丹沢の里山で取れる植物を使った草木染めの講習 … インストラクター・WanderVogel2015/04/29

草木染め
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今日は丹沢のやどりき沢で取れる草木を使った草木染めの講習を、10数人のインストラクターの仲間たちと行なってきました。

丹沢のやどりき沢には県の施設として、水源林の中にちょっとした大きさの集会場のような建物があります。
そこを使って毎年不定期に一般の方々を対象に「草木染め」の講習会・イベントを行っています。
森林インストラクターの中には、様々な分野の専門家・熟練者が多数在籍しています。今日は「染め」の熟練者を講師にして、スタッフ間の草木染め専門講習を行いました。

草木染めの材料は現場で容易く入手出来るものとして、とりあえずヤシャブシの乾燥した実、カツラの枝葉を乾燥させたもの、コナラの若葉(青葉)の3種類を使います。

もともと日本の「草木染め」というのは、農家の女手の仕事だったようで、自分の家の雑木林や里山などで簡単に手に入る材料を主として行なわれてきたと言います。

講師が持っておられる明治時代に書かれたという「草木染一覧表」には、藍(あい)やアカネといった「染め」でよく聞く名前の他、クヌギ、ハンノキ、クリ、クルミなどといった里山で主役の樹種がズラッと並んでいます。
媒染(ばいせん)剤としても、石灰や酢、あく、みやうばん、おはぐろなどの名前が記されています。

講師のインストラクターも言っていましたが、里山のイメージといえば薪炭材や椎茸のほだ木、肥料の材料(落ち葉)などが色濃いところだが、当時の「農家の嫁」の目には染色の宝庫だったのではないだろうか?、という言葉には、ハッとさせられました。

昔の生活では、様々なかたちで技術や知恵が上手い具合に伝承され、受け継がれてきて、山にあるものをうまく利用し、自分たちで考えて工夫し作ってきたという長い歴史があったんですよね。
今はそれが忘れ去られていて、なかなかふだん目に見えてこない。

僕などはふだん山歩きをしていても、目に入る木々と草木染めとが結びつくことなど今までにはなかったが、これからはいろいろな樹木や草花を見るたびに、これで染めるとどんな色になるのだろう、などと想像を巡らす楽しさが増えたように思います。


写真は、今日みんなで作ったそれぞれの草木染めの作品を、作業場としてお借りした丹沢/大倉の民宿の庭木に広げて干しているところです。
染色液は3種類ですが、媒染液の違いで出来上がりの色合いはそれ以上の色数になります。
デザインは様々ですが、みななかなか面白いきれいな柄に仕上がっています。自画自賛もありますが、ひいき目に見てもなかなか良く出来ていますよ。

自然観察系の一般のイベントで行なうことを考えると、これはかなり面白い催しになるでしょう。
(ただし、事前の準備や道具立て、予算組みなどを考えると、そう簡単に出来るイベントでは無さそうだ、ということも解りましたけど。)
草木染め、これはなかなか面白い。くせになりそうです。

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