階層間の吸音施工のひとつの方法 … 第三者監理・検査2012/09/21

吸音材の施工
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上階の音を軽減させるための遮音/吸音施工では、遮音は床上で行ない、吸音は床下で行ないます。

この住宅の場合は、吸音材としてロックウール 密度80kg/m3、厚さ50mmのものを使用しています。

グラスウール断熱材を吸音目的に使う場合の多いですが、こういった密度があって固さのある吸音ボードの方が吸音効果も高いですし、施工についても少し工夫をして桟木で打留めて施工してあげれば階上床板直下に張上げることが出来ます。

施工は必ずしもマニュアル通りでなくても、現場のチョットした工夫で施工精度/吸音効果は上がるものです。


防震吊木による天井下地組み施工について … 第三者監理・検査2012/02/03

防震吊木天井下地組み
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2階の床の振動音や衝撃音などを気にする場合には、設計上の配慮として1階の天井下地に防振吊り木を使用します。

さらに2階の床に遮音マットや遮音シートを合わせて施工すればより効果的なのですが、コストの問題もありなかなか「標準化」するレベルにまでは達していません。

これら防音対策用の素材・部材にはそれぞれ違った機能があり、防振吊り木は2階床と1階の天井とを切り離すことで衝撃音や振動を遮断する効果があり、遮音マットは2階床フローリングの下に敷き詰めて質量を上げることで床面の衝撃音に対しの干渉作用を期待して施工します。

また、遮音シートは床だけでなく、壁(もちろんコンセントの裏側も!)や天井まですっぽりと部屋全体を隙間なく覆ってしまうことで、外部の騒音や室内の発生音など透過音を遮断することを目的として使います。


住宅に求められる機能として基本的なものには、「構造(耐震)」、「防水」、「断熱(遮熱)」の三大要素がありますが、最近ではさらに「気密」や「遮音(防音)」といった機能についても、だんだんと標準設備のように求められるようになってきています。


発泡ウレタン吹付け断熱施工の立合い検査 … 第三者監理・検査2011/11/28

発泡ウレタン断熱施工検査
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木造住宅の発泡ウレタン断熱施工の立合い検査に行ってきました。

吹付け断熱工法には断熱材の仕様によって、いくつか種類があります。
一般的なのは、発泡ウレタン(硬質ウレタンフォーム)系とセルロースファイバー(木質繊維)系の二種類です。

今回の現場ではウレタンフォームの吹付け断熱施工立合いを施主と共にしてきました。

室内は完全に密閉され、ウレタンそのものはスプレーガンで吹付けていますので、現場には飛び散った粉塵やウレタンがたくさん舞っていて、長時間室内に立って見ていると目や喉が痛くなりますが、この「施工時の立合い検査」は出来るだけ実施するようにしています。

職人さんの中にも、うまい人ヘタな人がどうしても出てきますが、大切なのは丁寧さです。
現場作業に実際に立合い、施工を見て検査することで、職人さんの意識の中に多少の緊張感を与えて、気を抜かない丁寧で正確な作業をしてもらいたいという思いから、立合い検査を実施するようにしています。


吹付け・発泡が終わった箇所から、柱の内側の面に合わせて余分なウレタンフォームを削り取っていきます。

当然、厚いところや薄いところが出てきますので、薄いところを狙ってゲージ(厚みを測るスケール)を差し込んで最少施工厚をチェック・確認します。
発泡硬質ウレタンフォームは吸湿性がありますから、室内側には防湿気密シートを張り、外壁側には通気層を取るのが条件となります。


木造住宅の防音/遮音工事の施工検査 … 第三者監理・検査2011/04/12

住宅の防音工事施工検査.
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今日は木造住宅の防音・遮音工事の施工検査です。

木造の防音・遮音工事は、そのグレードや防音したい音の性質などによって防音仕様・遮音仕様には様々の工法があります。

防音・遮音は仕上げ材によってもかなり違ってきます。
室内で発生する音によっては、床や壁・天井の仕上げ材も吸音性のある素材を使った方が効果がある場合もあります。

しかし、設計の仕様や施工金額などによって設定される防音性能は当然違ってきますので、検査の際には図面で示された仕様・施工内容・手順で施工されているかのチェックになります。


今回の防音・遮音仕様では、床には5mm厚の遮音マットを敷き詰め、壁には遮音シートを貼り、天井は上に部屋がないことからPB12.5mm厚×2枚張りという仕様です。
当然、出入り口のドアはしっかりした防音ドアを入れ、窓にもペアガラスサッシの内側にもう1枚内窓を入れて窓をダブルにします。

また、コンセントやスイッチBOXも音漏れしやすいので、裏側から遮気密遮音シーリング材と遮音隙間充填材ですっぽり包み込み、遮音します。

これで室内側の壁にもしっかりと断熱材を充填すれば、ある程度 防音・遮音性能は高くなるはずです。

最も重要なことはその仕様通りの性能を発揮出来るように、隙間や音漏れ穴の出来ないように正確で丁寧な施工がなされているのかを、しっかりとチェック・確認することですね。


気密仕様のコンセントカバーの施工 … 第三者監理・検査2010/05/31

気密コンセントカバー
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気密コンセントカバーの施工です。


充填断熱材の施工時には、どうしてもこういったコンセントBOXやスイッチBOX部分が断熱性能の確保上で不利になります。

こういった気密カバーが施工の標準仕様になってくれば、断熱に対する現場施工の意識も向上して断熱材の施工自体の精度も上がってくるものなのですが・・・。

断熱材の施工は決して難しいものではありませんが、その施工精度を上げるためにはひとつひとつの施工をきちんと正確に丁寧にしなければ上がっていきません。

ほんのちょっとした気の配り具合で、断熱性能を上げる(確保する)ことが出来るのですが、このほんのちょっとしたことがなかなか現場では出来ていないのが現実です。


建物のクレーム(不具合):漏水 (雨漏り)、振動 (揺れ)、音鳴り (謎の音) など2008/09/25

建物が完成し、引き渡した時から設計者や施工者が一番気になる事柄に、漏水 (雨漏り・結露) や建物の微妙な振動 (揺れ)、音鳴り (謎の音) などがあります。
これは、住む人にとっては、それこそ毎日のことですのでガマンできるものではないでしょう。

雨漏り対策に関しては、大きくは施工時のチェックに尽きますが、屋根の葺き方・方向、勾配、形状など、設計時に雨漏りしにくいシンプルなデザイン形状の設計などで不安要素を低減させることも出来ます。結露対策も施工時のチェックだけでなく、材料の伝導率の検討や適切な通気方法の設計など、設計時のチェックで発生を抑える検討も大切なことです。(雨漏りに関しては来年11月から義務付けられる、住宅瑕疵担保責任保険の対象になります)

建物の微妙な振動や揺れの原因は、主に地盤や基礎に起因することが多いものです。軟弱な地盤の上に建つ家で、あまりしっかり地盤対策をされていないものは、近くの道路を大型トラックが通っただけで振動することもままあります。
地盤と基礎の設計や対策は非常に重要です。
最近の住宅では木造でも鉄骨でも、あまりひどい構造のものは見かけられなくなりましたが、一昔前のものでは2階を歩いただけで振動や音が下階に筒抜けなんてこともありますし、ギシギシ・ゆらゆら揺れるなんてこともあります。これなどは明らかに建物の強度不足が原因です。地震で即倒壊という訳ではないでしょうが、家人にとっては気持ちの悪いものです。根本的に構造補強を行なわないと震動や揺れは止まらないでしょう。

問題は何が原因なのか解らない「謎の音鳴り」です。
家の中にいると実はさまざまな音が聞えてきます。外の音が気になるほど聞えてくるとすれば、防音・遮音の設計、施工ミスです。住宅程度の建物ですと、外壁断熱材を隙間なくマニュアルどおりに施工されていれば、それほど外音の浸入は気にならないものです。
窓は幹線道路に面している地域などでは、防音サッシにしたり窓ガラスを二重にしたりすると効果的です。実際はガラス面の防音はペアガラスかどうかというよりはガラスの総厚みで決まるものなのですが、ペアガラスにすれば少なくとも厚みは増しますから効果は大きいです。

しかし、何の音か解らない「謎の音」は始末が悪いものです。
設備関係、配管などからの音なのか?、あるいはその振動で発生する二次的な音なのか? 隣接する部屋や施設から漏れてくる音なのか? ビル風などを巻き込んでの想定外の音鳴りなのか? ・・・
その原因が特定できない(あるいは複合的に絡み合った)「謎の音」というものが、まれに発生することがあります。どんなに専門的な知識を駆使してもその原因が思い浮かばず、結果的に原因特定できないということになります。しかし、住民の方にとっては「解りません」では納得できる話しではありません。
時間はかかるでしょうが、そこを作った施工会社が中心となって(ときには設計者も交えて)、何度も怪しいところを試しながら原因を探り続けるしかないのです。
原因が解ったときには、「えっ、こんな単純なことが原因だったの?」ということになることもあります。

とにもかくにも、不具合の原因を調査し推測し、追及・探り当てることが一番大切です。施工業者や販売会社が原因究明に躊躇するようなことがあったら、「第三者の専門家」に調査を依頼し、第三者的な目でジャッジしてもらうことも検討すべきでしょう。

第三者監理ドットコム = http://www.daisanshakanri.com/

お知らせ: nagao's blog ブログのお休み期間:9月26日から10月4日まで、nagaoが海外出張のため更新できません。


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建物の管理と検査:天井裏 異常音の“ 怪 ”2008/09/10

ヘッドオフィス
僕が設計をしたある会社のヘッドオフィスです。写真に写っていない右側も同様に長くカーテンウォールの壁が続く、シンプルな形状・デザインのオフィスビルです。
ところが竣工後、夏の時期にだけ、天井裏から異常音がするという。真夏の怪談話でもあるまいし、とあれこれ原因を探ってきたが、どうも「これ!」と言う原因が特定できない。秋口から春先までの気温があまり高くない時期、寒い時期には異常音は鳴らないのですが、真夏の暑い時期にその現象があらわれる。日差しの強い、暑い日は特に多いという。夏の暑い時期に天井裏に潜り込み、じっと聞き耳を立てていたりして詳しく調べると、カーテンウォール側(反対側は中空成形セメント板の壁)の天井裏に音鳴りが集中していることが解った。

50mの連続したカーテンウォールが、暑い日差しで膨張収縮をする際に発する音ではないかと疑い、サッシメーカーを交えて原因究明に取り組んだ結果、やはりどうもカーテンウォールの施工が怪しいという結論になった。メーカーが言うには、アルミカーテンウォール自体が熱膨張で音を発することは考えられないが、膨張収縮を何らかの方法で逃がす手だてをとっていないと周辺で音鳴りが起こる「可能性」があるということだった。
どうやら縦マリオンの可動部分をコンクリートで拘束してしまっていたのが原因の一つのようで、熱膨張したカーテンウォールのわずかな歪みが天井裏の耐風補強プレートとの間でズレて、音鳴りの原因を作っているのではないかと推測された。
早急に改良に向けての手直し工事をすることとなったが、「音」の問題の原因究明の難しさを思い知らされた。

しかし、工事中の設計監理ではさすがにそこまでの施工チェックは設計側ではやりきれない。今回の事例は設計監理の監理範囲とその限界を考えさせられることとなった。

建築設計者も以外に誤解していること:ガラス厚と遮音性の関係2008/01/26

一般ユーザーだけでなく建築・設計関係者も以外に誤解していることのひとつにガラス厚と遮音性の関係がある。

複層(二重)サッシは一般的に断熱性に優れ単板ガラスのサッシと比べると「全ての点」で勝っているような錯覚がある。僕も漠然と複層ガラスを使ったサッシは断熱性に優れているだけでなく、「遮音性能」もそれなりに高いと思い込んでいた。

しかし実験スペックではガラスサッシの遮音性能はガラスの厚みでほとんど決まってしまいガラスが複層かどうかはあまり重要ではない。(NIKKEI ARCHITECTURE 2008-1-14号) 

遮音性能は面密度が大きいほど上がるという「質量則」によって決まるので同じ厚みとなるガラスでは1枚ガラスのほうが性能が良いということになる。

厚さ3mmのガラスを2枚使った複層ガラスと6mmの1枚ガラスでの遮音性能比較グラフを見ると、低音域(120Hzぐらい)から中音域(1000Hz)までは1枚ガラスの方がはるかに遮音性能が良い。
(ただし、2000Hz周辺では逆転するが…) 
これは結構誤解して認識している設計者も多いのではないだろうか?
施工者や一般ユーザーもこの誤解をしていることも当然考えられる。

道路などの騒音対策で複層(二重)サッシに取り替えるという改修事例も多いと思うが、このことを誤解していると改修したのに前と変わらないとかへたをすると前よりうるさくなったというようなことにもなりかねない。

最近では、優れた断熱性能と遮熱性能によって、窓ガラスからの熱の出入りを防ぎ、室内を快適に保つとともに、暖冷房の効率をアップし、暖冷房によって発生するCO2排出量を削減するエコガラスが注目を浴びている。
これは二重ガラスの内側に特殊な金属膜を貼り付けてあって、この金属膜が断熱性能と遮熱性能を高めるものであるが、遮音性能はやはりガラスの厚みによるので全てに優れているわけではない。

あらためて注意しなければと思う… 漠然とした思い込みは禁物であると。
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