木造住宅・準耐火検査のための現場資料 … 建築監理・第三者監理2017/05/11

準耐火建築物の検査資料
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木造住宅の準耐火建築の仕様には、(国交省)告示に書かれている条文規定の他にも、各建材メーカーがそれぞれ国交相から取得している「認定」制度というのがあります。

しかし、その告示にせよ認定にせよ、準耐火建築を成立させるための「根本的な防・耐火基準」というものをきちんと理解した上で使わないとまったく意味が無いのは言うまでもありません。

一口に木造の「準耐火仕様」といっても、実際にはその造り方には多くの選択肢があります。
設計者はその多くの仕様基準のうちの何を選択して「準耐火建築物」を造り上げるのか、を施工者側に正確に示すために「準耐火仕様リスト」という図面を作成します。
その「準耐火仕様リスト」を元に、施工者(現場監督や現場の大工さん)は住宅を造っていきます。
また、「準耐火仕様」は「構造」と同じように確認申請時に確認機関に提出するものですので、工事の途中で勝手に変更したり、アレンジをしたりしてはいけない性質のものです。

もちろん「準耐火仕様リスト」は、検査をする側(第三者監理者)も同様のものを入手し、検査員はそれを元にして検査・確認をしていく、というのが基本的な流れとなります。


告示基準や認定書に記載されている「仕様・工法」というものは、基本的には施工者側が都合良くアレンジなどをしてはいけないものです。
「準耐火建築物」としての大きなくくりを押えつつ、告示や認定の基準通りに造っていかないと、準耐火仕様は破綻してしまいます。
熟練した、経験豊かな現場監督・大工さんであればそのへんのコツをきちんと押えて造るのでしょうが、馴れていない大工さんでは単純な間違いや工事の手戻りなどが起きやすい、というのがこの「防・耐火仕様」と言えます。

重要なのは、防火・耐火のキモである強化PBや断熱材の施工そのものにあるのではなく、それらを取付けるための「下地の作り方」が一番大切な要素となります。
その施工手順や重要性をきちんと理解をしていないと、結果的にチグハグはものが出来上がってしまいます。

もうひとつやっかいなのは、その各メーカーの出す「認定書」というものは、その中に「準耐火施工手順」の全てが書かれているわけではないということです。
工事監理者も現場監督もまた実際に手を動かす大工さんたちも、その指定された「認定書」の施工手順を間違いなく理解して施工を進めていかなければいけません。
認定書に書かれていないことや、不明瞭な点は直接メーカーとやり取りをして、最終的には申請検査機関の「主事」に確認を取るなどして正確さを担保していくことが重要です。


昨日書いた住宅の施工違反については、第一義的には現場監督と大工さんの準耐火仕様に対する知識不足・経験不足から発生した「広範囲に渡る不具合、施工不良」ということですが、実はもっと深い問題点として、施工会社自体が「認定書」の内容を読み間違えていた、ということが言えるのではないか。
そのため、結果的に(たぶん、過去にも多くの)建築基準法違反の住宅を作り出す結果になっている、と私は推測しています。

昨日も書いたように、木造住宅の防・耐火仕様には、「防火構造仕様」「省令準耐火仕様」「準耐火建築物」「耐火建築物」というカテゴリーがあります。
そのうちの「準耐火建築物」に関しても、イ-1、イ-2、ロ-1、ロ-2 というように4つの仕様・タイプに分かれていますので、それぞれその中身をきちんと頭の中で分けて理解しておかないと勘違いしやすいものです。


基礎の配筋検査や木造の構造検査は行なわれますが、この防耐火施工検査というのは私たちのような「第三者監理・検査」が入らなければ検査無しでスルーしてしまうものです。
そして、工事が進んで行きPBなどが張られ、その上からクロスが貼られてしまうと重大な違反があったとしても、まったく解らないということになります。

今回、検査で見つかったような「重大な施工違反」も、そのままあと1週間もするとまったく気付かれずに、また是正をすることも出来ずに、結果的に建築基準法違反の不良住宅になってしまうところでした。

木造住宅の準耐火仕様違反について … 建築監理・第三者監理2017/05/10

準耐火仕様違反の住宅
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一般的な規模の木造住宅でも、都市部に建てられるものには、より高い防耐火性能が求められる「準耐火建築物」や「耐火建築物」という仕様を要求されることがめずらしくなくなっています。

特に、木造3階建てともなると「準耐火仕様」というのが常識化してきています。
木造住宅の防耐火仕様に関して言うと、「防火構造仕様」「省令準耐火仕様」「準耐火建築物」「耐火建築物」というカテゴリーがあります。
それぞれにその位置付けや防耐火施工要領などが細かく建築法規(告示・認定)等で定められています。

今、私の行なっている第三者検査の物件の中で、とても大きな問題を抱えている物件があります。
木造3階建ての「準耐火(イ-2)」仕様で建設が始まった住宅なのですが、基礎工事から建て方工事までの間でもいろいろと問題はあったのですが、今抱えている最大の問題はこの「準耐火仕様」による施工に関してです。

最初の問題発覚は、検査を行なっている段階で感じた「もしかしてこの大工さんは、準耐火仕様の住宅を今まで造ったことがないのではないか?」という私の疑念からでした。
なぜなら、準耐火仕様では絶対必要となる下地の施工等が工事が進んでいってもまったく施工されていなかったからです。
それが「1カ所、2カ所、施工し忘れた」、というようなレベルではなく(まぁ、それもあってはいけないことですが)、まったく、ぜんぜん施工されていないのです。
設計図面でもそのあたりの重要な仕様書(準耐火仕様リスト)が整備されていなかった、という点も問題を起こしやすい原因だったと思います。
この点に関しては、私も相当早い段階から、図面での指示がしっかり出来るように「準耐火仕様リスト」をきちんと作成して現場に周知徹底するように、と何度も進言していたのですがダメでした。


しかもこの住宅会社には、施主からの第三者監理である私の事務所以外に、施工会社が依頼している「第三者検査機構」の検査員が事前に何度か検査をしているのです。
にもかかわらず、施工の間違いや施工忘れが最後まで正されることはなく、結果的に建築基準法違反になってしまう住宅の施工が続けられていました。
私は、施工会社から依頼された「第三者検査会社」は最初からあまり信用していませんので、べつに驚きもしませんが、、今回はちょっとひど過ぎました。
もう少し真剣に、というか、施工の先々を見越した検査をしてくれないと、検査員・検査会社としての役割を果たしていないと思うけどなぁ。
私とは直接契約関係にない施工会社・検査機関なので、私が強制したり指導したりすることが出来ないのが、悔しい。


そういうことが重なり、急遽、施工会社・設計事務所・第三者検査機構ら関係者を集め、法律上・法規上の解釈や準耐火仕様の正しい施工要領などをめぐって、早朝から深夜までカンカンガクガクやり合ったところ、問題の根元が現場の大工さんだけにあるのではなく、現場監督や工事監理者を含む施工者側にあったことが解ってきました。
ということは?、この会社が今まで造ってきた住宅の中にも少なからず深刻な建築基準法違反の疑いがある物件がある、ということなのか?

このことは、(住宅や建築の業界だけでなく)実は社会的にも大変大きな問題をはらんでいて、軽々にここに詳細を書くわけにはいきません。
問題がある程度解決に向かってから、後日整理して追記を書くことにいたします。
(そういうわけで、写真も少しボカシを入れてます。)

防水的にかなり危険な施工が最近多いと感じる … 建築監理・第三者監理2017/04/06

安易な雨水対策
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最近の住宅の施工検査で、防水的にかなり危険なことが安易に行なわれているなぁ、と強く感じています。

それも、デザイナー系の住宅にその傾向が見られます。
外観のデザインを考えてのことなのか、外周面にパラペットを回して、軒を作らずにFRPで防水した排水溝に雨水を溜めて排水するという形式のものをたまに見かけますが、これがかなり怪しい作りになっています。

これがベランダなどであれば日常的に人も目に触れますし、管理も出来ますし何かあっても対処はし易いのですが、屋根の上だともうお手上げです。
人の目が届かない箇所での漏水トラブルの場合、被害がかなり広がってから気が付く、ということになります。

特にデザイナー住宅と呼ばれるものの中で、施工が主体の会社が元請けになって契約を交わしているものは施主も相当に注意が必要と言えます。
設計者は外部ブレーンと言う形態で施工会社と契約して設計業務をしているので、工事が始まってしまうと工事管理をすることも現場に来ることも無く、トラブルに親身に対処してくれるとは限らないのです。

全てがそうとは言いませんが、私のところに持込まれる検査案件を見ると、単に施工上の問題というよりは、設計時にきちんとした図面を描いて指示を的確にしていればこうはならなかったのに、というものが多々見られます。

人の手が入らないような狭い溝での施工を強要するような残念な納まり、排水穴が何かでふさがり水位が少しでも上がるととたんに漏水する危険を含んだディテール、複雑な形状の屋根に対し安易にFRP防水を多用してしまうような施工態度、などなど、、危なっかしい設計や施工が数多く見られます。

こういった傾向のあるケースでは、防水や止水の問題だけでなく、構造的にもかなり怪しい図面が出てきます。平面図・断面図と構造図とで整合性が取れていない、ということも多く見られます。
こうした図面上の食い違いやディテール図不足で施工に突き進んでしまうと、まず間違いなく施工間違いが複数発生します。
本来は図面を見ればどう造れば良いのかが解るはずなのが、現場監督が実際に施工をする大工さんらに現場で指示してあげないとどう造って良いか解らない、なんてことになってしまいます。やがてそれが、施工ミスが連発することにつながっていきます。
ですので、間違ったまま工事が進んでいかないように、現場監督とは別にそれらをチェックする人(第三者監理など)が重要なのです。


施工会社で用意する「第三者機関」は、建前は立派ですが、往々にして検査やチェックはおざなりでかなり甘い、是正指摘の判断についても、当然お金を払ってもらっている施工会社寄りになります。
今まで私のところで行なってきた多くの第三者監理の検査の中でも、こうした検査会社のチェックを合格した後に検査に行くと、いくつもおかしなところが出てきたり、その先の施工を見越したチェックなどはまったく考慮されていない、というような事例が多く見られます。

日本で日々建てられている多くの住宅で、こういったミスが是正されないまま見過ごされ建てられてしまっているのでしょうね。
人生の中でももっとも高い買い物だと思うのですが、、、!

ローコストだから欠陥住宅?ってことはないのだが … 建築監理・第三者監理2017/03/15

サンプル写真
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今日(2017年3月15日)の文春オンラインで流れていたニュースのなかで、とても気になる記事がありました。

「ローコスト住宅のハウスメーカー「秀光ビルド」の物件に、建築基準法違反など“欠陥住宅”が続出している」というものです。

「秀光ビルドは1991年に石川県で創業し、北陸から関西、中部、東北へとシェアを拡大。現在までに手掛けた住宅は全国に1万戸弱ある。」ということでしたが、関東地方ではまだそれほど進出してきていないのか、私は監理や施工調査を依頼されたことはまだありません。

記事の中ではさらに、「中堅ハウスメーカーの営業マンが明かす。」として、「秀光ビルドは一棟1000万円を切るようなローコスト住宅が売りですが、現場監督は常に一人で10件程度の案件を抱えて疲弊している。そのうえ、単価が安いため腕のいい大工が確保できずにトラブルが頻発している。施主が支店に怒鳴り込むことも多く、会社側は訴訟になる前に補償金を支払い、クレームを抑えている」などと書かれていますが、、、

前半部分はどの格安住宅メーカー(パワービルダー)もほぼ同じ条件でしょう。
後半部分は、請負金額が低く設定されていれば、腕の良い大工を雇えないのはある意味しょうがないことです。
ローコストであるには、それなりのちゃんとした理由があるのですから。

ですが、腕の良い大工を雇えない=欠陥住宅が出来る、ということは必ずしも言えません。

なぜならば、今のハウスメーカー系の木造住宅の施工現場では、実際に大工さんが腕を振るえるような場面などそうそう無い、と言えるからです。

大工さんの仕事である「木工事」に関して言えば、工場で木材をカットして、組立て順に番号を付けられた部材(プレカット材)をトラックで現場に運び込み、現場で梱包を剥がして、順番通りに組立てていく、という作業が主になってしまっている今の工法では、大工さんの腕の善し悪しはあまり考慮されていません。
裏を返せば、少し訓練を受けた若手の大工さんなら、そつ無く組立ててしまえるのです。
工法自体がそういう風に出来ているからです。


一昔前の大工さん、職人さんの中には、「あの人は、口も態度も悪いのだが、仕事は出来るねぇ!」なんて人も居たのかもしれませんが、今は「口や態度が悪い大工は、絶対に良い仕事は出来ない!」と言えるでしょう。

「腕」に差を求めないとするならば、今のハウスメーカー系の大工さんに求められている素質は、きれい好きで時間を守れて、細かいことにもよく気が付き、他の職方とトラブルを起こさず、むしろ調整役をこなせるようなオールマイティーな職人、ということになります。

ですので、そういう意味での大工さんのランク付け、というのは確かにあります。


その一方で、態度も性格も悪く、怠け癖の付いた無精な職人、というのは現実にはいますし、まったく訓練を受けていない職人(風)のアルバイトが大事な仕事をしている、なんてこともあります。
そういう職人が手がけた現場の検査をしたことが過去ありますが、1カ所・2カ所といった間違いではなく、ほとんど全ての仕事が汚くていい加減で、全てに渡って不適格な施工でした。
本来、そういうものづくりに不適な人が現場に入ってこないように、きちんと現場を管理するのも現場監督の大切な職責なのです。それがコントロール出来ていないと、知らず知らずに不良住宅・欠陥住宅を造ってしまう原因となってしまいます。

現場監督が現場にいないのは、今ではすでに常態化・常識化していますので、それをハウスメーカーに求めても仕方ありません。

であるからこそ、施主自らあるいは施主の目で検査をする第三者監理者による検査体制が今の建設現場には不可欠なんです。

現場検査とミツバツツジの冬芽(花芽) … 第三者監理/検査・自然観察2017/02/16

ミツバツツジの冬芽・花芽
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このところ天気の良い日が続いているので、検査・監理している何件かの現場も(1件を除いて)みな順調に進んでいます。
(順調でない物件は、技術的なこととは別な要件でストップかかっているんです。)

今日の検査は、木造住宅の1階床下の断熱材施工の検査・立合いでした。
検査項目としては、基礎耐圧版や基礎立上がりのRC面の乾燥具合のチェックや断熱材の固定の仕方のチェックなど、床合板を張ってしまうと見えなくなってしまう部分の目視検査が主です。内容的には地味ですが、これはけっこう重要な検査・確認だと私は考えています。

最近の在来工法の建て方では、それまで当たり前だった「火打土台」や「根太」を使用する設計というのは とんと見られなくなりました。
土台や大引に直接構造用合板を打ち付け、水平耐力をもたせる(2×4工法で使われるような)施工方法が多くなりました。

これまでのやり方ですと、上棟し屋根が出来上がってから、内部の施工の進み具合を見ながら1階床板を施工することが出来ました。
ですので、基礎のRC部の湿気や床下の水溜まりなどあまり気にしなくても良かったのですが、建て方前に1階床合板を張ってしまうとなると、施工前の床下RCの状態がすごく気に掛かります。

実際に過去、雨が降って濡れている(水溜まりが出来ている)状態で床板でふさいでしまった現場があって、床下から上がってくるカビの臭いや湿気の影響による腐食など、対応に泣かされたことがありました。
(施主が現場でカビの臭いに気が付き、そこから調査・検査を依頼されたので、私が入った時にはまさにそういう状態でした。)

今日はまったくそういった問題も無く、良好に安心して作業を進めることが出来ました。

今日の検査のもう1点の確認事項は、防蟻/防腐剤の施工確認でした。
土台は最近はあらかじめ防蟻/防腐剤を注入してある材を使うことが多く、今回の現場でもそうだったのですが、大引はツガ(ベイツガなどは、ヒノキやヒバ材などと比べ、耐久性が比較的弱いので、防腐剤の塗布は必ずしないと心配です。)材を使用していたので、防蟻/防腐剤の塗布は必須です。

最近は、一般的な防蟻/防腐剤のあの赤い色粉が何故か気になる方がいるようで、無色透明の薬剤を使う現場もたまにあります。
無色透明では塗ってあるかどうか目視ではまったく見分けがつかず、防腐剤施工業者の施工完了書類などを現場で確認する以外に方法がありません。ということで、今日はそれで確認をとりました。
私の場合、加えて現場監督と大工さんに、重ねてヒヤリングして確認を取るようにしています。(決して、疑り深いというわけではないのですよ、、、)


で写真は、帰りがけに見つけたミツバツツジの冬芽(花芽)です。
暖かい陽射しを浴びた、紅い芽鱗の花芽がとても可愛らしかった!

まるで小さな花束のようなフデリンドウの花 … 自然観察・WanderVogel2016/04/11

フデリンドウの花
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一昨日に続き、昨日も東丹沢の春の低山を歩いてきました。
飯山観音/長谷寺(ちょうこくじ)から白山(はくさん)、物見峠、巡礼峠、七沢自然公園を巡って七沢温泉まで首都圏自然歩道(関東ふれあいの道)の一部を歩きました。

飯山観音へ登る階段脇には満開のシャガの群生があり、けっこう壮観な眺めでした。白山の頂上・展望台まで登ると、周りの春山の景色と厚木市が一望出来、遠くには相模湾まで見渡すことが出来ました。
一昨日、昨日と丹沢の東の端っこを散策して歩きましたが、のんびりとした里山の風景に日本の春の暖かさを感じると共に、この受け継がれてきた風景を壊すようなことがあっては絶対にいけない、と強く感じ入った二日間でもありました。
大きなアオゲラの姿を間近に見ることができたのも大きな収穫でした。写真は撮れなかったけど…

春山の風景の中に写真のフデリンドウの他、イチリンソウ、アケビ、ジュウニヒトエ、ウグイスカグラ、ランヨウアオイ、など春の花が咲き揃っていました。

新潟県・長野県への日帰り出張 … 設計打合せ・企画デザイン2015/02/24

国道353号線
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今日は日帰り出張で、長野県・新潟県に行ってきました。
朝4時くらいに車で出かけて、2件の打合せと現場確認を行ない、夜の10時に帰社。
さすがにちょっと疲れました。

写真は魚野川沿いの南魚沼市塩沢から清津峡を通り、十日町市(旧中里村)・津南に抜ける国道353号線の峠道ですが、路面は除雪が進み雪も溶けて乾いているところもあって安心して走れました。
路肩には3m近い積雪はありますが、さすがに豪雪地帯だけあって道路上の除雪は完璧です。

津南町やその隣の栄村(長野県)は全国でもトップクラスの「豪雪地帯」として有名ですが、つい最近も一般の住宅が雪の重みで潰れてしまったというニュースが流れていました。
幸い、中にいた方はうまく隙間に入り込んで一命を取り留めたということですが、他所から見ている分にはきれいな雪景色には憧れますが、雪国に住んでいる方にとっては、雪は本当に厄介なものなのです。

雪の質によってもその重量にかなり開きが出てきます。水分を含んだ雪が屋根に載った状態では、建物に想像以上の負担(荷重)がかかっていることになります。

そんなことはこの地に代々住んでいる方は十分に解っているのでしょうが、うっかり気を許してしまったのでしょうね。
高齢化も影響していると思いますが、、、

最近目につく設計図面自体の不備 … 第三者監理・検査2014/11/06

参考基礎伏図
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以前からもあったことはあったが、最近特に目につく設計図面自体の不備について。

現場での作業員不足は言われて久しいが、設計部門でも同じことが起きているのか、それともたまたまその会社の体質だったのかは解らないが、このところ続けて同じような事例がいくつか続いた。

設計図の出来上がりがまったく遅い。しかも、他の図面との食い違いも大きい。


ある木造住宅の場合、しっかりとした正確な図面が仕上がらないうちに、現場作業だけが先行して進んでしまうということが起こってしまった。

変に勘繰れば、人がいなくて図面作成は追いついていないが、とりあえず工事開始(着工済み)の格好だけは付けておこう、ということなのか?

建物の構造上一番大事な基礎の図面が正確に出来上がっていなければ、当然その上に建つ木工部分のプレカット図などとの図面照合も出来ないことになる。
こんな状況で現場作業に突入すれば、施工の間違いや勘違いなど数多く発生するのは目に見えている。


第三者監理で必ず行なう「図面チェック」で、重大な食い違いや間違いを発見するのも、最近ではそれほど珍しいことではなくなっている。

施主側が第三者監理などを入れてチェックすることなく、もしそのまま工事が進んでしまえば、結果的にかなりいい加減な工事になってしまう危険性をはらんでいます。
それこそ「欠陥住宅」と呼ばれるようなことになってしまう可能性はかなり大きい。

しかも、それら重要な箇所ほど、そのまま1ヶ月も施工が進んでしまうと隠れてしまって、まったく見えなくなってしまうものなので、余計に始末が悪い。


先日も、提示された設計図面のチェックをしてみると、木構造自体も屋根の防水や外壁通気などにもかなり問題が出そうな木造住宅の新築監理依頼があった。

その後のハウスメーカーとの三者打合せでよく聞いてみると、その会社では今までマンションの室内のリフォームしかやったことがなく、一軒丸ごとの設計や工事は始めて、ということであった。
どうりで図面のつじつまが合っていないはずです。構造的にも問題がありますし、確実に雨漏りもするでしょう。

ということで、工事が始まる前からさっそく設計変更・仕様変更ということになりました。
といっても、設計者も施工者もまったく技量が伴っていないわけですから、これからが大変です。こちらも気が重いです。


最近の一番ひどい事例は、RC造の新築戸建住宅の設計図面をチェックしていると、どのように造るのか私が見てもよく解らない図面になっていた、というがありました。
構造図面(らしきもの)を見ても、うまく配筋出来そうにもない設計で、コンクリートの打設計画も立てられないのではないかと思われるほど見事に(?)つじつまの合わない図面でした。

これではスタートする以前の問題だと、私も頭を抱えてしまった。

詳しく聞いてみると、こんな調子でズルズルと何ヶ月経ってもまともな図面が出来上がらない。という状態のようでした。
(当然のことですが)設計作業はそこでストップしてもらいました。

でも考えようによっては、その段階で根本的に「ダメ」なことが解っただけでも(施主にとっては)良かったと思っています。
時間は掛かるが、仕切り直して(設計者を替えて)再スタート出来るのですからね。


う~ん、、最近こういうの本当に多いんですよ。

まあ、事前に図面を精査する(チェックする)という作業は、施工上の不具合を是正していくのと重要度は同じかそれ以上なのですが、、。
私は愚痴を言えば多少は気も晴れますが、この先 高いお金を払っていく施主にとってはたまらないと思います。

これから新築を建てようとする方は、施工上の目に見える不具合や工事上の欠陥を防止するだけでなく、計画上の欠陥・不具合にも十分に気を配ってください。

台風一過で猛暑が続く週末、さてどうしよう? … バイクツーリング・WanderVogel2014/07/11

フーリア
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週始めの天気予報では、50年に一度の大型台風が本土に上陸して最大級の被害を出す、というニュースで持ち切りでしたが、ふたをあけてみると週の半ばですでに貧弱な温帯低気圧並みに勢いを落とし、あっけないくらいに予想を裏切って千葉沖へと抜けていってしまった。

今週末は毎年恒例の大学ワンゲル部のOB・現役部員合同での奥多摩キャンプでしたが、予報を真に受けて私も早々に「中止」の決定を出してしまいましたが、このような状態になろうとは…、執行部としては結果的に判断ミスと言われても仕方ないか、、まったくもって残念至極。

仕事では、雨を予想していた今日のコンクリート打設工事も一転して、予想もしていなかった「猛暑」の中での作業となりました。

打設量は90m3程度の量でしたが、スラブ上でジリジリと照りつける陽射しを浴びながら打設作業にあたる人も大変です。
何といっても、スラブ下のムシムシした(作業環境最悪な)サポート柱の林立する屋内にこもって、下から型枠を叩き続けていた作業員さんたちはさぞかし大変だっただろうなぁ。
検査で立合う僕でさえも、ただ立ってるだけでクラクラするくらいの暑さでしたから。

事前に構造設計と打合せをして、生コンのスランプ21cm、フローも40cm以上というワーカビリチーの高い、柔らかめのコンクリートでの打設となりましたが、それでもこの暑さの中では表面の硬化速度が速く感じられます。

建設現場はどの職方も慢性的に人手不足です。
最近では、東南アジア系・中国系の外国人労働者はあたりまえになってきているのに加え、高齢の作業員さんも多く、これからの季節は「熱中症」が心配になります。

昨日は必要以上の人数の作業員を配置していたこともあって、適当に交代しながら作業が出来たのが良かったですねぇ。ほんとうは雨対策での作業員増強だったのですが、思わぬ猛暑日になり、熱中症対策としてそれも幸いしましたよ。

と、それはさておき、奥多摩キャンプ中止に伴い、明日・明後日の週末の予定がポコッと空いてしまった。
明日は、三渓園でのガイドボランティアに行くとして、日曜日はどうしようか、頑張ってツーリングに出かけるかな。
いや、それにしても、暑そうだ!

木造張弦梁で造られた認定こども園 … 建築設計・建築の旅2014/02/25

浦佐認定こども園
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今日は設計打合せで新潟県南魚沼市に行ってきました。
ちょうどPeugeot を車検に出したばかりだったので、今日は新幹線で日帰り往復することとなりました。

地元の設計事務所の種村氏に駅まで迎えにきてもらい、一緒に打合せに参加していただいたのだが、打合せ後に種村氏の設計した「こども園」を見せてもらいました。
楕円形のドーナツ型をした平屋建ての平面を持つ、オープンな造りのスッキリとした木造建築です。

このこども園は上のサイン案内図にあるように建物自体は平屋建てで楕円形のドーナツ型をした平面を持つ施設で、中庭(広場)に面した回廊は一周150mほどあり、子供たちにはちょうど良い「かけっこコース」になっています。

構造材や家具などは地元の越後スギやそれで造られた集成材などをふんだんに使って建てられていました。写真の遊戯室の大きなホールでは、最大12mほどのスパンに木造張弦梁を架けることで無柱空間を作っています。
この時期(冬期)は、円形の中庭に雪がこんもりと積もっていて、なかなか風情があって良いものです。

冷暖房設備にも気を使って設計されていて、地域循環型エネルギーのペレットボイラーを使用して全館の冷暖房をまかなっています。

ちなみに、木造の張弦梁構造(Beam String Structure)とは、写真の天井下に映っている斜めの細い鋼材と中心の木造束、太い集成材梁とを組み合わせた合成構造梁を指します。

曲げ剛性を持った梁(圧縮材)と、引張材(鋼材)とが束材を介して結合され、軽快で安全性の高いハイブリット構造をつくり出しています。ビームの持つアーチ効果あるいは引張材の持つサスペンション効果が期待される構造です。

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