芝棟はイチハツ(アイリス)だけですけどね。

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