山の自然素材を使って作るアート(スイバ) … Nature Art・Workshop2021/09/13

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「タネ・種子」に注目して作った標本風のサンプル作品:スイバ(雌株)
「森林インストラクターと山を歩き、山で収集したもので作品を作ってみよう」という“森のワークショップ”の一環で作成した、WS用の個人的な「習作」

スイバ(蓚、酸い葉、Rumex acetosa):タデ科ギシギシ属の多年草。英名はCommon sorrel.
雌雄異株で花は春から初夏にかけて咲く。茎は直立し、高さは50~80cmくらいになる。
内花被片は長さ約4mmで、内花被片の中に1.5~2mmくらいの胡麻のような小さな黒い果実が1個入っている。種子はルーペで良く観察してみると3稜形をしていて、なかなか手の込んだ造形をしている。
鮮やかな紅色をした内花被片は結構長いこと色あせずに色が残るので、鑑賞期間も比較的長く楽しむことが出来る。
通常、採取時にすでにドライフラワー化しているため作品の制作にあたっては手間が掛からない。


「土手のスカンポ ジャワサラサ・・・・」と歌われた小学唱歌の「スカンポ」は、このスイバのことなのだそうだ。しかし、地方によってはイタドリ(虎杖)をスカンポと呼ぶところもあって、僕などはスカンポと言えばイタドリのことだとずっと思っていた。イタドリとスイバは同じタデ科の植物ではあるが、まったくの別の物なのである。

葉を噛むと酸味があることが、スイバ(酸い葉)という名が付けられたという。
日本では新芽を山菜として食べられたりもするが、ヨーロッパでは古くからスープの実やサラダ、肉料理の付け合せなどとして普通に利用されてきたようだ。スイバにはホウレンソウと同しようにシュウ酸という成分を含むため、調理にあたってはアク抜きなどの下ごしらえが必要なのだそうだが、さほど気にするほどでもないようにも思えるのだが、、。

ベニシジミという蝶の食草(幼虫はスイバやギシギシなどのタデ科植物の葉を食べて育つ)になっている。
ベニシジミ(シジミチョウ科ベニシジミ属)は、小さいながらも羽を広げるときれいな紅色の羽が特徴の美しい蝶で、スイバの多い場所ではたくさんのベニシジミを見ることができる。
とは言え、成虫となったベニシジミはタンポポ、ヒメジョオン、シロツメクサなどの花の蜜を吸うので、スイバの群生地に限らず結構いろいろなところで見かける蝶なのだ。

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