雨山に咲いていたツルニンジン(ジイソブ)の花 … 自然観察・WanderVogel2017/09/14

ツルニンジン・ジイソブ
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先日、雨山の麓で見かけたツルニンジンの花。

ツルニンジンはキキョウ科ツルニンジン属のツル性多年草。
根が高麗人参に似ていることから名が付けられた。韓国では高級食材なのだそうだ。
もっとも韓国のツルニンジンと日本の山野に自生しているツルニンジンとは多少成分が違うようで、韓国産の方がより滋養があるという。

別名を「ジイソブ」と言い、爺さんのソバカスという意味なのだそうだが、これはより小さな花を付けるヒメツルニンジンを「バアソブ(婆さんのソバカス)」と呼ぶことから派生した呼び方のようだ。
バアソブの花の方は確かに花弁の内側にソバカスのような斑点が見られるが、ジイソブ(ツルニンジン)の方には斑点状の模様は見られない。

根が滋養強壮に効果があるということから、盗掘されることも多く、特に目に付き易いところに生えているツルニンジンは狙われやすい。
もしどうしても持ち帰りたいのであれば、せめて種子程度にしてもらいたいものだ。
花が終ると果実(朔果)が残るが、種子が外に出るようになるのは年を越してからのことになる。
松の種子のような「翼」を持った風散布型の5mmほどの種子がたくさん出来る。

やどりき水源林などで定期的に観察を行なっていると、盗掘という問題にけっこう悩まされることがある。
山野草のなかでも特に美しいものや珍しいもの、貴重なものほどそのターゲットになることが多い。

先日まで花が咲いていたものが、こつ然と姿を消し、後には盗掘され掘り起こされた穴だけが残っている、なんて姿を見るたびに悲しい気持ちになる。

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