スミレと聞いて目に浮かぶのはタチツボスミレの花? … 自然観察・WanderVogel2015/04/22

庭のタチツボスミレ
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今でもその辺で普通に見られるタチツボスミレは、日本に60種ほどあるといわれているスミレ科の植物のひとつです。

単に「スミレ」と言うとその標準和名を持つ(正規の?)スミレを指すのでしょうが、じつは最も一般的にその辺に普通に咲いているスミレといえば、この「タチツボスミレ」のことです。

タチツボスミレ、漢字では「立坪菫」と書きます。茎が立ち上がるように伸び、庭(坪)によく咲くスミレという意味です。
このタチツボスミレは、花が終わると地上茎が伸びて茎が立ち上がり、葉の大きさも今のこじんまりしたきれいなハート形からもっと大きな葉になる、という性質があります。

タチツボスミレは、ほぼ日本中で平地から低山まで広い範囲に分布し、日当たりのよい道端や草地、やぶなど、どこででもごくごく普通に見られる多年草です。
どこにでも生える大きな要因は、アリが種子を盛んに運んで広げているのだ、と言われています。
スミレの種子にはアリの好む物質が含まれていて、アリはスミレの種子を食料として一生懸命に巣に運びます。

運ばれる途中でそれがこぼれて、そこから新しくまた芽を出して勢力範囲を広げているのだ、と言われています。タチツボスミレの巧妙な作戦です。


スミレはある地方の方言でタロボウ(太郎坊)と呼ばれているのだそうです。太郎坊があるのだから、次郎坊(ジロボウ)ももちろんあります。
4/5に丹沢・大山で見つけて、写真をUPした「ジロボウエンゴサク」がそれです。
昔の子供たちの花相撲の遊びから、それぞれ太郎坊、次郎坊と呼ばれるようになったのだそうな。

そういった素朴な「野の遊び」が昔はたくさんあったのでしょうけど、今はその辺に咲いている何げない花に気がいかない子の方が多いのかもしれません。
道を歩いている子たちを見ても、ゲーム機やスマホに夢中で自分の手元にしか注意が行っていないのが、ちょっともったいないよな。

大山のジロボウエンゴサク:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2015/04/06/

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