住宅建設・施工品質の崩壊(建築専門誌より) … 建築監理・第三者監理2017/06/21

日経HB7月号
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定期購読している建築専門誌、日経ホームビルダー7月号の特集「迫り来る 施工品質の崩壊」

なんとも恐ろしいタイトルが付けられているが、住宅現場の実態を肌で触れている者としては、実体験として解る気がする。
記事の大半はトラブルの実例やハウスメーカー施工各社の品質管理に関する取組みなどの内容なのだが、根本的な話しをすれば、職人と現場監督のスキル不足ということに集約しそうだ。

職人にせよ現場監督にせよ一朝一夕で優秀な人材を生み出せる、作り出せるわけではなく、それには長い時間とコストがかかる。また、100人教育しても全員が人材確保につながるというわけではない。そのうちの何割かは脱落して行くし、何割かは一定のスキルにまで達しない者が出てくる。
そこで、多くのハウスメーカーでは、そういった職人レベルのスキル不足は容認して、スキルアップだけでなく「仕事のやり方」で解決しようと、やっきになっている。
そのひとつが、施工の単純化、標準化、マニュアル化だと言える。
あらかたの作業を職人や現場監督の介在する前の段階で、工場生産してしまおうということだ、簡単に言えば「職人のスキルアップ」ではなく、「素人でも建てられるようにする」ということなのだろう。
しかし、「建物」特に住宅の建設では、不測の事態や現場で判断しなければ納まらない事柄というのが、頻繁に起きてくるものだ。
分厚い施工マニュアルをいくら作ろうが、それに記載されていない状況が現場ではたくさん発生する。

今まで、施主からの第三者監理で検査・監理をして来て感じるのだが、工場加工・生産された部材の間違いや食い違いというのはそれほど多くはない。
是正指摘に結びつくような不良施工のほとんどは、現場施工で造られたものに集約されている。つまり、基礎工事、断熱工事、防水工事など、現場作業で組み上げていく工事ということになる。
その施工不良の原因のほとんどは「段取りの悪さ」だと感じる。
いくら素人同然の「職人さん」でも造れるとはいっても、段取りについては施工マニュアルには書かれていない。マニュアルや施工仕様書に書かれているものは完成形の姿だけなので、ぱっと見、それ風に出来ているような感じもしたりするが、良く見ると施工の順序がぜんぜん違っていて、完全に不良施工になっているケースというのも多く見てきた。

是正指摘をしても、根本的な施工の意味を理解していないので、何が間違っていて、何をどう直せば良いのかが解らない。といった状況も頻繁に起きている。
これは職人にも現場監督にも言える。
監督がいちいち指示を出さないと現場が正常に納まらない、というのも著しく危機感を感じるが、監督自身が間違いに気付かないというのもお粗末なものだ。

特集されている「迫り来る 施工品質の崩壊」の根本原因は、(住宅本体の)物質的な話しではなく、人的なスキルの崩壊、ということなのかもしれない。

日本の住宅の全てがそうではないが、ある一定の割合で今でも不良住宅は建てられ続けているのが実態だ。

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