住宅の基礎設計の講習会に行ってきました2008/11/02

神奈川県建築士会主催の「住宅の基礎設計の講習会」に行ってきました。
今年に入って、日本建築学会の「小規模建築物基礎設計指針」が20年ぶりに改訂出版されるなど、地盤と基礎に関する法的に大きな動きがありました。
この動きの要因にひとつは、中越地震や中越沖地震での木造住宅の被害の大きさ(特に基礎部分)に関心が集まったことや、来年から施行される「住宅瑕疵担保履行法」の動きと連動しているのでしょう。

今日の講習会では、主に基礎設計の法制度とその動向、地盤調査に関するもの、液状化の仕組みとリスク、パイルド・ラフト基礎設計の仕組み、造成地や崖地・擁壁などの宅地地盤の考え方など、実際の設計や施工でよく見聞きする実践的な内容が話されました。
調査結果からその地盤をどう判断し、どう設計・計算するのかを決めるのはかなり専門性を問われる分野なのですが、意匠設計者もそれに対して基本方針を立てなければならないようになり、その責任の一端を負わなければならないような「法整備」に向かっているのは確かです。
今日の「講習会」では、最後の質問時間も足りないほど出席者に危機感が漂っていました。


新潟・魚野川沿いの美しい紅葉風景2008/11/07

越後湯沢の紅葉
設計の仕事で越後湯沢に打合せに来ました。長年借りているマンション近くの魚野川沿いの岩山もすっかり紅葉していました。
岩原近くのこの山はもともと岩山で、紅葉した木々の間から白い岩肌が見え、とても美しい光景です。全てが自然の色です。魚野川上流部の川の風景ととてもマッチして、何とも言えない雰囲気を持っています。

設計打合せに行く時に、朝この辺りを眺めながら車で走るのは何ともいい感じで元気が出ます。「正しい日本の風景」です。
この時期、朝方は気温がグッと冷え込み、水温の方が高くなるので川から湯気のような霧が立ちます。これがまた幻想的で美しいのです。
「日本で良かった!」と思える一瞬でもあります。


ここ数日は、ブログ更新をさぼり気味でした…2008/11/13

障害者福祉施設の作業室棟増築の設計でカンヅメ状態でした。やっと、本日役所に提出してきましたので、一段落といったところです。
木造2階建ての作業室棟ですが、用途が「福祉施設」なのでいわゆる「特殊建築物」に該当します。

設計自体はそれほど難易度が高くはありませんでしたが、小さい割に消防同意が必要だったり、ハートビル法の「福祉のまちづくり条例」にも該当して、事前協議書を作成したりと、いがいと手間のかかった申請でした。
木造2階建てとはいえキチンと応力計算してありますので、その構造計算書も提出しました。
物件規模の大小に関わらず、建築確認申請の提出は何故かいつもバタバタします。


明日(というか今日?)は、朝から柱状改良工事の現場確認に行ってきます。地盤と基礎は住宅など建物の土台を支える大切な部分です。
間違いのないように、しっかり監視・確認してこないとね。

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日本三大ラジウム泉・村杉共同温泉露天風呂2008/11/17

日本三大ラジウム泉・村杉共同露天風呂
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このところブログでの話題に「温泉」が少なかったですから、久々に温泉の話題です。
福島県・群馬県の県境を源流にして、新潟市をかすめて日本海に注ぎ込む阿賀野川沿いに「村杉温泉」はあります。
五頭(ゴズ)温泉郷のなかにあり、歩いて回ってもたちまち通り過ぎてしまうほど小さな温泉地です。
もちろん温泉街もありません。

村杉温泉・薬師の湯というのが正式名らしいのですが、温泉旅館が数件、共同浴場と共同露天風呂があります。
ここの温泉の泉質は日本でもめずらしい「ラジウム泉」です。
共同露天風呂は男女別で、無人の入口で300円払って入ります。7、8人も入るといっぱいになるほどの小さい露天風呂ですが、まったく素朴で可愛らしい露天風呂でした。

ラジウム泉と聞かなければ、温泉独特の臭いもまったくしないので「温泉」と感じない泉質です。
しかし、日本三大ラジウム泉のひとつなのだそうです。よく知らなかったけど…。
とても好い温泉でした。ここはいい!

温泉魂 = http://www.asahi-net.or.jp/~hd2s-ngo/spa/index-spa.html


冬用スタッドレスタイヤに履き替えて…いざ雪国へ!2008/11/21

プジョーのタイヤ交換
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来週は新潟県の南魚沼市に設計・監理の仕事で行くので、冬用のタイヤに替えました。

スタッドレスはまだ早いかなあ?と思っていたら、ここのところの急激な冷え込みで日本海側から東北地方にかけては、大雪のところが続出で替えておいて良かった!
今年は雪が多い年になる、という人がいました。向こうでの現場は来週やっと「地鎮祭」をして着工ですから、12月中のコンクリート打ちになります。
雪なんか降られたら本当に大変な作業になります。泣きたくなります。

何年か前にも経験しましたが、午前中は雪かきで終わってしまい、作業はいつも午後からでした。
南魚沼市は十日町市と同様に、日本でも有数の豪雪地帯です。こんなスケジュールでの仕事はしたくないのですが、補助金絡みの仕事は単年度決算ですから、どうしても今年度中(来年3月中)に完成させないといけないというキツーイお達しがありました。
行政は北も南も同一のルールで進めますから、雪国はホントつらいです…。

今月初め(僅か半月前)には、関越トンネルを抜けた越後湯沢はちょうど良い紅葉の景色だったのですが、来週は一面の雪景色でしょう。
これから長い冬が始まります。僕は嫌いではないけど…雪道は滑るから怖いです。

この調子だと、地鎮祭は雪の中ですることになりそうです…。

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11月28日から改正建築士法が施行され … 契約前の重要事項説明義務2008/11/23

改正建築士法が平成20年11月28日(水曜日)より施行され、管理建築士等が、設計・工事監理契約の締結前にあらかじめ、建築主に対し重要事項について「書面」を交付して説明を行うことが義務づけられます。

日本建築士会連合会でも四会推奨の標準様式としてまとめられました。

 ・四会推奨の重要事項説明書標準様式ダウンロードサイト
  http://www.kenchikushikai.or.jp/

書面で説明する重要事項とは、「設計や監理の業務内容」「作成する設計図書の種類」「外注の有無」「報酬額と支払いの時期」などが記載され説明を行なうというものです。加えて建築士免許証の提示義務も提示義務違反の罰則付きで追加されました。

また、業務報酬基準(告示1206号)も改定され、建物の用途と床面積で報酬額を割り出す「略算表」による算定基準も整えられますが、これだけはまだ試案の段階で、かなり整備が遅れています。

とにかく、建築士や建築士事務所にとっては、責任と共に業務に対する負担や影響がかなり大きいと思われます。

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鉄骨造の注脚部に起こった極めて深刻な不良工事2008/11/25

鉄骨柱脚アンカーボルトの不良工事
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ある鉄骨造の工事監理で私が実際に見つけた事例です。
写真は基礎に埋込まれているアンカーボルトの部分です。少し曲げて直していることが解ると思います。
じつはこのアンカーボルトはハイベースと言って4本のアンカーがスチールプレートで連結されている認定品のアンカーセットなのですが、元々の墨出しを間違えたのかほぼ全ての箇所にわたってこの「台直し」とよばれる直しの跡が見られました。

これを見つけたのは鉄骨建て方前日の夕方でした。その前に行った検査時には、当然この作業は行われていませんでしたから、検査後に作業したのでしょう。
このまま鉄骨を建て込んで、コンクリートで柱脚部を固めてしまうと後からでは絶対に解らなくなる部分です。
しかしこのままでしたら中程度の地震でも柱脚は破断し、建物は倒壊してしまう危険性が大でした。
何がいけなかったのか? 現場でこの作業をした鉄骨屋さんは解らなかったようです。きっとこれまでもこの方法で直していたことが多々あったのでしょう。
とても恐ろしいことです。

構造的に一番大切な部分のアンカーボルトを、このように(アセチレン)ガスの火であぶって曲げてしまっては、耐力はほぼゼロになってしまいます。
「阪神淡路大地震」のときも、溶接部の破壊と並んで、この柱脚の破断が大きな問題になりました。

当然建て方は中止し、基礎をやり直し正常な状態に戻してから工事を続行させました。
発見出来た事が不幸中の幸いとはいえ、このまま建て方が進んでいたかと思うと、背筋が凍り付きました。


管理建築士資格取得講習を受けてきました … 横浜2008/11/26

管理建築士資格取得講習
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来年から施行される管理建築士制度を受けて行われた、管理建築士資格取得講習に行ってきました。
神奈川県では春に続いての追加講習となります。
場所はみなとみらいのパシフィコ横浜の会議センターのメインホールで行なわれました。

出席者は1,000人弱と大盛況です。対象が各建築設計事務所の管理建築士なのでほとんどがおじさんかそれ以上です。
朝10:00の受付にはすでにカウンターに並ぶ長蛇の列。それから19:00までの9時間を、狭い椅子に座って講習を受け、最後には最終考査(試験?)がありました。
とにかく疲れました。狭い椅子で身体がガチガチになりました。

講習の内容の半分は建築士・設計事務所としての倫理と責任についてで、後の半分は改正建築士法と事務所経営の健全化に関する講習でした。
建築設計事務所としての増大する責任の重さと業務内容の複雑さ、煩雑さが際立って目立つ法改正となっています。
これでは設計をしながらも、その設計内容や監理業務内容についてのリスクをどう減らすかで頭がいっぱいになりそうです。

何かあるとすぐにクレームの対象となり、簡単に「訴訟」にまで発展してしまう欧米並みの世の中になっていくとするならば、設計事務所側でもそれに応じたリスク回避戦略を立てていかなければいけなくなるだろうという話しもでました。設計責任とは、監理責任とは、難しい問題ばかりでした。
責任を言うならそれに見合う「対価」が無ければつり合いませんが、そこのところはまだ確立されていないようです。
新しい基準が出てくるまでは、従前の告示1206号を引っ張りだしてやっていくしかなさそうです。
しかしこれでは改正建築士法の内容をカバーするような報酬額は難しいですね。


会場から外に出ると、ライトアップされたベイブリッジや、きらびやかな大観覧車が「クリスマス!」していました。

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福祉施設増築工事の地鎮祭が行われました。2008/11/29

地鎮祭
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設計をした福祉施設作業室棟がいよいよ着工となり、大安の日に地鎮祭が行われました。
これから設計監理の作業に入っていきます。
雨降りの中の地鎮祭でしたが、雪にならずに良かったです。建設場所が新潟県なので雪を心配していたのですが、なんとか雨で収まってくれて良かったです。
写真には写っていませんが、傍らには雪が残ってはいましたが。

確認申請が下りて確認済証を受取って地鎮祭が終わると、いよいよ建設だなあ〜と、何だかほっとする一瞬です。

これから新潟は一日一日が冬に向かっていきます。新潟での仕事でいつも思うことは、今年は小雪であって欲しいという願いです。
スキー場は困るでしょうが、建築をする方はやはり雪は一番怖いですから出来ることなら大雪だけは勘弁してもらいたい。という気持ちです。

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