可愛らしいキハダの冬芽・葉柄内芽 … 自然観察・森林インストラクター2016/11/14

キハダの冬芽
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昨日は森林探訪の下見という主目的もありましたが、個人的には冬芽観察でも十分に楽しめました。

植物は夏の終わりことから、来年の芽吹きに向けた準備を静かに進めています。
落葉広葉樹たちは秋の終わりから冬にかけて、役目を終えた葉っぱを次々に落としていきます。
この時期になってはじめて、僕たちの目に来春芽吹く新しい芽「冬芽」を見せてくれる木があります。

一口に冬芽と言っても、いろいろなパターンや形状、保護のされ方があります。
新芽を芽鱗(がりん)と呼ばれる硬い鎧で覆って武装している木もあれば、寒さに負けないようにフワフワの毛皮を外側にまとっているものもいます。
また、冬芽のひとつがダメになってももう一つの芽が、、と保険を掛けている堅実派の木もいます。


キハダの場合は、葉の付いている葉柄の中に新芽を隠し、落葉するギリギリまで大事に守っています。
羽状複葉の葉が枝からポロリと落ちると、写真のように中から冬芽が現れます。
葉柄の中に冬芽が隠されているので、これを「葉柄内芽 ようへいないが」と言います。

キハダは沢沿いの陽当たりの良い斜面などで多く見られ、丹沢周辺でもわりと良く目につきます。
名前は、樹の表皮を剥ぐと真っ黄色の内皮が下から現れることに由来します。
この鮮やかな黄色の樹皮(内皮)は漢方で「黄柏 おうばく」と呼ばれ、胃腸薬などの薬として利用されています。

キハダの落葉は始まったばかりです。
来週の日曜日でも葉と冬芽の両方を見ることが出来るでしょう。

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