グレート・ヒマラヤ・トレイルという試みについて … 旅・WanderVogel2015/02/20

トレイル報告会
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先日、「山渓」がバックアップするグレート・ヒマラヤ・トレイル踏査プロジェクトなる試みの(第1回目となる踏査の)報告会というのに参加してきた。

神田・神保町にある「インプレスグループ神保町セミナールーム」で平日の夜に行なわれたこの催しは、山と溪谷社/マウンテンスポーツネットワーク(MtSN)がバックアップする「Team Monsoon」という(30代の若者3人を中心とする)グループのヒマラヤ・トレイルの報告会です。

狭い会場にいっぱいの参加者(60名ほど)が集まり、関心の高さを感じました。

集まった皆さんの関心が、ヒマラヤの山にあるのか、ロングトレイルという山旅のスタイルにあるのか、MtSNの主たる活動であるトレイルランニングのお客さんなのか、単に楽しそうだったから来たのか、はたまた関係者ばかりなのか、そのへんは知る由もないが、僕は面白く話を聴かせてもらった。

手元にあるイベント案内には、「ヒマラヤ山脈を貫く「グレート・ヒマラヤ・トレイル(GHT)」全行程踏査プロジェクトのメンバーを招き、昨年末に1カ月半かけて行なわれたプロジェクトの報告会」、とあったのだったのが、すでに全行程を踏査し終ったというわけではなくて、これからの全行程踏査目標に向けて、第一弾としての報告会ということでした。
僕の思い込みとは少し違っていましたが、それなりに楽しめました。


彼らの言う「旅行客の姿もまれな辺境地域。そこに暮らす人々や昔のまま残っている風習・文化は、とても興味深いもの」「高所登山でもなければ観光地化されたトレッキングルートでもない、昔ながらの生活に入り込む「触れ合いの旅」の魅力を求めて行きたい。」という発想自体は何もそんなに新しくも珍しくもないが(どちらかといえば、これまで言い尽くされてきたフレーズなのだが、それはそれで良いのだ)、ヒマラヤの山旅スタイルのひとつのジャンルとして一般に(ほんの少し)認知されていけば素晴らしいことではないかな、と思う。

いずれにしても、ヒマラヤを舞台に1人あるいは少人数でトレイルをするのであれば、旅の知識や経験、体力/持久力と精神力、幅広い興味の対象などベーシックな素養を持ち合わせていることはもちろんのこと、最低でも半月からひと月間というまとまった休暇が取れることが何よりもその前提条件となることは確かです。
これが普通の社会人にはかなり高いハードルとなるだろうなぁ。
しかも、雨期(モンスーン時期)を除いた期間内での半月間、ひと月間ということなので、活動時期はかなりピンポイントに限定されてしまうのだ。

とはいえ、(実際に行ってみればよ~く解るが)それらの難題を何とかクリアして、ネパールヒマラヤの辺境を歩く価値は十二分にある、と僕は思っている。


今回報告会で話しのあったルートは、僕もぜんぜん馴染みのない地域で「辺境」と呼んでもよいところだろう。
ネパールの東の端、インド/シッキムとの国境上にそびえる世界第3位の高さを持つカンチェンジュンガ。その北側(カンチェンジュンガBC)からスタートした彼らのトレックは、中国国境に並行するように西走し、アルン川沿いまでの区間を約2週間かけて歩いたことになる。
(出発点までの行きの道、今回の最終地 Numからの帰路を合わせると、合計1ヶ月以上になる。)

彼らは今後、今回歩いた後を繋ぐようにアルン川沿いからさらに西走するのだろう。次回の報告会がまた楽しみだ。


僕はカンチェンジュンガを南東側(ダージリンやガントーク)からしか見たことはないが、そこから見る山塊はまったく壮大であって無辺、女性的・母性的な迫力?!(偉大な母なる山という感じ) をもった素晴らしい山という印象を強く持っている。大好きな山のひとつだ。


このグレート・ヒマラヤ・トレイル(G.H.T)というトレッキングルートは、北側(山岳ルート:1,700km)と南側(丘陵ルート:1,500km)の2本があって、2011年10月に開通(?)したというが、この場合、“開通した” という表現が適切かどうかは意見の分かれるところだろうな。。
現段階では「そう名付けてみた」、というような感じなのではないのかな? どうなんだろう? 


でも、最高に面白い!
この素晴らしい魅力溢れるルートを僕もぜひ、全ルート踏破してみたい。と思わせてくれた報告会でした。

ピークハントにこだわらない山旅・ヒマラヤの山旅 :http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2015/02/04/

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