ミズキの木とアゲハモドキの幼虫 … 自然観察・WanderVogel2021/10/16

アゲハモドキの幼虫
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アゲハモドキはアゲハモドキガ科に属する蛾の一種で、成虫になると毒をもつジャコウアゲハにそっくりの姿になる。

アゲハモドキの幼虫はミズキの葉を食べる。体長3センチほどの幼虫は白い「毛」に覆われているが、実際は毛ではない。 毛に見えるのは幼虫が体表に分泌したロウ分で、柔らかそうに見えるが触るとベタベタした粉末が手に付く。

一方、擬態される側のジャコウアゲハ(アゲハチョウ科)は、アルカロイド毒成分を含むウマノスズクサの葉を食草としている。幼虫時にこの葉を食べることで体内に毒素をせっせと貯えるのだ。
アゲハモドキはそのジャコウアゲハに擬態することで、天敵である鳥から身を守っている。

しかし、幼虫のうちはジャコウアゲハの特徴的な姿とは似ても似つかない姿をしている。鳥に一番狙われやすい幼虫の時はまったく無防備なようにも見えるのだが、もしかすると、このロウ分が非常に不味くて鳥に敬遠されていて、捕食対象にならないのかもしれない。

昆虫の擬態手法にはではさまざまなタイプが見られるが、最も多いのは、食べられないようにするための「擬態」だ。
昆虫は鳥や小型動物の格好のエサになるため、進化の過程でそれを避けるさまざまな工夫を生み出してきたのだ。

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