松島近くで設計した温泉施設の震災報告1 … 地震被害調査2011/04/08

松島・夢実の湯 1
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松島の山中に10数年前に設計した温泉施設も今回の震災被害を受けました。1

被害の程度は、報道で見るような大規模なものではなく屋根から石の瓦(天然石スレート)が一部落下したり、屋内浴室の浴槽の防水が切れて水漏れを起こしたとかその程度?の被害で住みました。

松島というと群馬や新潟と違いかなり距離があるので、そう簡単に被害状況を確認しに行くこともできません。

まあ、その程度の被害でしたら心配はないでしょう。

数年前に東北を襲った大地震の際には今回よりも被害は出たのですが、今回は本当に幸いなことにこの建物ではガラスが割れたりすることもなかったようですし、温泉源泉が枯れたりといったこともなく、安心しました。


松島近くで設計した温泉施設の震災報告2 … 地震被害調査2011/04/08

松島・夢実の湯 2
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松島の山中に10数年前に設計した温泉施設も今回の震災被害を受けました。2

温泉施設にとって震災が起こった時に一番心配になるのは、設備系のトラブルと温泉源泉井戸の枯渇です。

温泉施設には通常の建物よりも設備配管も多く、複雑ですので震災時にトラブルになりやすいからです。


源泉の温泉井戸も地震が原因で、突然温泉の地下の経路が変わってしまい、最悪に場合 枯渇してしまうケースは珍しくありませんし、泉質や温泉の色が変わってしまうということもあります。

ただ、地震と温泉と火山はある意味、根が同じですからこれはしょうがないことなのかもしれません。


松島ビール・ブルワリー施設の震災報告 … 地震被害調査2011/04/09

松島ブルーイングカンパニー
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10数年前に設計した松島ブルーイングカンパニーの醸造所とビアレストランも、温泉施設同様に今回の震災被害を受けました。

3月11日の地震時には、屋根のフランス平瓦が数枚落ちただけの被害でしたが、昨日の余震(震度5強)ではエクスパンションジョイントが吹っ飛びました。

竣工からたびたび増改築を繰り返してきましたので、各建物の揺れ方が当初想定していたものと違ってきたのかもしれません。


しかし今のこの時期、このアルミのEXP.ジョイントの金物の調達が問題です。


真鶴半島ショートツーリング … バイクツーリング2011/04/10

真鶴半島ショートツーリング
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暖かくなり、日差しも降り注ぐ日曜日なので、朝からバイクを引っ張り出してちょっとツーリングへ。

完全防寒装備では汗ばむくらいの暖かさと爽やかさです。
家から逗子まで一山越えて、稲村ケ崎や江ノ島を横目に見て、西湘バイパスを抜ければすぐに真鶴半島への入り口、JR真鶴駅前に着きます。

真鶴駅を左折して細い道を下って行けば、真鶴港の魚市場に突き当たります。

9時過ぎに出発をして、途中でガソリン補給などをしながらのんびり走っても10時半には着いてしまいます。

ものすごくお手軽なツーリングコースです。

今日は河津桜や山桜がちょうど満開で、山の新緑に淡い桜色が映えてとてもきれいです。


食堂の開く時間まで、すでに水揚げも終わって閑散としている市場内を散策?して、11時半頃に市場の食堂で今日の刺身定食をいただきます。

で、2時半には自宅に戻り、お疲れさまのビールをパシュッと…。
何だか、すごく贅沢でしあわせな一日です。


体育館内部 上部壁の破壊・落下 … 地震被害調査2011/04/11

体育館内壁の落下
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新潟・十日町市に9年ほど前に設計した体育館の上部の壁も今回の震災被害を受け、破壊され一部は落下してしまいました。

このあたりは中越沖地震でも大きな被害が出ましたが、津南などの状況は今回の方が甚大です。
実際に私の事務所で設計をした建物数棟の被害状況を見ますと、やはり今回の方が建物の被害は大きいです。

体育館のような高い空間を持つ建物は、地震時に上部構造がかなり揺さぶられるので被害が出やすいと言えます。

幸い(?)天井材の落下はありませんでしたが、上部の壁が破壊されて有孔ボードが剥がれて広い範囲で落下しました。
(けが人が出なかったのが不幸中の幸いです。)

補修工事は足場を組み、下地の軽鉄組みを補修・補強し、同じ有孔ボードを(取り付けビスの本数を増やして)張って塗装すれば直るように思いますが・・しかし。


問題は、この有孔ボードを作っているメーカーの工場が福島にあるそうで、今回の地震被害で壊滅し生産のメドはまったくない。ということなのです。


とはいえ、何らかの形で早急に修理して、今まで通りに使える状況に早くしないといけません。


超軽量登山靴 SCARPA クリスタロ.GTX … WanderVogel2011/04/12

スカルパ超軽量登山靴
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イタリアを代表する登山靴メーカー:スカルパの新しい超軽量登山靴を買いました。

登山靴のカテゴリーとしては軽登山靴の部類に入るのですが、その軽さと軽登山靴の中ではしっかりと作られた固いソールとつま先が、トレッキングだけでなく残雪の残る春先などの縦走路でも十分耐えられそうな作りが魅力です。

10本や12本といった本格的なアイゼンを着けるには少し頼りないが、6本アイゼン程度ならば問題なさそうです。


今年はしっかり本格登山を思い出そう。

といっても、若い頃のような超ハードな長期縦走はもうコリゴリですので、ビスタリ登山を目指します。


葉桜と藁葺き屋根・金沢八景 … WanderVogel2011/04/15

葉桜と藁葺き屋根
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桜の花が満開になったなぁ、と思っていたらあっという間に葉桜になってしまいました。

毎日通る金沢八景駅ホームの向かい側に見える、工房の藁葺き屋根と桜の古木。

ホームから手を延ばせば届きそうな距離で、毎年満開に咲き誇る大きな桜です。


横浜もこの辺りはまったく田舎で、のんびりとした空気が流れています。


金沢21世紀美術館の外部アート … 印象に残る建築・アート2011/04/18

金沢21世紀美術館・屋外アート
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金沢旅行に行ってきました。

金沢21世紀美術館は内部展示のほとんどがメンテナンス中で見られませんでしたが、東入り口前に昨年できた外部のアート展示:オラファー・エリアソンの「カラー・アクティブ・ハウス」がとても良かったです。


新潟・妻有郷での屋外アート展示トリエンナーレや、十和田市現代美術館の屋外芸術文化ゾーンでのアート作品など、美術館を出て屋外を舞台とするアート展示が楽しい。

外に開かれたアートは、街に刺激を与えます。


金沢 ひがし茶屋街・懐華樓 … 印象に残る建築2011/04/18

懐華樓でお抹茶
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金沢のひがし茶屋街という古い花街一帯が保存され、観光名所となっています。

街並み全体が国の重要伝統的建築物保存地区に指定され、その数あるお茶屋の中でも、一番大きなお茶屋が築180年の「懐華樓・かいかろう」だそうです。

内部は昼は一般に公開され、鮮やかな朱色で壁全体が塗られた大座敷や群青色で塗られた茶室、建物の内に取り込まれたきれいな土蔵など見所はたくさんあります。

チラチラ内部が見え隠れする千本格子や、朱や群青の鮮やかな色にはしっとりとした色気があってとても興味深いです。
しかし、やはりこういうお茶屋はとっぷりと日が落ちてからの方が似合っているのだろうなぁ。


通りに面した1階のいろり端で、お抹茶をいただきました。

細い格子越しに表の喧噪がそれとなく感じられます。


金沢・兼六園の成巽閣の杮葺屋根 … 印象に残る建築2011/04/19

杮葺き屋根
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兼六園の隣に「成巽閣・せいそんかく」という、江戸時代末期に建てられた前田家奥方御殿が建っています。

兼六園側から入ると、赤門と呼ばれる御城への通用門から入ることになります。


つい半月前の3月末に屋根の杮葺き(こけらぶき)が完成したということで、この時期だけのとてもきれいな状態の板葺き屋根を見ることが出来ます。


日本の屋根葺きには一般的に茅葺き(かやぶき)、杮葺き(こけらぶき)、檜皮葺き(ひわだぶき)、瓦葺き、銅葺きの5種類です。

邸宅建築(寝殿造り、書院造り)の屋根には、檜皮葺き、杮葺きが多く用いられ、民家には木羽葺き(こばぶき)の上に丸い石を置いた屋根が一般的でした。

上の写真では、新しく葺かれた杮葺き(こけらぶき)屋根と、黒い瓦葺き、緑青色の銅葺きの3種類の屋根が見えます。

ちなみに檜皮葺き(ひわだぶき)は漢字の通り、ヒノキの皮を剥いで使いますが、杮葺き(こけらぶき)は漢字のカキではなく、サワラや杉板を手割りした板(3mm厚)のことで、それを材料に屋根を葺いていきます。


成巽閣のこけら葺き屋根はサワラ(椹)板を使って、3cm間隔にズラして重ねて葺いています。

とてもきれいに葺かれていて、この状態の美しいこけら葺き屋根を見ることが出来て良かった。
幸運でした。


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