風に吹かれて揺れるハナズオウの赤いサヤ … 自然観察・WanderVogel2017/07/19

ハナズオウの赤いサヤ
- -
中国原産の落葉低木。春先に枝に直接ピンク色の花を付けるハナズオウ。

この時期にはすっかり種子・豆の姿に変ってしまっている。
マメ科ジャケツイバラ亜科(ハナズオウ属)の木なので、写真のように豆のようなサヤを持った実を付けている。
赤いサヤが風に揺れて、これはこれでなかなか風情があるものだ。

中国原産の樹木は江戸時代始めまでに渡来してきたケースが多く、さすが昔から頻繁に往来があった国ならでは、ということなのだろう。
中国経由でもたらされる植物は、総じて割と早い段階で日本に入ってきていることが多いのではないか。
ハナズオウ、可愛らしい花の姿を見ると、昔から庭木として重宝がられたことは想像に難しくない。

僕にとってはつい最近まで名前を知らなかった樹木なのだが、ある日、どこかの小学校の正門脇でチラッと見かけて「何の木だろう?」と不思議に思ったのがきっかけで、それ以来どこか頭の隅にそのことが引っ掛かっていたのだろう。
身近にこうして植わっている木を再度見つけて、「そうか、これだったのか!」と再認識した樹木のひとつだ。


里山や山岳地帯に生えている樹木・草本などは、その地域や環境,季節などからおおよそのあたりをつけて樹木を観察出来るのだが、庭木や公園樹に関しては必ずしもそうではないし、特に民家の庭木などは近寄って観察が出来る状況にあるとは限らないので、すぐに同定出来ないことも数多くある。
そのような時でも頭の隅にその記憶はしっかりと残っていて、何かのタイミングで再開した時にその「疑問」が解けるということもあるので面白いものだ。

何げない住宅地の散策というのも、時として変わった樹木・草花と出会えるチャンスがあるからそう馬鹿には出来ない。

このように身近に見ることが出来る樹木・草花は、四季を通して観察することが出来るという点でもなかなか興味深いのだ。

もちろんこのハナズオウ、山で見かけることは絶対に無いだろうな。

アクセスカウンター