森林探訪の下見1・大雄山最乗寺 … インストラクター・WanderVogel2015/09/12

大雄山・多宝塔
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かながわトラストみどり財団とNPO法人 かながわ森林インストラクターの会 自然観察部会が行なう秋の森林探訪の下見に行ってきました。

今回で第81回の森林探訪になります。
今回のテーマは「大雄山最乗寺・苔むす樹齢500年のスギ巨木林を訪ねて」です。
神奈川県の西端、静岡県と接する南足柄市の山中に建つ名刹・大雄山最乗寺とその周囲の鎮守の森を歩きます。


8月中に一度踏査をして、今回の森林探訪コースを決めていたのですが、8月中旬から続いていた長雨と先日の台風の影響で、激しく降った雨水が山道を深く削り取り、当初計画していた「奥の院」からの周遊ハイキングコースはまるでアドベンチャーコースのような姿になっていました。
参加者の安全が確保出来ないということで、当初コースの下見をいちおう終えたあとに、台風の影響の比較的少ないルートに設定し直し、その踏査を行ないって「新」実施ルートを決めました。
そんなこんなで、陽が暮れる寸前くらいにやっと下見を終えることが出来ました。

お寺の周りに広がる寺領の杉林は樹齢の古さもさることながら、水源林の森としても良く手入れがなされていて、気持ちの良い明るく静かな森になっています。
また最乗寺は、秋の紅葉の名所としても広く知られていて、紅葉シーズン(11月前後)ともなると、多くの観光客がカメラを持って園内を歩き回ることになると言います。


最乗寺は曹洞宗のお寺ですので、基本的に寺院の建築様式は「禅宗様」と呼ばれる様式で形作られることになります。
「禅宗様」というキーワードを頭に入れて境内を散策するとより理解度が深まり、境内に3O棟以上点在すると言われているお寺を見る楽しさが倍増します。

昭和になってから再建された寺院・建物が多い中、もっとも古いと言われているのが写真の多宝塔です。文久3年(1863年)に建立された塔で、南足柄市の市の指定文化財に指定されています。

多宝塔は二重(二階?)になっていて、一層目(1階)は正方形、二層目(2階)は円形の平面をしています。
特に円形平面を持つ上層階のデザインは、軒の垂木の架構方法(扇垂木)や三手先の詰組、野屋根、軒先の反り返り具合など、禅宗様の雰囲気を残していると思います。

ちなみに、本堂と御真殿については、日本の近代建築の基礎を築いた建築家の一人である、伊東忠太が設計したものです。

次回(下見2)につづく・・・

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