設計者・現場監督の責任と職業倫理 … 第三者監理・建築設計/監理2017/09/28

建築定期講習
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建築士事務所に属する建築士の資格を持っている者に義務づけられている3年毎の定期講習。
ほぼ丸一日を要して行なわれる。

現在、どんなに高名な建築家でも新しく免許を受けた建築士たちと一緒に、この講習会を受けなければならないという決まりになっている。
建築士に対してそういう縛りを付けるのであれば、同じ「士」の免許・資格である医師や弁護士も同様に実施すべきだと思うのだが、関係団体の力が強いのだろう、不条理だが現状でもまだそういう状況にはなってはいない。
弁護士だって医者だって、倫理も常識のかけらもない者も中にはいると思うのだが、、、

この建築士定期講習の組立ては、大きく2本の柱で構成されている、と言って良いと思う。
1つ目は、この3年間で起きた建築関係の事故や社会情勢に関する事例紹介、そしてそれに起因して新しく追加されたあるいは変更された法律や法令の解説。
2つ目は、建築士あるいは建築士事務所としての法令の遵守・コンプライアンスに関する職業倫理の周知徹底。
もともと2つ目のことが原因(俗にいう姉歯事件)で始まったこの制度なので、定期講習では毎回この内容に多くの時間を割いている。


僕も、デザイン・設計作業の他に、第三者監理ということに力を入れて取り組んでいるので、この職業倫理については現場で言いたいことが山ほどある。

建築士が行なう業務は、国家資格を持って設計や工事監理を行なう以上、業務独占を賦与されていることになる。
業務として行なう設計や工事監理等において私法(民法や商法など)上の契約責任や不法行為責任とは別に、建築士法などの法令に規定する内容を遵守するという公法上の責任を負っている。
あえて専門的な責任うんぬんは別にしても、特に住宅の建築などでは、ごくごく一般的な(建築や施工の知識のまったく無い)人が建て主・契約者となるわけなので、建築士は設計や工事監理業務に当たり、専門的な技術的判断のもと、専門家としての高度な注意義務(民法で言うところの善管注意義務)を負っているはずなのだ。


でも、実際にはどうだろうか?
今抱えている第三者監理の現場でもそうなのだが、建築士の資格を関係者はみな持っていて、当然この建築士定期講習を同じように受けているにもかかわらず、法令違反(建築基準法違反)や手抜き工事が頻発し、施主に対する説明不足も重なり大変な混乱を引き起こすことが多々ある。

設計書上の仕様解説の不備、思慮が浅く不誠実な現場監督の投入に加え、施工を知らない施工者が作業を行ったことで起こった結果がそう言う事態を引き起こすのだが、最近こうしたどうしょうないゴタゴタが多い気がする。

その物件の場合、数ヶ月前から設計・施工側と施主側の双方が代理人(弁護士)を立ててやり取りをせざるを得ない状況に落ち入っている。
ただ、普通の弁護士は建築のことについて施主以上に素人なので、工事の混乱を納める有効な手立てを立てることは残念ながら出来ない。

弁護士には違約金や損害賠償金の交渉、引渡し延期に伴って発生する費用の負担などの金銭的な交渉、契約上の違約交渉などに専念してもらい、私の方は実際の建物の技術的な解決策の提示、第三者監理の検査で見つかった不良箇所の是正指示と確認など、工事の実質的な監理・監視業務を行なうことに専念するのが良いのだろう。

問題は、それをどううまくやらせるのかが、大きな問題なのだが、、、まぁ、それが手腕の見せ所ということだ。

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