自宅近くで見かけたヤブマメの花 … 自然観察・WanderVogel2017/09/19

ヤブマメの開放花と閉鎖花
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植物の進化の不思議さ、巧みさについて これまでつらつら書いてきたが、この写真のヤブマメも不思議な能力を持っている植物のひとつといえるだろう。

自由に動き回ることが出来ない植物たちにとって、どうやって効率良く子孫を残していけるかは最大の関心事だ。
大豆の原種といわれているツルマメの近縁種のひとつであるヤブマメは、その中でもちょっと変わった方法を編み出している。

植物は通常、花を咲かせて受粉をし種子を付ける、ということで遺伝子を次世代につなげていくのだが、ヤブマメの場合はそれに加えて他にもしっかりと保険を掛けている。
ヤブマメは写真のような開放花の他に閉鎖花というのも同時に付ける。
そして地中にも閉鎖花を付け、その3つのどれもがちゃんと結実し、芽を出すことが出来るのだ。

開放花の場合は、他の花粉を受粉することが出来るメリットがあるが、確実に受粉し結実につなげられるかどうかという補償はない。地上と地下に出来る閉鎖花は自家受粉なのでいわばクローンなのだが、後々のリスクはあるとしても、確実に結実し種をつなげることは出来る。

こうして3つの繁殖法を進化の過程で身に付けたヤブマメはかなりの戦略家と言える。
加えて、熟した果実は莢(サヤ)を勢い良くネジることで種子を遠くに弾き飛ばし、広範囲に種子をバラまくという気の使いようだ。

鎌倉宮の周辺で見かけたママコノシリヌグイ … 自然観察・WanderVogel2017/09/18

ママコノシリヌグイ
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先日、鎌倉宮の周辺で見かけたママコノシリヌグイの花。

山を歩くと同じタデ科の中でもミヤマタニソバやイタドリなどを良く見かけるが、町中や里山ではミズヒキやイヌタデ、ミゾソバなどに混じってこのママコノシリヌグイやアキノウナギツカミなどを目にする機会が多い。

茎に棘があることや花の形などが良く似ているママコノシリヌグイとアキノウナギツカミだが、葉の付き方でその違いを判別することが出来る。
イシミカワというタデ科の植物もママコノシリヌグイに似ているが、花の形が違うのでこちらは判別が付き易い。

ママコノシリヌグイにせよ、アキノウナギツカミにしても、とても変わった名前なので、一度聴くと忘れられない名前だろう。
漢字で書くとそれぞれ、「継子の尻拭」「秋の鰻掴」と書くのだが、いずれの名前も茎や葉に密集している小さくて鋭い逆トゲに由来している。
アキノウナギツカミのほうは、このトゲトゲした茎を使えばヌルヌルして滑りやすい鰻(うなぎ)も掴(つか)めそうだ、という意味だと理解出来るが、ママコノシリヌグイのほうはずいぶんとひどいネーミングだ。しかも別名というわけではなく、ちゃんとした「和名」なのだ。

つまり継母(ままはは)が、継子(ままこ)の尻を拭う時に、このトゲトゲの茎で拭う、という意味で名付けられたものだ。なんとも凄まじい虐待、陰湿なイジメのイメージが漂う。昔はそういったことが割りとあったと言うことなのだろうか? このネーミングで、聴く人みんなが「あ~、そうか!」と納得出来るような土壌が形成されていたということなのだろうか?
今の日本人の心情からすれば、にわかには信じられないひどい行動に映るのだが、時代をさかのぼればそういうことに違和感を覚えない時代があったと言うことなのか?


これと関係あるのかどうか解らないが、日本の昔話や童話、わらべ歌、外国のグリム童話だって、成立時のお話しに戻せばかなり怖い原話、猟奇的な内容なのだ、というのを聴いたことがある。
ことの善悪や常識/非常識の基準にしても、時代背景やその土地の神や宗教その他、その時代時代の生存環境によってかなり違ったものになっていたのだろう。


話しは飛躍してしまうが、、、僕たちはいつの間にかそういったことをすっかり忘れているのだろうか。
いや、これからだってその「条件」さえ揃えばそれぞれが持っているその猟奇的な「芽」が、身体や社会から一気に吹き出してくるのかもしれない。
人間が他の動物/生物と異なる最大の進化の特徴である「社会性」に対しても、ある時そのスイッチがパチッと入ってしまうことがあるのかもしれない。なんて考えると怖いものがある。

今まで漠然と何となく「善」としていたものが一気に瓦解して、社会全体をリセットしてしまうようなDNAが進化の過程ですべての人間の体内にあらかじめ組み込まれているのだとしたら、とっても恐ろしいことだ。

ギンリョウソウ(銀竜草)と菌とゴキブリの関係 … 自然観察・WanderVogel2017/09/17

丹沢山中のギンリョウソウ
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三連休の中日、相変わらず台風18号の影響で雨が降り続いている。というよりは、これから明日・明後日に掛けてさらに風が強まり、雨も強く降り出すということなのだが、、、

というわけで外にも出掛けず、じっと自宅に引きこもっているというわけだ。
今日は、丹沢の山中でもよく見かけるギンリョウソウ(銀竜草)、別名:ユウレイソウの話。

先月末(8/26)net 時事通信社の記事で見られた人もいるのではないかと思うが、「森林にすむゴキブリが植物と共生し、種を運ぶのに一役買っていることを熊本大学の准教授らが発見した」と言うニュース、けっこう面白かった。
ギンリョウソウの実を食べるモリチャバネゴキブリの写真付きでニュース配信されていた。

ギンリョウソウは菌類(ベニタケ科の菌根菌)から栄養を供給されて生きているツツジ科(APGⅢ)シャクジョウソウ亜科の植物で、本州の低山の山中では割りと良く見られる腐生植物の中のひとつだ。
ギンリョウソウの身体が真っ白なのは、葉緑素を持っていないことによるが、自分で光合成は出来ないかわりに、地中の菌類から栄養を取得して生きている。

先日歩いた丹沢・雨山の山麓で、一輪だけだったが見ることが出来たのだが、これはまだ蕾みの状態(写真)だ。

ギンリュウソウは秋に花を咲かせ、翌年春~初夏にかけて1cmほどの果肉がある実をつける。ただ、その種子が散布される過程・仕組みについては詳しく分かっていなかった。
ギンリュウソウの花にも魅力的な蜜があるのかどうかは解らないが、花期にはマルハナバチなどが訪れ、受粉の役目を果たしているようだ。


記事では「熊本大学の杉浦准教授らは熊本市内の大学近くの林にカメラを設置し、肉眼と合わせ約2年間で200時間にわたり、ギンリョウソウを観察。鳥やネズミなどは実に興味を示さなかったが、関東以西の森林に生息するモリチャバネゴキブリが頻繁に果肉を食べていることを発見した。
ふんからは長さ約0.3ミリの種子が見つかり、ギンリョウソウが果肉を提供する代わりに、モリチャバネゴキブリが食べた種を散布する「相利共生関係」にあることを突き止めた。飛ぶことができる昆虫が、植物の種子を散布するケースが確認されたのは初という。
ギンリョウソウの実の成熟期は、モリチャバネゴキブリが羽化する時期と一致する。杉浦准教授は「種子を散布してもらえるように、進化してきたのでは」と話している。」とあった。

モリチャバネゴキブリは小型のチャバネゴキブリの仲間だが、家の中にいるお馴染み?のチャバネゴキブリとは違い、家に中では暮らせない。
また、寒い地方でモリチャバネゴキブリが生息出来るのかは解らないが、出来ないとすれば北では北の媒介する別のゴキブリ?がいるのかもしれない。

この地味でか弱そうなギンリュウソウが、山中のあちこちでよく見られるのにはそういう仕組みが出来上がっていたのか!、と またもや自然の進化の奥深さに感じ入ってしまった。
しかも、運良くモリチャバネゴキブリによって広範囲に種子を運ぶことが出来たとしても、生きていく条件(ベニタケ科の菌根菌がそこにあること)がたまたまその場所に揃っていなければ種を蒔くだけでは育つことは出来ない。

自然界ではこのように、樹木や草花と虫たち(ギンリュウソウの場合はプラス「菌類」ということになるのだが)が「専属契約」を結び、共に生きる姿というのをよく見かける。

お互いにとって、相手がこの世から消えてなくなってしまっては絶対に生きてはいかれない綱渡りのような「運命」を背負って進化を遂げてきたのだ。

丹沢の沢沿いに咲くシラヒゲソウの花 … 自然観察・WanderVogel2017/09/16

丹沢のシラヒゲソウ
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連休中はどうやら連日の雨のようです。

今年は8月中も9月に入ってもなかなかカラッとした日が少なく、幸い横浜は九州のような記録的な豪雨ということはないのだが、シトシトと雨が降り続くことが多く、気分的にも何だか憂鬱な日が多い。

写真は先日行った丹沢の沢の斜面に咲いていたシラヒゲソウ。
花のサイズは小さいのだが、花弁周囲のレースのような美しい飾りが特徴だ。
名前の「白髯」という言い回しも悪くはないが、もう少し可憐で可愛らしい名称であっても良かったのではないか、とこの花を見てそう思ったよ。

この髭のようなものにいったいどういった「意味」があるのか、進化の過程のことまでは解らないが、きっとなにか大きな理由があってそうなったのだろうと思うだが。。。
一方で、進化というものは時として想像もしないみょうちくりんないたずらをするものだからなぁ。

ホントのところ、どうなんだろう?

山野でよく見かけるシダの一種・カニクサ … 自然観察・WanderVogel2017/09/15

カニクサ
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カニクサ(蟹草)、里山を歩いているとよく見かける草なのだが、実はシダの一種なのだ。

他のシダと違う珍しい点は、カニクサが「ツル性」というところだ。なので、1枚の「葉」がやたらと長い!
長さが2m以上になるなんてことはザラだ。基本的には無限に延びるようだ。
陽当たりの良い斜面に、他のツル性植物に混じって樹木に巻き付いたりしている姿で見つけることが多い。

地下にある根茎から直接葉を出してどこまでも伸びていくので、根茎部分からツルをたどっていき先端に達するまでが「1枚の葉」ということになる。
他の樹木に絡み付いている「ツル」あるいは「茎」のように見えている部分は、厳密にいえば「葉軸」ということになる。

写真では少し見難いのだが、左側中央に写っている小さな葉も、中央から右側にかけて延びている長い葉の部分も同じツル・葉軸から出ている。
つまり、形状のまったく異なる葉っぱ?がひとつの葉の中に混在している、ということになる。

大きな長い葉?の方は栄養葉で、光合成を行ない栄養を作り出す部分、小さな葉?の方は胞子葉で胞子を作る機能に特化した部分という構成になっている。

栄養葉と胞子葉を持つこと自体はシダ植物の特徴のひとつであるので珍しくはないが、別の茎になるのではなく、同じ葉が変化して一部が胞子葉になるという点が変わっている点だ。

雨山に咲いていたツルニンジン(ジイソブ)の花 … 自然観察・WanderVogel2017/09/14

ツルニンジン・ジイソブ
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先日、雨山の麓で見かけたツルニンジンの花。

ツルニンジンはキキョウ科ツルニンジン属のツル性多年草。
根が高麗人参に似ていることから名が付けられた。韓国では高級食材なのだそうだ。
もっとも韓国のツルニンジンと日本の山野に自生しているツルニンジンとは多少成分が違うようで、韓国産の方がより滋養があるという。

別名を「ジイソブ」と言い、爺さんのソバカスという意味なのだそうだが、これはより小さな花を付けるヒメツルニンジンを「バアソブ(婆さんのソバカス)」と呼ぶことから派生した呼び方のようだ。
バアソブの花の方は確かに花弁の内側にソバカスのような斑点が見られるが、ジイソブ(ツルニンジン)の方には斑点状の模様は見られない。

根が滋養強壮に効果があるということから、盗掘されることも多く、特に目に付き易いところに生えているツルニンジンは狙われやすい。
もしどうしても持ち帰りたいのであれば、せめて種子程度にしてもらいたいものだ。
花が終ると果実(朔果)が残るが、種子が外に出るようになるのは年を越してからのことになる。
松の種子のような「翼」を持った風散布型の5mmほどの種子がたくさん出来る。

やどりき水源林などで定期的に観察を行なっていると、盗掘という問題にけっこう悩まされることがある。
山野草のなかでも特に美しいものや珍しいもの、貴重なものほどそのターゲットになることが多い。

先日まで花が咲いていたものが、こつ然と姿を消し、後には盗掘され掘り起こされた穴だけが残っている、なんて姿を見るたびに悲しい気持ちになる。

雨山でもいろいろなキノコを見る … 自然観察・WanderVogel2017/09/11

ホウキタケの仲間
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昨日は丹沢・雨山の麓を登り降りしながら見かけた「ホウキタケの仲間」

ホウキタケの仲間は、図鑑などにはいろいろな種類が紹介されていますが、どうも食用のものと有毒のものが入り交じっているようで、少し聞きかじったくらいではその判別は難しい。

食用とされているもののなかでさえも、はっきりと安全性が確認されているというわけではないようです。
地方のキノコ直売所などで同種のものを見かけることがあっても、人によっては激しい中毒を起こすことがあるので、あえて食べるべきではない、と書かれている本もあるくらいです。

キノコを観察する際に、解説書などに書かれていることを読むと、姿かたちや大きさ、色、テクスチャー、時期だけでなく、そのキノコが何処に生えていたのか、どこから出ているか、が判別の大きなポイントになるようです。
土の上から直接出ているのか、落ち葉の上から出ているのか、林の中であればどんな林なのか?、針葉樹林なのか、広葉樹の林であれば、周りに生えている樹種は何なのか?、倒木や立ち枯れの木から出ているのであれば、その樹木の種類がとても重要だったりします。


さて、写真のホウキタケの仲間ですが、針葉樹・広葉樹の混じった林の続く稜線上の少し湿った斜面上の岩の間から出ていました。
その下に落ち葉や倒木などなどがあるようには見えなかった。

自然観察が主目的だったので、キノコといえども簡単に引っこ抜いて調べてみるというわけにもいかず、どこから出ているのかは確認が出来ませんでした。
帰って来てからいろいろ調べてみるのですが、「ホウキタケの仲間」だけでもたくさんの種類があって、簡単に同定は出来ないな。

キノコって、ほんと難しい。が、ほんと楽しい!

フォッサマグナ要素の植物を雨山に見に行く … 自然観察・WanderVogel2017/09/10

ビランジの花
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今日は丹沢・雨山の麓を登り降りしながら、フォッサマグナ要素の植物(*)の観察をしてきました。
毎年一回行なわれる観察会です。

丹沢には「フォッサマグナ要素の植物」と呼ばれる固有の植物が数多く生息をしています。
中には絶滅危惧種に指定されている植物もあり、貴重な植物群として保護されているものも多くあります。


今日見られたもの:
*シラヒゲソウ(白髭草)の花、*ビランジの群生、*ハンカイシオガマ(樊噲塩竈)の蕾み、*タテヤマギク(立山菊)の花、*フジアザミ(富士薊)の蕾み、などフォッサマグナ要素の植物の他、いろいろなキノコ類も観察でき、楽しい一日を過ごすことが出来ました。

ダイコン・カブ・芽キャベツなど冬野菜第一弾 … 畑作業・WanderVogel2017/09/09

ダイコンの種蒔き
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先日、草刈りと耕運機掛けをした畑に今日は種蒔きをしてきました。

ダイコンとカブと芽キャベツを植えました。ブロッコリーも植えたいのですが、苗を買い忘れてしまい、次回の仕事になります。
次回は残ったゴーヤとオクラ、シシトウなどを全部整理して、その場所に植えようと思っています。

今日は秋晴れの空の下、日中の陽射しのある時間帯での作業でしたが、真夏の作業と違って殺人的な暑さにはなりませんでした。

あきらかに夏から秋に季節が移っているのを感じます。

昨年行ったネパール山行のまとめ … Nepal Trekking・WanderVogel2017/09/08

霜の降りた高原の草
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昨年の11月末から12月初めにかけて行った「ネパール・トレッキング」のまとめにやっと手を付けることが出来、とりあえず日記風にまとめ「goo blog」にUPしました。

山行中にメモを取っていましたから原稿自体は揃っていたのですが、無精な性格なのでなかなかそれをまとめることが出来ず、今に至るまで延び延びになっていました。
次の海外山行までにはまとめておかないといけない、という焦りもあって半ば強引に作業を進めましたので、誤字脱字があるのは勘弁してもらって、興味があれば見てみてください。

nagao's blog WanderVogel : http://blog.goo.ne.jp/hd2s-ngo

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