神奈川県ヘリテージマネジャー講座の危機? … 邸園/文化財保全・HM2014/12/05

明治時代の象の鼻と大桟橋
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ヘリテージマネジャーの育成と相互の活動連絡・広報などに尽力してきた県の担当者から緊急のお知らせが届いた。

神奈川県が行なっている県知事認定の「ヘリテージマネージャー」制度、平成21年度から今年度まで計6回開催され、その間に150名強のヘリテージマネージャーを輩出してきました。

ヘリテージマネジャーの取り組みというのは、今や全国的な動きになっています。
写真に写っている横浜・象の鼻周辺の景観保存はもちろんのこと、山手地区の西洋館の保存活動、三渓園での保存利活用、湘南地区で行なわれている明治時代の別荘建築群の保存活用、歴史的建造物群の保存といった地方での取り組みもそういった活動の延長線上にあります。

そのような状況の中、当初から予測されていたことだというのですが、県の予算(金銭負担)が次年度からなくなることがほぼ確実となったそうです。
ヘリテージマネジャーらが今ここでなんらかの行動を起こさないければ、この講座自体が消滅する運命にあるというのです。

神奈川県には(特に横浜や鎌倉には)歴史的な建築物・構造物がたくさんあることは一般にもよく知られていることと思います。
歴史的に価値のある建築物でも、ただ何もせずじっとしていてはいずれ壊されて忘れ去られてしまいます。

歴史的に重要な建築物に対し、しっかりと学術的に裏付けを取りその価値をまとめ(保全設計監理コース)、かつ積極的に保存・利活用(活用マネージメントコース)をしていかなければなかなか後世に残っていかないものです。

そのためには、建築史のみならず一般の歴史や古建築の構造・工法・素材など専門的な知識の継承と蓄積、またそれを一般に知らしめる活動の出来る専門家の育成がどうしても必要でした。
そのためのヘリテージマネージャー制度・専門講座の開催でありました。
(僕も一昨年、保全設計監理コースを修了して、県ヘリテージマネージャーに登録しています)

来週『緊急ヘリテージマネージャー集会』が開催されます。
講座の存続に向けてどういう可能性があり得るのか、具体的な行動として何が出来るのか、探っていきたいと思います。もちろん、僕も参加してきます。

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