可愛らしく目立つ、アカメガシワの幼果 … 自然観察・WanderVogel2017/07/10

アカメガシワの幼果
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神奈川県ではあちこちでよく見かけるアカメガシワ、雌雄異株の落葉高木だ。

この時期、雄木の方は淋しい姿なのだが、雌木の方では雌花が膨らんで来て、すでに幼果が出来始めている。

ひとつひとつの果実には、黄色い線状のイガのような突起がピョコピョコといくつも飛び出ている。
幼果の先端にはカニの爪のような形状の紅色の花柱が残っていて、円錐花序全体を見るとカラフルなカップブラシがぶら下がっているようにも見え、なんとも賑やかな姿である。

山間部では崩落地やギャップが出来ると真っ先に取り付いて繁殖していくパイオニアプランツのひとつなのだが、街なかでも、隙さえあれば地面の隙間からでもしぶとく芽を出し育ち広がっていく。
雌雄異株なので受粉して増えていくにはとうぜん雄の木と雌の木がセットで必要で、繁殖には不利なのかと思いきや意外にそうでもなく、あちこちでやたらと勢力を伸ばしているように感じる。

アカメガシワの花弁のない雄花は華やかさに欠ける姿にも見えるのだが、その良い香りに惹かれてアゲハチョウやミツバチ・ハナバチ類など多彩な蝶や昆虫たちがまんまと集まってくるのだそうだ。そうしてみれば、案外効率の良い受粉システムになっているのだろう。

特定の虫のみに頼って受粉を行なう樹木・草花も多くあるなかで、アカメガシワの「来るもの拒まず」の八方美人的な受粉のやり方というのも、彼女らしい手練手管で虫たちを手玉に取っている、ということになるのかな。
確かに一見すると効率の良さそうな方法なのだが、そのためには昆虫をおびき寄せるための大量の蜜と花粉を生産し、供給しなければならないことを考慮すると、費用対効果でどちらが効率が良いのか、僕には判断出来ない、、、

また、この方法で生産されるこれまた大量の「種子」についても同じことだ。
パイオニアプランツたり得る条件のひとつには、とにかくあたり一面に種子をバラまき、何年経とうがじっと我慢をして、条件が揃ったところで「すぐに発芽し、急速に育つ」ということがある。
バラまく方法は「鳥」に託してということにはなるが、生き抜くための賢い戦略のひとつと言えるのだろう。

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