ブナの木肌に残るクマの爪痕 … 自然観察・WanderVogel2014/12/04

ブナに残るクマの爪痕
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先日歩いた西丹沢・中川川上流西沢渓谷の杣道探訪で見かけたクマの爪痕。

西沢沿いに延びる登山道を歩き、下(指紋)棚沢との出合い付近で登山道を離れ、ケモノ道のような様相の杣道を登る。

この「クマの爪痕」は、人だと歩くのがやっとという急斜面を注意深くトラバースしている時に見つけたもので、傷跡から見てもそう昔につけられたものではない。
ツキノワグマはよくブナの木に登ってブナの実を貪り食べながら、樹の上の方にクマ棚を作るという。これも木に登る時に付けた傷なのだろう。

毎年晩秋になると、関東甲信越から東北にかけて東日本のいたるところでクマの姿が目撃されるようになります。

クマだってこれからの冬眠に備えて、今のうちに栄養を貯えておかねばイケませんから、とにかくたくさん食べておきたいところです。
今年は山を歩いていても、ブナの実もドングリ類なども昨年と比べて格段に数が少ないように感じます。お腹をすかせば、人里近くにまで降りてこざるを得ないこともあると思います。


僕はまだ山でクマに遭遇したことはありませんが、こういう痕跡をみると近くで人間の行動を見張っているのはクマの方ではないのかな、と思うことがあります。
クマはクマなりに、なんとか人と遭遇しないように一定の距離を取って、うまいことやり過ごしているのではないか。山に関しては僕らより彼らの方がずっと良く知っているし、山は彼らの家なのですからね。


あまり身近にクマとは出会いたくないものだが、こういう痕跡探しはとても興味深く、面白いものです。

これから本格的な冬に突入します。
冬芽観察だけでなく、山の動物の足跡(フットスタンプ)探しやケモノ道の探索、動物の糞の観察など、これからの季節は春から秋にかけての緑の山歩きとはまた違った魅力が山には溢れます。

壮大な山岳の景色を堪能することが最大の魅力の「ピークハント登山」では解らない、森林限界以下の山歩きの魅力がそこにはあります。

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