和製ヘーゼルナッツ・ツノハシバミの実 … 自然観察・WanderVogel2016/10/13

ツノハシバミの実
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ヤビツ峠から大山へ登る登山道の脇にツノハシバミ(カバノキ科ハシバミ属・雌雄同株で雌雄異花)の木が何本かあり、枝先に若い実を付けていました。

通常は3つ4つ固まって付いているのですが、ここではなぜか1つだけポツンとさびしそうに付いていました。
くちばし状に尖った実の中に種子がひとつ入っているのですが、種子の形は普通に丸い形(小さなドングリのような形)をしています。

美味しいナッツで知られるヘーゼルナッツ(西洋ハシバミ)は、このツノハシバミの仲間です。
当然、この実も食べることが出来ます。
写真の実はまだ青々していて熟していませんが、クリやシイの実同様に栄養価の高い実だと言います。
外皮が茶色く色付いてきたころが食べ頃です。

枝先近くには、すでに来年の雄花の新芽が出来ていました。
ツノハシバミは丹沢・大山でも比較的ポピュラーな木で、林道脇や登山道脇といった陽の当たる林縁部で見ることができます。

変わった形の実を付けたツル性のイケマ … 自然観察・WanderVogel2016/10/14

イケマの実
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丹沢・大山の秋の木の実シリーズ:イケマの変わった形の果実(中に種子がびっしりと入っています)

イケマはガガイモの仲間で、同じくキョウチクトウ科のツル性植物です。

キョウチクトウ(夾竹桃)の毒は結構知られていますが、キョウチクトウ科のイケマにも強い毒性があって、注意が必要です。
ツルや葉を切ると白い乳液が出てきますが、ヘタに触るとかぶれます。
葉にも茎にも根にも強い毒性を持ち、特に根にはアルカロイド系の強い毒を多く貯えていると言われていて、かなり危険な植物のひとつです。


初夏に咲く花はホントに小さいのに、果実はビックリするくらい大きいので、イメージ的に花と実が結びつきません。
大山の山頂付近(上社)には中高木の樹木に絡み付いて、繁殖しているイケマをたくさん見かけることが出来ます。

青い実はいずれ茶色く色付きカラカラに乾いて裂け、中から長い毛を付けたたくさんの種子が飛び出し風に乗って飛んで行きます。

オオバウマノスズクサとジャコウアゲハの関係と同じように、イケマはアサギマダラと関係を持ちます。
アサギマダラの幼虫は毒のある葉を食べ、身体の中に毒素を貯えて外敵(鳥など)から自分の身を防衛します。

自然界の不思議な関係がここにもありました。

本日(10/15)大山で秋の森林探訪が行なわれました … 森林インストラクター・Volunteer2016/10/15

メギの紅い実
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本日、丹沢・大山で秋の森林探訪が行なわれました。

朝からの快晴で、また前日から降水率0%と予報が出ていたこともあって、早朝から秦野駅前のヤビツ峠行きバス停には長い列が出来ていました。
ヤビツ峠から大山へのイタツミ尾根も登山客でいっぱいです。
大山頂上(阿夫利神社上社)もお弁当を広げる場所にも苦慮するほど多くの人で溢れていました。

大山頂上付近の登山道にはメギが可愛い実を付けていました。
メギは漢字で書くと「目木」と書きます。その葉や樹皮の煮汁で眼を洗うと眼病に効くということから名付けられたと言います。

もう少しするときれいに紅葉し、その後すっかり葉を落としますが、枝に付いた赤い実は年明けまで多く残っています。
鋭いトゲが鳥が留まるのを邪魔しているからでしょうか?
別名、コトリトマラズ(小鳥止まらず)とも言います。

大山で秋の花、リンドウが咲いていました … 自然観察・WanderVogel2016/10/16

リンドウの花
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丹沢・大山の登山道でリンドウの花がきれいに咲いていました。

9月の終わりと10月初めの下見では蕾みの状態でたくさん見ましたが、咲いているのは無く、昨日やっと1輪、2輪咲いているのを見つけました、
花の少なくなったこの時期、足元に咲く鮮やか紫~ブルーのリンドウの花は、小さくてもよく目立ちます。

赤い実はたくさん目に付きますが、花は少なかったなぁ。
シロヨメナとヤマトリカブト(ハコネトリカブト?)、の花はあらかた終ってしまっていて、シカ避け柵の中にあった大群生も、昨日はちょっと拍子抜けな感じでした。
下見では、シロヨメナとヤマトリカブトの白と紫の花のコラボが見事でしたが、残念でした。

かろうじて、センブリやキッコウハグマ、フジアザミなどの花がチラホラと見られた程度でしたが、それはそれで結構貴重な経験だったかも、、、
何と言っても最高の天気に恵まれたことが最大の収穫でした。
暑くもなく寒くもなく、ちょうど良い気候の中で山歩きが出来たので、参加者の満足度も高かったと思います。

他の登山者が多くて、落ち着いた雰囲気で歩けなかったことが少し残念、と感想を漏らした参加者もいましたが、こればかりは、、、人気の山ですので、しょうがないかなぁ。

テンナンショウ(天南星)の青い実 … 自然観察・WanderVogel2016/10/17

テンナンショウの青い実
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丹沢・大山の登山道で見かけたまだ青い実のテンナンショウの仲間

テンナンショウ属の植物は日本には30種以上の種類があって、厳密な分類が大変難しいと言われている植物です。
代表的はものには、マムシグサなどがありますが、山を歩いていて正確に特定するのはなかなか困難で、森林探訪での説明でも「テンナンショウの仲間」という言い方で統一しています。
形状に特徴があって解りやすいもの、ウラシマソウやユキモチソウ、ムサシアブミなどに限っては名前を特定して説明しますが、他はなかなか難しいものです。

サトイモ科に属するテンナンショウですが、全草有毒です。特にその根(球根)には強い毒があることが知られています。
いちおう雌雄異株の植物で、開花時期に山を歩くと雄の花と雌の花の両方の花を見ることがありますが、よく見ないとその区別も微妙です。
面白いのは、成長するにしたがって、雄から雌に性転換して種を付けることがあります。
かなり変わった性質を持つ植物です。


毒があることから、さすがに鹿も敬遠しているのか、鹿が食べ尽して丸坊主になってしまった斜面などでも結構残っているものです。
ただ、イノシシが地面を掘り返したところなどでは見かけないので、イノシシはけっこう食べているのではないかな、とも思ってしまいます。
食べたあとにお腹をこわしているのかもしれませんけど・・・

今は青い実ですが、秋も深まると真っ赤に色付きます。

大山の崩壊地に咲くフジアザミの花 … 自然観察・WanderVogel2016/10/18

フジアザミ
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丹沢・大山の山塊崩落地の斜面上で見かけたフジアザミ

いわゆる「フォッサマグナ要素」植物と呼ばれるもののひとつです。
丹沢周辺には、これを含めて46種のフォッサマグナ要素植物が分布していると言われています。

植物などの区分上では、丹沢周辺地域は南部フォッサマグナ地域に分類されていて、ここでしか見られない植物が多く自生しています。
その中心地は丹沢・箱根ですが、北は八ヶ岳から富士山周辺、伊豆半島・伊豆諸島に及びます。

丹沢・大山では大気汚染等による樹木の立ち枯れ、鹿が食べ尽してしまったことによる下草の消失、もともと崩壊しやすい地盤特質などによって、あちこちで山の斜面が大きく崩落している姿を見かけます。
そういった崩落地の崖地に真っ先に取り付いて大きな群落を作るのがフジアザミです。
不安定な地盤でも大きく育っているところを見ると、そうとう繁殖力と適応能力が高いのでしょうね。

日本のアザミの仲間の中では一番大きな花を咲かせます。
ただし、みな下向きに咲くので、写真を撮るためには下から覗き込まないと見えません。

かながわ森林インストラクターの会 HP上の解説:http://www.forest-kanagawa.jp/5chishiki/5chishiki-04b.html

大山で見かけたツルニンジンの花と若い果実 … 自然観察・WanderVogel2016/10/19

ツルニンジンの花と実
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丹沢・大山の林道脇でツルニンジンの花と実を見つけました。

これも丹沢や箱根ではよく見かける植物です。キキョウ科のツル性の植物で、崖地や切り開いた林道沿いの斜面などでよく見かけます。
花が大振りなので、よく目立ちますね。

根が大きく、朝鮮人参に似ていることからこの名が付けられたようです。
日本ではあまり食用にしないようですが、朝鮮ではツルニンジンの根は、代表的な山菜でキムチなどに使われると書かれています。
残念ながら、僕はまだ食べたことはありません。

また、朝鮮人参のようにお酒に入れてツルニンジン酒としても飲まれるとも書かれていますので、そちらの方は是非是非飲んでみたいものです。

そろそろサツマイモの収穫をしないと・山上の畑 … 畑仕事・WanderVogel2016/10/20

サツマイモ
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ここのところ仕事が忙しく、(こまめな収穫は出来ているのですが)本格的な畑仕事が時間的になかなか出来ないので、ヤキモキしています。

今日朝方に時間を作って畑に出てみました。といっても30分程度ですが、、、
オクラを引っこ抜いて整理をして、ピーマンや万願寺とうがらし、鷹の爪などもいっしょに整理しようと思っていたのですが、まだみんな立派な実が鈴なりに成っているので、もう少し収穫出来そうですねぇ。

特に今年はじめて作ってみた万願寺とうがらしはすごかった!
5月に2本だけ苗を買って来て植えたのですが、7月から4ヶ月間ほぼ毎週のように10~20本は収穫していますので、ざっと計算しても1本で120~150本は収穫出来るということになります。
1本の大きさも12~15cmはある大振りなものですのですから、お得感がありますねぇ。
万願寺とうがらし、スーパーなどで買うと結構良い値段します。

10月の最後はサツマイモの収穫が待っています。
これまでも、試験堀りと称して掘って持ち帰っていますが、だんだん甘みが増してきているように感じます。

楽しみである反面、また大量の収穫物を持て余すことになりそうで、今からちょっと怖いです。。。

練馬区の石神井川沿いで見かけたビヨウヤナギの花 … 自然観察・WanderVogel2016/10/22

ビヨウヤナギの花
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今日は仕事で練馬区に行ってきたのだが、石神井川沿いの遊歩道で園芸品種のビヨウヤナギの花を見つけました。

この時期にキンシバイが咲いているの?、と思ってよくよく見るとちょっと様子が違う。
よく見ると、同じ仲間で良く似たビヨウヤナギの花でした。いずれにしても季節外れではあるよなぁ。

ビヨウヤナギ(未央柳)もキンシバイ(金糸梅)もオトギリソウ科オトギリソウ属の植物ですので良く似ています。
ぱっと見、違いが解りません。

花も写真を並べると花片の開き具合や雌しべの長さなどで解りますが、一瞥しただけではそれほど大きな違いはありません。
枝に付いた葉の並び具合を見ると、区別しやすいのかもしれません。
キンシバイの葉は平面的に対生で並ぶのに対し、ビヨウヤナギのほうは十字対生で葉が付いていますので、それが見極めるポイントか?

この写真でも花の下に写っている葉を見ると、確かに枝に対して十字対生に付いています。

平潟湾遊歩道沿いのソテツの実とハゼ釣り … 自然観察・WanderVogel2016/10/23

ソテツ・雌木
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平潟湾沿いに付けられた遊歩道に何本かのソテツ(蘇鉄)の木が植えられています。

この時期、雌木は写真のような大きな帽子をかぶっています。
細かい毛の生えた触手で覆われた帽子の中には、ソテツの実がギッシリと詰まっています。
帽子を手でかき分けて中を覗くと、朱色の実がたくさん詰まっているのが見えます。
ソテツというのは、恐竜時代の生き残りのようなホントに不思議な植物です。


平潟湾とそこに注ぎ込む川(侍従川や六浦川)の河口にはこの時期、釣り人が釣り竿を持って並んでいます。
秋の風物詩、ハゼ釣りの太公望たちです。
入れ喰いと言うわけにはいきませんが、それでも釣果はそこそこあるようです。見ていると、けっこう良型のハゼが釣れています。

このハゼ釣りの姿を見るたびに、毎年同じようにある句を思い出します。
「はぜ釣るや水村山郭酒旗の風」
服部嵐雪の句です。
本歌は杜牧の漢詩「江南の春」ですが、服部嵐雪は季節を秋に置き換えて、いかにも日本らしい風景と心情を詠っています。

金沢八景の居酒屋には酒旗ははためいてはいませんが、気温がだんだん下がって来て、お酒が恋しくなる季節ですねぇ。

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