小屋裏断熱材施工前の通気スペーサーの設置 … 第三者監理・検査2012/06/18

小屋裏通気スペーサー
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次世代省エネ基準で設計すると、屋根下(小屋裏)の断熱材の厚みも通常よりも厚くなってきます。

その時に気をつけなければならないのは、外壁面からの通気を断熱材で遮断すること無く小屋裏へと導き、棟換気から屋外に排出するルートをしっかりと確保することです。
断熱材を入れるまではちゃんと通気ルートが確保されているのに、厚い断熱材の施工が終わった段階で通気の隙間が潰されてしまっている、なんてことも見られます。

隣地などからの斜線制限の関係で、どうしても都市部の住宅最上階は天井(小屋裏)ふところのスペースが少なくなる傾向にあり、写真のように軒先の桁上と天井下地レベルが同じくらいになってしまうことも良く見受けられます。

写真に写っているのは外壁側からの通気を小屋裏に逃がすための専用のスペーサー材です。
こうなっていると、たとえ断熱材を張り上げても野地板に密着すること無く通気ルートはきちんと確保されます。
スペーサー材は樹脂製や紙製、ダンボール製など最近では様々な素材・タイプのものが市販されています。

このひと手間で、通気の確保が格段に信頼性を持ってきます。
そこまで気遣いの及ばない現場もまだまだ多いのですが、(多少お金が掛かったとしても)こういった工夫と施工姿勢は全ての施工者に見習ってもらいたいものです。


完成前の吹込み断熱材に雨漏りのシミが … 第三者監理・検査2012/06/11

断熱材に雨漏りのシミが
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梅雨に入る数週間前から、屋上FRP防水の再施工の是正指示をずっと言っていたのに現場が放置していたため、やはり梅雨に初日の雨で当然のごとく雨漏り。

それも、防水施工を完璧に終わらせてから天井の吹込み断熱を施工するようにと毎回毎回言っていたのに、それも無視して施工をしてしまったために断熱材施工の次の日にはこの始末です。

この現場は現場監督(施工会社の社長さん)の段取りが悪いというよりは、建築を施工する資格が無いというか まるでまったくの素人が造っているような感じの仕事ぶりで、さすがに 施主と二人して毎回頭を抱えてしまっています。
とはいえ、こうなっては施主も私も途中で投げ出すわけには行かず、出来るところからしつこく是正を指示しながら付きっきりでひとつひとつ解決して竣工まで持っていくしかありません。

施主にとっても思ってもみなかったことの連続で、なんとも大変な現場です。


木造住宅の土台敷き検査 … 第三者監理・検査2012/05/15

床下断熱検査
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木造住宅の施工は、基礎下の地盤改良などの工事から始まって、基礎配筋・基礎コンクリート打設・建て方へと順次 工事は進んで行きますが、一般的に言われている「施工検査」の中で見逃されがちな検査/確認項目に「土台敷き時の検査」があります。

ひと昔前の施工方法と違い、最近の木造工法では軸組(在来)工法であれ2×4工法であれ、1階床組を根太工法で行なうことはめっきり少なくなっています。
少なくなっているというよりは、ほとんど根太工法で施工する現場に出会うことが無いといっても良いでしょう。

多くの工務店や施工会社の今の施工方法は、1階の床組も2階/3階の床組同様にネダレスの「剛床」工法で施工されています。
これは材料のほとんど全てを工場で加工して運んでくるプレカット工法が一般的になったことと、基礎の施工精度が格段に向上していることで根太による床面レベルの調整を考えなくても良くなったことが剛床工法が普及してきた要因なのだと思います。

もちろんそのことで、熟練した施工もいらなくなり、作業の効率化や施工日程の短縮化につながり結果的に施工費を減らすことが出来ることも大きいのでしょう。

施工もそれによってスピードアップし、土台敷き時には1日で基礎パッキンから土台/大引の据付け、床下の断熱材施工、床合板(構造用合板)張りまで一気に行なってしまうことがほとんどです。

土台敷き時の検査では、基礎パッキンの種類や設置位置の確認、アンカーボルトと土台との関係、防蟻剤の塗布の確認、鋼製束の施工検査、そして床下の断熱材の施工検査/確認を1階の床合板が張られる前に行ないます。

この時には、床下のコンクリートスラブ面や基礎の立上がり面などのコンクリート打設後の状況も一緒に目視で検査しておくことで、1日で見えなくなってしまう大事な箇所の確認もしていきます。
不具合があれば(その場で直す時間がなかったとしても)その時に是正指示をすることで、後日の手直しを確実に現場に伝えることが出来ます。

現在の木造工法では、この「土台敷き検査」はいろいろな意味で、とても大切な検査であると考えています。


発泡ウレタン断熱材施工検査・実測 … 第三者監理・検査2012/04/19

発泡ウレタン断熱施工検査
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住宅の断熱にはいろいろな材質・施工方法があります。
以前のBlog:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2012/03/02/6356098

その中でも、吹付け/吹込み工法の断熱施工の場合は何といっても施工後の厚みのチェックが最も大切です。

発泡ウレタン断熱材の場合、厚みチェックは吹付け施工後発泡が完了した時点で、ノギスを使って厚みを確認していきます。
設計で決められた厚みは最低厚ですので、何箇所か実測して吹付け厚の薄いところが無いかをチェックします。

今までの経験上、断熱材を正面から吹付けていく「壁」での厚み不足はあまり指摘したことが無いのですが、上面に向かって吹付けていく「勾配天井」の吹付け面は作業もやりにくいこともあって、吹付けムラになりやすく 厚みの薄い個所が出来やすい箇所で、是正の指摘もだいたいこの箇所が多いのです。

グラスウール断熱施工と違い、吹付け/吹込み断熱工法では作業機器を引き上げててしまった後の検査で厚みが足りない箇所を発見しても、そう簡単に是正することが出来ません。
もう一度 施工業者を入れて作業機器をセットし、施工をし直すしか是正方法が無いからです。


断熱材の厚みのチェックは施工業者が作業しているうちに行なうのが、手戻り無く是正出来る唯一の方法なのです。


床下断熱材施工検査のタイミング … 第三者監理・検査2012/03/21

床下断熱材の検査
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写真は、1階の床下から床の裏面を撮影したものです。

大引の間に見える黄色い断熱材は32kのグラスウールの80mm厚です。長手方向に入れられた脱落防止の押さえ金物でしっかりと支持され隙間なく施工されています。
右上の白い枠は高気密断熱床下点検口の断熱枠で、こちらも大引間にピッタリと隙間なく嵌め込まれています。

1階床下の断熱材施工で大切なポイントは、グラスウールパネルであれ、硬質ウレタンボードであれ、床合板に貼り付くように隙間なく施工されていなくてはいけません。

床下の断熱施工は、外壁内の断熱材施工と同様に重要な部位なのですが、施工のタイミングが施工手順によってバラバラなので、通常なかなかタイムリーに検査・チェックが出来ないことが多いのです。
2×4工法の床組施工や一部の軸組工法では、土台敷きの際に立合い検査をしますと、このへんの施工状況を確認することが出来ます。

施工時に検査が出来ない時には、床下点検口が取り付いた時点(仕上げの段階ということになりますが…)で、床下に首を突っ込んで覗き込み、確認をするしかありません。
たまにその時に、床下断熱材がしっかりと支持・固定されていなくて、垂れ下がっていたり脱落していたりするのを見つけることがあります。

いずれにせよ、単に検査し不良箇所を見つけるだけではダメで、不具合が見つかった場合、容易に是正が出来るタイミングで検査・確認をしていくのが大切なことです。


コンセントBOX周りの断熱処理もここまでやって … 第三者監理・検査2012/03/05

断熱施工コンセント周り
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グラスウール断熱材の施工を真剣にするなら、コンセントBOX周りもここまでしっかり仕上げて欲しいものです。

コンセントの気密カバーは標準仕様ではやらないことが多いですが、その場合でもグラスウールの気密シートをうまく後ろに回し込んで、出来るだけきれいに施工して欲しいものです。

少なくともコンセントBOX周囲の気密(防水)テープ貼りは、(この写真のように)しっかりきれいに施工してもらいたいです。

ここまでやれば「第三者監理の検査」は「合格」と言えます。

どの段階の「何の」施工でも同じことですが、基本は「きれいに無駄なく仕上げる」ということを心がけて施工をしてもらえれば、結果は必ず良い方に出ます。
「きれいに無駄なく仕上げる」とは、面倒くさがらず、基本に忠実に、手順を守って丁寧に施工する、というあたりまえのことなのです。

決して難しいことではないはずですが、、多くの建設現場でそんな単純なことが出来ていない。
そんなことがホント多いんですよ。


細かい箇所の(グラスウール)断熱施工について … 第三者監理・検査2012/03/05

細かい箇所の断熱施工
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グラスウール断熱材の施工で大切なことは、(シンプルに言うと)隙間なくグラスウールを壁内に詰め込むということに尽きます。
また、室内側の防湿シートも柱や間柱の室内側の面が隠れるように、内壁いっぱいにピシッと張られていることも大切なポイントです。

写真のような窓周りの隙間などの細かい箇所は、うっかり忘れられやすい箇所ですから、ここも横着せずにしっかりとグラスウールを充填してあげなければなりません。

結局こういう(面倒な箇所を)ところをしっかりと施工するということは、取りも直さず他の箇所もしっかり施工されているという証でもあります。
こういうところが疎かになる現場は、だいたいその他の箇所でも不具合が見つかる可能性が高くなるものです。

この後に上からさらに防湿シートを張り込んであげれば、カタログに載っているグラスウールの断熱性能数値をしっかりと確保することが出来たということになります。


吹付け断熱材/素材と工法の選択について … 第三者監理・検査2012/03/02

断熱工法の選択
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断熱材の選択は建物の機能的な面を形作る重要な要素ですから、設計段階でしっかり決めておくことが必要です。

木造住宅の断熱工法には大きく分けて2つあり、内(充填)断熱と外張り断熱です。
壁内の充填断熱材で一般的なのはグラスウール断熱材ですが、吹付け/吹込みによる断熱工法も最近ではよく採用されている工法です。
ただし、グラスウール断熱材を施工するのに比べ、後者は専門業者による施工が求められるので、工務店のなかには最初から選択肢に入っていないこともあります。

どちらが優れているかということは、断熱材料だけでは判断出来ませんが、建物の構造や仕様(外壁側に構造用合板が張られているか、防水紙だけなのか、など)によってはどれでも選択出来るという訳ではありませんので、設計時からの計画性が重要なのです。

いずれにしても、どの断熱工法を選択したとしても、しっかりとした施工が行なわれ、指定の厚みが確保され、隙間や吹きムラ、自重による垂れなどの施工不良の無い仕上がりが一番重要なことです。

家の最終的な断熱性能を左右する一番重要なポイントですから、細かい隙間や貫通ダクト周り コンセントBOXの裏側などにもしっかり断熱材が入っているか、などを見ていきます。

その部分の施工時(あるいは施工後の)確認は、出来れば業者任せにせず施主自らが(または第三者の目で)しっかり目視でチェックしたいところですね。


施工不良とハウスメーカーの対応について … 第三者監理・検査2012/02/16

断熱材施工不良と対応
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施工相談の中で、時々ピンポイントの相談が持ち込まれることがあります。
(上の写真は是正後の様子ですが、ハウスメーカーが特定されないようにボカシを入れています。)

先日、ある施主から1通の相談メールが届きました。
「名の通ったハウスメーカーの設計/施工で住宅を造っている最中なのですが、グラスウール断熱材の施工状況をたまたま見た時に、断熱材の張り方もあまり丁寧でなくて素人目に見ても隙間がたくさんあるように感じるのですが…、検査をお願い出来ないか」という内容でした。

これには前段があって、施主から現場監督さんに対して「もっと丁寧に施工して、隙間の出来ないように施工してもらえないでしょうか」とお願いしたそうですが、その時には「これが普通の施工です」という回答だったそうです。

それで私のところに相談というか、第三者監理の目でこの施工が普通なのかどうか、適正な施工なのかどうかを判断してもらえないか、という依頼でした。

このまま工事が進んでしまうと隠れてしまうという切迫している状況でしたので、取り急ぎ検査日時をHMと設定して検査に向かいました。


当日は監督を始めとしてハウスメーカーの現場責任者、施工業者の職長や営業担当者など実際の作業員よりも多い人数が集まっていました。
施主と事前打ち合わせをして、いざ検査をすることになったのですが、検査を始めてみるとぜんぜん不具合が見当たりません。

どうやら検査日に合わせて、断熱材の施工をすべて完璧にやり直したようでした。
施主も前回見た施工状況と比べてぜんぜん違っていて、素晴らしくきれいに施工されていると驚いていました。

最初から正確に丁寧に施工していれば何も問題はなかったですし、施主からの指摘にその時に対応していれば良かったのでしょうけど、これではまるで「施主が素人なので、ごまかせるものならそのままにして施工を進めよう」としていたと、そう勘繰られても仕方ない結果になってしまいました。
(検査直前に施工し直したということは、少なくともプロの目から見たら完全に「NGな施工」だったということなのでしょう。)

結果的には不具合を回避出来たのですから施主にとっては「良かった」と言えるでしょうが、施工精度に対するメーカーへの不信は払拭出来たのかなあ、、、疑問です。


吹付け断熱と金物の熱橋(ヒートブリッジ)対策 … 第三者監理・検査2012/02/15

熱橋と吹付け断熱
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先日行なった、木造住宅の発泡ウレタン吹付け断熱の施工検査です。

外壁内面に施工する吹付け断熱施工検査で重要なのは、発泡が終わったあとの断熱材の厚さの確認です。
また、作業自体は専門業者の職人さんが施工するのでそれほど心配は無いと思われますが、結構そういう訳でもなく、やはり作業する方によって癖もありますし几帳面さにも差が出てくるものです。
ここを施工した業者さんは、正確で丁寧な良い仕事をしてくれました。


ウレタンを吹付けるスプレーガンは、吹付ける面にノズルを直角に向けてリズム良く吹付けて行かなければ吹きムラ、発泡ムラが出てきます。
吹付ける条件(作業足場の有無)によって、何度かに分けて吹付け作業するのもそのためです。

もうひとつ重要なのは、高断熱を目的としてこの工法を選択したのでしょうから、(ついでにというか)外壁を貫通する金物(羽子板ボルトなど)にはしっかりとウレタン断熱材を吹付けておくのも忘れないでやってもらうと良いですね。

貫通金物は熱橋(ねっきょう=ヒートブリッジ)になりやすく、多少なりとも断熱効果を損ないますし、結露の心配も出てきますので、ここまでしておくと より安心です。

通常のグラスウール(充填)断熱仕様の住宅では、吹付断熱は作業工程が別になるので、なかなかこの「熱橋対策」までは出来きれないのが普通なのです。

(ただ、数々の断熱施工を検査していますと袋入りグラスウール断熱施工の場合はその施工者によって施工精度に優劣の差がかなりあり、この熱橋対策よりもグラスウール断熱の施工の仕方そのものに気を使った方が断熱効果は上がると思います。)


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