寄沢河畔のフサザクラ、開花し始めました … 自然観察・WanderVogel2017/03/11

やどりき沢のフサザクラの開花
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丹沢の寄沢(やどりきさわ)河畔にたくさん植わっているフサザクラ(房桜)の木。今日は空気は冷えていましたが、暖かい陽射しを浴びた蕾みから順に開花し始めていました。

フサザクラは、バラ科のサクラとは別物(遠縁にはあたるようです)で、独立したフサザクラ科フサザクラ属の落葉高木です。
丹沢の陽当たりの良い場所で谷沿いでは、割りと良く見られるポピュラーな樹木です。


フサザクラの一番の特徴は、写真のように特徴のあるハデな花です。
赤い房状の花の咲く様子を、満開のサクラに見立ててフサザクラという名が付けられています。また、タニグワ、サワグワなどと言う名でも呼ばれたりします。

雌雄同株の両性花で、3月から4月に葉が開くのに先駆けて、このように咲きますが、普通の花のような「花弁」は無くて、花のように見える赤いものは「雄しべ」に当る部分になります。
この雄しべが10本以上束になっていくつも垂れ下がり、ルーペで雄しべの根元を覗き込むと、雌しべが多数ついているのが見えます。

フサザクラ、かなり変わった、と言うか、かなり原始的な被子植物で、「古代植物の生き残り」なんて言われたりもしています。

寄沢で開花していたオニシバリの花(雄花) … 自然観察・WanderVogel2017/03/12

オニシバリの花
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丹沢の寄(やどりき)沢の河畔で、ジンチョウゲ科のオニシバリの花が咲いていました。

ジンチョウゲ科の木の樹皮はどれもとても強く粘りがあり、和紙やお札などの原料として昔から使われています。
これは、何も日本だけに限ったことではなく、中国南部からヒマラヤ地方(ネパールやインド北部)でも同様に、昔から紙の材料としてジンチョウゲ科は利用されてきています。

昨年12月に行ったネパールの2,000m以上の山の中でも、これと同じようなジンチョウゲ科の木が自生していました。
樹皮を剥ぎ取り、蒸して叩いて水に晒して簀の子で漉いて と、ほとんど日本の和紙制作と同じ工程でもって、ネパール和紙(ロクタペーパー)を作っています。
ネパールのロクティ:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2016/12/11/

和紙の材料としては、同じジンチョウゲ科の中でミツマタ(三椏)やガンピ(雁皮)などが有名ですが、このオニシバリもジンチョウゲ科ですので、この木の樹皮からも紙を漉くことは出来ます。
ちなみに、コウゾ(ヒメコウゾ:姫楮)はクワ科(雌雄同株、雌雄異花)ですので、同じく紙の原料といってもちょっと科が違いますね。ヒメコウゾは、丹沢や群馬・新潟の山中でもけっこう見かけます。

オニシバリは雌雄異株の落葉低木ですが、落葉する時期は冬ではなく夏なんです。ですからこの時期でも艶々した葉っぱが茂っています。
ミツマタなどはこの時期には完全に葉を落としていて、枯れた枝先に黄色いボンボリのような花だけを付けています。

ちなみに、ジンチョウゲは常緑ですので、いつも青々した葉を付けていますね。
また、日本で栽培されている庭木などのジンチョウゲは、そのほとんどが雄株だと言います。園芸用には挿し木で育てる方が効率が良いらしく、花の付きの早い雄株のほうが増える要因になっているとか。


オニシバリは周りの落葉高木が葉を落とし切った冬の間に葉を茂らせ、盛んに光合成をして一年分の養分を貯えます。
夏の間は鬱蒼として暗い森の中も、この冬の時期には林床まで陽がサンサンと降り注ぎます。
オニシバリは、秋に葉っぱを落とす周りの木々の中にあって、冬のあいだ太陽の光を独り占めして、「してやったり」とほくそ笑んでいるでしょうね。

逆に、ほとんどの木々や草が葉を茂らす夏の間は、すっかり葉を落として枝だけとなり、来るべき秋の新葉の展開に備えています。
夏に葉を落とすことから「なつぼうず」などと言う別名もあるくらいです。

花びらのように見えるものは、萼片(長く伸びた萼筒が先端付近で四裂したもの)にあたります。
萼筒の先端からは、黄色い花粉を付けた雄しべが顔を覗かせています。
オニシバリは雌雄異株ですので、この木は雄の木ということになりますね。

冬の間に葉と花を付けたオニシバリは、初夏の葉を落とす前の枝先に真っ赤な実をたくさん付けます。
葉の無い枝にたくさん付く赤い実は、薄暗い林床の中でもけっこう目立ちますが、この実には毒があるのだと言います。

沢沿いでひときわ目を引くヤマルリソウ(山瑠璃草) … 自然観察・WanderVogel2017/03/13

寄沢のヤマルリソウ
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丹沢の寄(やどりき)沢の写真をもう1枚。

沢辺りの湿った土地に咲く、ヤマルリソウ(山瑠璃草)の花。
学名:Omphalodes japonica オムファロデス・ジャポニカ
Omphalodes は、ギリシャ語の「omphalos オムファロス(へそ)+ eidos エイドス(形)」というのが語源だと言います。
と言うことは続けて読むと、「日本のへその形」ということ?

へその形というのは、実の形に由来しているとか。

花は良く見るのですが、実の方はまったく記憶にもありません。

で、さっそくnetでググってみると「実」の写真ありました。タコの吸盤のような形のものが4つ固まって付いています。
「なんだこりゃ?」という感じです。
解説によると、4つに分果した果実なのだそうですが、この形たしかに「へそ」見えなくもない。

ユジャ・ワンのピアノ・コンチェルトがいい、、 … art・Classical music2017/03/14

コンチェルト
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冬の長い夜を過ごすのに、CDを聴く機会が最近少なくなっているように感じる。
替わって、you tubeを聴く(というか観る?)のが多くなっている。まぁ、気軽に聴けるというのが一番の要因なのですけど。

で、ユジャ・ワン(Yuja Wang 王羽佳)のピアノはいい!、というお話し。
僕は、音楽に関しては詳しくないので難しいことはさっぱりわからんのですが、僕にとってはこれぞまさしく魅せる音楽、魅了される演奏というものなんだなぁ。
ピアノの技術の高さ、演奏の素晴らしさはもちろんのこと、演奏している姿そのものがなんともキュートでたまらない。
衣装に関して反則と言う人もいるのかもしれんが、いや!あれでいいんですよ。

youtube上にはたくさんのYuja Wangの演奏VideoがUPされているが、特にコンチェルトが引き込まれます。
なかでも、ラフマニノフとチャイコフスキーはとても良くて、毎日何回も何回も聴いてる(観ている?)くらいですもの。

ガーシュインのRhapsody in Blue(カメラータ・ザルツブルクでの2016年ライブ映像がUPされている) にあっては、演奏も表情もスパンコールの衣装もとても色っぽくてロマンチックで、冬の夜になんとも 酒が進んでしまいます。
有名なピアニストでしょうから、なにを今さら、、という感はあるかもしれんが、クラシックなので許してね。
と、何だか以前にもYuja Wangのことをこのblogで書いたような気もするのだが、表題にもあるように本人の思いつきで気まぐれに書きなぐっているblogなのだから、まぁ良いか。


ちょうど1年後、サントリーホールでニューヨークフィルとのコンサートがあるそうで、すでにチケットの先行予約が始まっているみたいなのだが、S¥30,000 A¥26,000 B¥22,000 C¥16,000 というラインナップでは気軽に行けそうにないなぁ。
でも、チケットはすぐに売り切れてしまうのだろうか、、、

ブラームスのピアノ協奏曲第1番 ニ短調 op.15、ストラヴィンスキーの バレエ「春の祭典」を演奏するというが、聴いてみたいなぁ。
というか、じかに観てみたい。会ってみたいなぁ。

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