世田谷の散策路の桜の木に張られていた注意書き … 自然観察・WanderVogel2015/10/09

モンクロシャチホコに注意
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世田谷区都立大学に構造検査に出かけた帰り道、街路の桜の木に「モンクロシャチホコに注意!」の看板が張付けられていました。

周辺に住む住民から、「桜の下を散歩していると上から気持ちの悪い毛虫が落ちてくるので、退治してくれ!と、行政にクレームでも付けたのだろうか。
文中から、看板は世田谷区で張ったか、区からの回答を町内会が張り出したか、な感じになっています。

ちなみに、張り紙を書き写すとこんな内容でした。
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モンクロシャチホコに注意!
この毛虫に毒はありません。特に危険は無いため、区では薬剤散布による駆除は行ないません。
成熟した幼虫の体長は、約5センチで紫黒色の身体に黄色みがかった毛が生えています。桜などのバラ科の植物を好みます。シャチホコの名の由来は、幼虫がシャチホコみたいに頭と尾をふりあげるポーズが得意だからこの名前が付いたという話もあります。
幼虫は、葉を大量に食べて育ち、毎年、8月から9月頃に樹上から地面に降りてきます。そして落ち葉や浅い土中に潜り、蛹になって、冬を越し、6月から7月にかけて成虫になります。
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最近はモンクロシャチホコが大量発生することがあります。(うちは、ヒロヘリアオイラガの発生で、イロハモミジが丸裸にされてしまいましたが…)
そうなると、取り付いた桜の木の葉を全て食べ尽してしまいそうなほどに食欲がおう盛です。
丸坊主になった桜に木の下には、モンクロシャチホコの黒くて丸い糞がびっしりと落ちていることがあります。

モンクロシャチホコはシャチホコガという蛾の一種で、毒は無く、特に人間に害を加えるような生物ではありません。
ですので、葉を喰われてしまった桜の木には気の毒ですが、簡単に薬剤散布で駆除するというわけにもいきません。

ですから、東京都区内の区役所の担当も周辺の自治体も、安易な農薬散布は行なっていないのが実情のようです。
農薬散布は、モンクロシャチホコだけでなく、他の生物の生存をも脅かします。
毛虫がいくら気持ちの悪い存在でも、人間の都合だけで殺すことは出来ないということですね。


しかも、なんと!、もっとびっくりしたのは、ネットで調べてみると、このモンクロシャチホコ、桜の葉を専門に食べることから身体から桜の香りがするということで、好事家から「桜毛虫」と呼ばれ、昆虫食の食材として注目されているようなのです。
ホントなのかなぁ? でも、物好きはどこにでもいるからなぁ。

ちょっと信じられない話ですが、世の中いろいろな趣味の方がいますので、そういうこともアリ、なのかもしれませんね。

私は絶対食べませんけどね。

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