応急危険度判定士更新・講習会 … 震災ボランティア2014/07/18

応急危険度判定士
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今日は午後から、神奈川県応急危険度判定士の更新講習会(5年ごとに更新)に参加してきました。

応急危険度判定士というのは、(県や士会、安全協会などの要請を受けて)大震災などで建物や家屋が被害を受けた際、構造的な被害を専門的な目で応急的に見極めて、とりあえず使用出来るのか、今すぐにでも倒壊の危険があるのかを判断して、緑色(とりあえず安心?)、黄色(要注意)、赤色(危険)のステッカーを建物に貼って(持ち主への説明)いくという、完全ボランティアの活動です。

といっても、東北や新潟など関東以外の地域で発生した震災にはこういうシステムも機能するのでしょうが、もし関東地方で大震災が起きたら、、と考えると、その被害の大きさは今まで以上に甚大で広範囲に渡りますので、個々の建物の危険度を判定しているような場合ではないのでしょうけど…。

こういう災害時を想定した二次防災システムが使われるようなことが起こらないことを祈りますが、まあ、少なくとも多少の防災の備えと救援準備/訓練だけは日頃から気をつけてやっていく必要はある、と思っています。 が、実際はどうなんだろう?

前回の応急危険度判定模擬訓練の様子:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2013/10/23/

建築物の耐震改修の促進に関する法律・今日から施行 … 建築法規・耐震改修2013/11/25

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今日 11月25日から、大規模な地震の発生に備えて建築物の安全性を高める「耐震改修促進法」が施行されます。

平成25年(2013年)5月29日交付、11月25日施行の「建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律」の概要についてのまとめ(抜粋)

・耐震改修促進法の対象となる建築物は、1981年(昭和56年)5月末以前の耐震基準で建てられ、不特定多数の人が利用する建築物。
 (1981年は、その年の6月に建築基準法の耐震基準が大幅に見直された年にあたり、その耐震基準は中規模地震(震度5強程度)から、大規模地震(震度6強~7程度)に耐えられる設計に見直されました。)

・今回の改正では、この1981年以前に建築された建物で、階数が3以上で延べ床面積が5,000平方メートル以上の病院・店舗・旅館など、さらに、階数が2階以上で延べ床面積が3,000平方メートル以上の小中学校、そして階数が2以上で延べ床面積が1,500平方メートル以上の幼稚園などに耐震診断が義務づけられ、その耐震結果は公表される。

・環七や環八といった避難路(幹線道路)にあたる沿道にある一定高さ以上の建築物もその対象となる。

・マンションを含む住宅、事務所などのすべての旧耐震基準建物についても耐震診断と耐震改修が努力義務となる。

・耐震診断結果の報告期限については2015年末と定められていて、診断と結果報告の拒否には罰則規定がつくようになった。

詳しくは国土交通省HPのPDF:http://www.mlit.go.jp/common/000188399.pdf

被災地住宅相談キャラバン隊研修会・神奈川県 … 震災ボランティア2013/11/14

キャラバン隊研修会
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神奈川県建築士会防災委員会主催の被災地住宅相談キャラバン隊研修会に出席してきました。
先日(10/23)行なわれた応急危険度判定調査の参集訓練・模擬訓練に引き続いての震災等自然災害による建物の被災復興支援の一環として、応急危険度判定調査後の被災住民に対する支援活動に関わる研修会です。

実際には、震災等の被害を受けた建物(住宅)は割と早い段階で応急危険度判定が下り、その判断を元に「被災(り災)証明」が交付されることになるわけですが、半壊あるいは一部半壊と判断された建物でも簡単に手を入れれば住めるレベルのものなのか、新築に近いことをしないと住めないレベルなのかを個別に判断していく必要があります。

神奈川県建築士会では他県(範囲は一応 関東甲信越に限っている)で災害が発生した場合に、そういった建築物に対して専門的な判断を下せる人材支援組織「被災地住宅相談キャラバン隊」を速やかに派遣出来るように、きちんと準備しておこうという趣旨のもと、第1回目の研修会開催となりました。
以前のblog:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2013/10/23/

応急危険度判定調査 参集訓練・模擬訓練 … 震災ボランティア2013/10/23

応急危険度判定模擬訓練
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神奈川県建築物震後対策推進協議会主催の応急危険度判定調査 参集訓練・模擬訓練に行ってきました。

訓練会場が相模原市の津久井湖の近くということでかなり距離がありましたが、震災が発生した場合の本番の調査では移動などに関してはもっと不便を強いられることを考えれば、このくらいはなんということはない、ということか。
僕も中越沖地震の翌日に被災地に入った時には、早朝に車で出発し(関越トンネルは通行止めでしたので)長野/中野市経由で津南村から信濃川沿いに下ってくるというルートを通りましたが、かなり危険でかつ不自由を感じました。

何年か前に応急危険度判定士の資格を取ったとはいえ、普段さほど気にすること無く暮らしていますので、たまにこういった調査にあたっての参集訓練や模擬訓練を受けておかないとすっかり忘れてしまうものですね。

模擬訓練には若い人(男女)もけっこう参加されていて、聞いてみると市の建築指導課など行政の係官でした。考えてみれば何かあれば真っ先に応援に行くのは彼らだからなぁ、と妙に納得しました。
阪神淡路大震災でも新潟(沖)地震でも、3.11東北地方太平洋沖地震でも、一般の建築物の被害があまりに甚大だったことで少し影が薄くなっているが、重要文化財や重文クラスの建物/民家/文化財の被害状況と修復等の可能性の有無などそういった情報に関してはあまり世間にはニュースとしては流れていないように感じます。
あれ? そうでもないのかな?(うちにはテレビがないのでよく解らんが…)

一般の建物以外のそういった貴重な文化遺産的な歴史のある民家や古い建物にも当然「応急危険度判定」は必要なわけで、県のヘリテージマネージャーに参加しているのも同じ理由からですが、そのへんが地方行政でも国レベルでもボランティア活動においても今後リンクしていくことになれば、自然災害によって「人知れず」消えていく文化財が減っていくことに繫がるのだろうなぁ。
そういうことに前々から気付いていて、すでにしっかりと(ボランティア的に)活動をされている方もおられる。まったく頭が下がります。
ただ問題は、そういうことが出来る専門的な人材の数があまりに少ないということだな。きっと。

9/27から「応急危険度判定支援ツール 体験版」という名前で、i-Phone、i-Pad等のiOS用のアプリがApp Storeで無料配布されています。

横浜市木造住宅耐震改修/設計事業者講習会 … 第三者監理・設計2012/05/21

横浜開港記念会館
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横浜市木造住宅耐震改修促進事業 設計・施工業者登録の講習会に行ってきました。

一般住宅の耐震改修は阪神淡路大震災を機に一気に全国的に広がってきましたが、改修割合はまだまだ満足なものではないということで、横浜市も補助金をつけて特に木造住宅の耐震改修を中心にバックアップしてきました。

耐震改修促進事業は昭和56年5月以前(いわゆる旧耐震基準で造られたもの)に建てられた木造住宅が補助対象ですが、設計者も施工者もこういう講習は積極的に受けておくことが大切なのだと思います。


ハイブリッドコラム杭基礎について … 第三者監理・検査2012/03/07

タイガーパイル
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2月19日のBlogでも書きましたが、住宅の基礎下補強の設計は土質や地盤調査結果などを元にして、慎重に地盤補強の検討/設計をしなければいけません。
補強方法も表層地盤改良や柱状改良、鋼管杭を使用するものなど様々なタイプがありますから、その工法の選択に判断が分かれることもよくあります。
(建築の専門家でも、土質の判断や杭基礎の工法選択については分野が少し違うので、なかなかその判断は難しいものです。)

まれに、昔ながらの? 松杭を使用することもあります。(地中の地下水位が高い土地では、昔から使用されてきた杭工事です。)
もっとも、この工法はエコではあるのですがしっかりした数字での裏付けを取り難いということもあり、選択するにも施工するにも少し注意が必要です。
http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2009/07/22/4449769

住宅の地盤改良工事でよく使われるものに柱状改良がありますが、その中にもいくつか種類があって、今回のBlogではその中のひとつハイブリッドコラムについて書いてみます。


ハイブリッドコラムとはその名の通り、通常のソイルセメントコラム(固化材を現場の土と混ぜ合わせる柱状杭)と鋼管杭を足したような構造を思った杭基礎のことです。
直径400mm~600mmのソイルセメントコラムの中心に、段付きの鋼管(直径76.3mm~114.3mm)を差し込んで作っていきます。
(ネット検索の場合は、商品名の「タイガーパイル工法」のほうが調べやすいかもしれません。)

よく使われる通常の柱状改良も万能と言う訳ではなく、例えば地中の土質が途中から変化している性質の土地や、土質中に腐植土が層として介在しているような土地などでは、その部分だけ固化不良を起こし、その弱い部分に応力が集中して剪断破壊や圧壊を起こす可能性があります。

そういった土質によるリスクや、地震時の曲げや剪断破壊を回避するためにハイブリッドコラムを選択することがあります。
この工法は土質による強度のバラツキが少ないため、周面摩擦力も先端支持力も通常の柱状改良杭より大きく設定出来ることがメリットです。

ただし、作業的には1工程増えますので、ハイブリッド杭1本の施工時間は柱状改良よりも時間がかかります。
固化材の注入攪拌もスラリー化して行なうため、専用の攪拌翼を持った少し大型の機械で施工するので、機械設置や材料仮置き場などやや広いスペースが必要です。

ですので、前回書いたのと同様に土質と敷地状況と負担させる荷重(建物の構造や階数)、そして施工金額などによって、杭基礎の設計/選択を正しく行なう必要があります。


これから家を建てようとしている方は、設計段階で選択された地盤改良や杭工法について、なぜその工法を選択したのかを設計者や施工者にしっかり確認することは大切なことです。
「詳しく説明されても、素人だから解らない」と思うかもしれませんが、「こうゆう考えでこの工法を選択しました」、という理由付けは確認をしておくべきだと思いますよ。

小口径鋼管杭とRES-P(鋼管杭)パイルド・ラフト杭の前回のBlog:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2012/02/19/

Kyanjin Gompaの宿での地震騒ぎ … WanderVogel2011/10/21

Kyanjin Gompaの宿
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ネパールの山に滞在中に(ネパール現地時間9月18日夜6時30分)、同じヒマラヤ山脈のシッキム(インド)を震源とする大きな地震(M6.9)が発生しました。
ネパール国内でも数多くの家屋が倒壊し、かなりの被害が出ました。

NEPAL LANGTANG 最奥の定住村 Kyanjin Gompa村でその時ちょうど私が泊まっていた宿です。

写真のような造りの家に泊まっている時に突然グラグラッときたわけですから、ビックリして急いで外に飛び出ました。
体感では震度は3程度かとは思いますが、何しろ自然石を多少加工して ただ積んだだけの構造ですから、少しの横揺れでも精神的にはかなり焦りました。

幸いこの村には被害を受けた民家はありませんでしたが、考えてみるとそれってけっこう幸運なことだったのではないかと思っています。

この村に入るまでにいくつかの村々で建築中の家を実際に見てきて、この辺一帯の家は構造的にどれもかなり脆弱なものであることは解っていましたから。
建築途中の民家 http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2011/09/29/6117675


土砂崩れに巻き込まれて激流に滑落するのも、谷底にローカルバスもろとも転落するのもご免ですが、地震で家ごとガラガラと崩れ下敷きになるのもご免被りたいものです。

ちなみに、1階の外壁にへばりついているたくさんの茶色い丸いものは、ヤクの糞です。 壁にくっ付けて乾燥させ、囲炉裏の燃料にして煮炊きをします。


活断層上のマンション建設の危険性 … 第三者監理・検査2011/08/31

活断層上の敷地
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ニュースでも小さく(?)流れましたが、大阪府豊中市のRC造 地下2階、地上12階建て、計140戸のマンションの建設を巡って、周辺住民29人が8月23日に大阪地裁に建築の差し止めを求めて提訴しました。

提訴の理由は敷地内に活断層があり、その上にマンションを建てると、地震時に倒壊する恐れがあるからというものです。


工事で丘陵地を切り土したところ、各層の境界面に急傾斜となった縦じま模様の地層が現れたということですが、確かに写真の掘削のり面にそれが確認できます。

裁判では、敷地内に本当に活断層が存在するのかどうか、またそれによって建物の安全性を確保できるのかどうか、などを巡って争われることになる、ということですが…


そもそもこの地域は、2004年に政府地震調査委員会がここを通る断層帯は、国内の活断層の中でも地震の発生確率が高いグループに属する断層帯で、これが動くと地表面に段差やたわみができ、東側が西側に比べて相対的に3mほど高くなる可能性があると指摘しているという一帯なのですから、ここにマンション計画を立てる事自体がどうなんでしょうか?

すでにこのマンションの躯体工事はその後も着々と進んでいるということですが、阪神淡路大震災の教訓を踏まえて100年に1度という確率でも、起こるときは起こるものだと気づかされたはずなのですがねえ。


液状化被害の基礎知識・日本建築学会 … 第三者監理・検査2011/08/23

液状化被害の基礎知識
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日本建築学会「住まいづくり支援建築会議」の情報事業部会が中心となって、液状化による被害と対策について現段階で可能な限りの専門情報をまとめ、ネット上で公開提供しています。


自宅の建っている地盤が液状化し易い土地なのか?

東日本大震災で大規模な被害が出た液状化について被災事例や液状化危険度の調べ方、家を建てる前の心構え、地盤調査から新築住宅の液状化対策、また、被災した住宅の補修方法・復旧のための融資などを解り易く解説しています。

地盤調査については、各種の調査方法の特徴と検査の費用も解説しています。


当然のことですが、木造住宅の地盤調査と言えば一般的に行なわれるスウェーデン式サウンディング試験(鉄の棒を地中にねじ込んで強度を確かめる方法)だけでなく、できるだけ現物の土を深さごとに採取して調べる方法(標準貫入試験・ボーリング試験)も大切であると解説しています。

解っているのですが、これは一般的なサウンディング試験より費用がかかるため、なかなか一般住宅の地盤試験では行われることは少ないのが難点なのです。


液状化被害の基礎知識・日本建築学会:http://news-sv.aij.or.jp/shien/s2/ekijouka/index.html


積雪と地震による防水層の脱気筒破損 … 地震被害調査と補修2011/05/07

防水層の脱気筒の破損.
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雪国での思わぬ地震被害の一例。

今回の地震では新潟県津南町、長野県栄村など雪国での被害も多く見られましたが、特に、この地域はまだ雪が多く残っている時期と重なったことで、屋根に載ったこの地方特有の湿った重たい雪が思わぬ被害を引き起こしています。


写真はRC造の建物屋上シート防水の脱気筒(リベットルーフ シート防水)が根元からポッキリと折れてしまっている状況です。

これは脱気筒の上に厚く載っていた重たい雪が、地震で揺さぶられることによって、堅い樹脂の筒を根元から引きちぎった形になっています。
しかも10本以上も同様の姿で折れてしまっていました。

今まで、豪雪でもこんなことは1本もなかったのにそう考えると、地震の力は恐ろしいものです。

この被害が解ったのも、厚く積もった雪が全て溶けてやっと屋上面が全て見えてからのことです。

確かに、そのほかにも重たい巨大な高架受水槽もRCの大きな基礎ごと移動していましたから、建物の上部はかなり揺れたのでしょうけど・・。


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