毎年恒例の鹿沼ロッククライミング講習 … WanderVogel2013/06/02

クライミング指導
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毎年この時期に行なう恒例の母校の大学ワンダーフォーゲル部のロッククライミング講習会の指導に行ってきました。

若手部員・初心者の安全をザイルでしっかりと確保しながら、岩壁面の登り方や懸垂下降、ザイルワークなどの技術指導をみっちり二日間にわたって行なってきました。

登山ブームなのか、今年はなんと12人もの新入部員が入部し、現役部員の数も久しぶりに総勢20名を超え、なかなかにぎやかで有意義な講習になりました。
夜は親睦会をかねてテント脇にしつらえた大型のタープの下で、我々OBの方で用意した豚汁料理を囲んで盛大に屋外宴会です。

幸い天気にも恵まれ、二日間のロッククライミング講習は一人のけが人も出さずに無事に終えることが出来ました。

ロッククライミング・岩場のテイカカズラ … WanderVogel2013/06/03

岩場のテイカカズラの花
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ロッククライミングの岩場を覆うように咲いていた、ツル性植物テイカカズラの花。

クライミング講習の会場である鹿沼の岩山の周りはスギやヒノキといった針葉樹の他にコナラ、クヌギ、リョウブといった雑木林が広がり、里山の二次林を形成しています。
多孔質の岩場では、こういったツル性植物が隙間を見つけて取付き繁殖していました。

ワックスのかかったようなテカテカとしたみずみずしい小さな葉と可愛らしい白い風車のような形の花が印象的です。

鎌倉禅宗建築・旧東慶寺仏殿 … 建築の旅・WanderVogel2013/06/09

旧東慶寺仏殿正面
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横浜本牧三之谷にある三渓園で6/8〜6/16の期間限定で、重要文化財建築物内部の一挙公開がいよいよ始まりました。

公開建造物は国の重要文化財に指定されている三渓園内の10棟全ての建物で、寺院建築あり書院・数寄屋建築あり、民家建築(合掌造り)ありで、様々な魅力に溢れていて見るものを飽きさせません。

写真の旧東慶寺仏殿は明治40年(1907年)に鎌倉から移築してきたもので、鎌倉では「駆け込み寺」として名高い禅寺です。
鎌倉幕府の置かれた鎌倉は京都(京五山)と並び「鎌倉五山」といわれるくらい、禅宗寺院にとって歴史的重要な都市でした。

東慶寺の創建は鎌倉中期(弘安八年)といわれますが、この建物自体は昭和31年の「修理工事報告書」によると、仏殿の建立時期ははっきりとはしないとしながらも見つかった墨書きなどから、江戸時代初期の寛永11年(1634年)としています。

建物の基本プランは梁間三間、桁行き三間に一重の裳階(もこし)の付く規模で、仏殿の屋根は茅葺きの寄せ棟造り、裳階の屋根は杮(こけら)葺きとなっています。

扉(桟唐戸)や火灯窓、格子戸/板唐戸のデザインや組物の配置、木床を張らない内部のデザイン(平瓦の四半敷き)や柱上下の粽(ちまき)の形状など、内外部共に完全な禅宗様のスタイルを見ることが出来ます。

三渓園の濃い緑の木々の中に建つ禁欲的なその建築デザインは、見るものの心の奥底に訴えかけるものがあります。

貴重な桃山建築・天瑞寺寿塔覆堂の内部 … 建築の旅・WanderVogel2013/06/11

天瑞寺寿塔覆堂内部
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三渓園内に移築されている天瑞寺寿塔覆堂は、太閤秀吉が実母の大政所の長寿を祈願して天正十九年(1591年)に建てた寿塔を覆うためのお堂で、建設年がはっきりしている秀吉ゆかりの桃山建築として非常に貴重な建物です。

今、三渓園内で開催されている重要文化財建築物内部の一挙公開で、滅多に見ることが出来ない建物内部を見学することが出来ます。

桃山建築といっても建物全体の基本デザインは内外部共に「禅宗様」で構成されています。

外部は長い年月を風雨に晒されていたことで、正面の唐破風下の彫刻の一部にわずかに建設時の色彩が残っている程度で全体的はモノトーンで落ち着いた(?)くすんだ色合いになってしまっています。

しかし内部を見ますと、禅宗様独特の上部がすぼまった柱頭部や組物に描かれた多彩な色彩で描かれた文様や折り上げ格天井の鮮やかで細かい細工文様が残っているのが解ります。
また、天井外周の縁に描かれた唐草文も残っていて、格天井の持つ厳格なイメージの強い室内空間に華やかさと柔らかさを与えています。

建物は外側から見ただけではその価値の半分しか解りません。
特別に内部公開されているこの機会に三渓園を訪れるのは価値があります。公開は今週末の6/16(日)までです。

以前のblog:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2013/03/19/

三渓園・満開のハナショウブ … WanderVogel2013/06/12

三渓園のハナショウブ
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三渓園内の満開のハナショウブ
大池越しに見える茅葺き屋根は「鶴翔閣」

見頃を迎えているのは、アジサイ、キンシバイ、サンゴジュ、タイサンボク、キササゲなど

自然観察会・オオモミジの種子 … 森林インストラクター・WanderVogel2013/06/13

オオモミジの種子
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植物が子孫を広げる手段にはいろいろな方法があり、どれもがとても神秘的です

実を動物に食べてもらい糞と共に広げてもらうものや、動物の体にくっついて運ばれるもの。ココヤシの実やマングローブの種子などのように水に浮かんで遠くに運ばれるもの。
ホウセンカの種などは、刺激を受けて種子を遠くへ飛ばす仕組みを持っています。

また、タンポポのように綿毛を持っていて風に乗って飛ばされるものや、シデ類やカエデ類のように翼を回転させることで風に乗り、遠くへ種子を飛ばすものなど、植物によって子孫を残す方法は様々です。

写真はオオモミジの種子です。ヤマモミジの種子は羽根の部分が赤く色づきますが、オオモミジは緑色のまま茶色く色が落ちていきます。

もう少し経つとプロペラの形をした種子は真ん中から二つに割れて、風が吹くとクルクルと回りながら飛んでいきます。

ヤマボウシの苗木とヤマカガシの子供 … 森林ボランティア・WanderVogel2013/06/15

ヤマボウシの苗木とヤマカガシの子
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以前 植林した山に、下草刈りの手入れボランティアに行ってきました。

里山に近いところでも、植林したまま放っておくと下草が密集して生えてしまい、せっかく植林した苗木そのものが枯れてしまいます。
ですので、ある程度自立して成長出来るようになるまで、人の手で育ててあげる必要があります。

今日行った小田原近くにある山では、昔植えられたヒノキやスギといった針葉樹に替わって、ケヤキ、カツラ、ナラ、ミズナラ、クヌギ、ヤマザクラ、ヤマボウシといった落葉広葉樹を中心に植えられています。

刈る草は、クサイチゴ、ヘビイチゴ、ニガイチゴといったバラ科の植物やヘクソカズラやクズといったツル性植物、ススキやタケニグサなどの背の高くなる植物などいずれも苗木にとって厄介ものの植物たちです。

刈り取り作業の途中で、ヤマボウシの苗木の枝にヤマカガシの赤ちゃんが休んでいるのを見つけました。

大きくなると危険なヤマカガシも子供の頃の姿は可愛らしいものです。

ニガイチゴの木にたくさんのイチゴの実 … 森林ボランティア・WanderVogel2013/06/18

ニガイチゴの木
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先日の下草刈りボランティアで見つけた一面に赤く実った高さ1mを超すニガイチゴの小高木。

ニガイチゴの実は熟した実自体は甘くて美味しいのですが、個体によって中の核が苦くて見た目ほど美味しくはないものもあります。
でもこのニガイチゴの実は核の苦みがあまり強くなかったので、摘んで帰ってジャムを作るにはちょうど良い感じです。そう思わせるくらい、1本の木にとてもたくさんの実をつけていました。

足下近くにはクサイチゴ、モミジイチゴなど、さっぱりとした甘みのある実で知られるキイチゴ類もたくさん生えています。
下草刈りの作業の合間に摘んでそのまま口に入れ、甘さと野の香りを楽しみます。

それらに混じって、時々顔を出すヘビイチゴやヤブヘビイチゴなどは無理して食べられなくはないのですが、見た目ほどは甘くもなくあまり美味しくもないので口には入れません。

「明日の山手を考える」シンポジウムに参加 … 邸園/文化財保全・HM2013/06/23

横浜山手イギリス館
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横浜山手にある県立近代文学館で行なわれた、ヨコハマヘリテイジ主催の講演会・シンポジウムに行ってきました。

横浜山手の魅力や異邦人たちの歴史などの記念/基調講演をはじめ、平成24年度山手地区の近代建築調査報告など興味深いシンポジウムでした。

西洋館だけでなく、明治期から昭和初期の土木遺産や居留地遺構(ブラフ積みの石垣やブラフ溝、居留地境界石など)の新しい“発見”などはうっかり見過ごされそうな小さな遺構ですが、なかなか興味深かった。

第3部で行なわれたパネルディスカッションでは「明日の山手を考える」と題して、山手地区の歴史・文化・近代建築に造詣の深い方々をパネリストに招いて楽しい話を聞くことが出来ました。

なかでも西先生の話された、山手地区全体を包括するような「伝統的建築物群保存地区」(昨年末の時点で全国で102件登録されている)への登録を目指す時期に来ている、との締めくくりの話はもっともな説得力を感じた。

横浜山手のフランス領事館跡周辺 … 邸園/文化財保全・HM2013/06/25

横浜山手フランス領事館跡
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元町商店街からフランス橋を渡り、港の見える丘公園に登っていく途中にあるフランス領事館跡周辺の丘一帯は今では緑濃い公園になっていて、木々の間からベイブリッジや港の情景を望むことができ、横浜山手らしい雰囲気を醸し出しています。

幕末から明治の始めにかけて、「港の見える丘公園」周辺にはイギリス軍が、その裾野一帯にはフランス軍が駐屯していて、それぞれに領事館や駐屯軍兵舎が置かれていたという記録が残っています。

先の戦争では敗戦間際にこの辺りもかなり大規模に空襲被害を受けて荒廃していましたが、昭和37年にイギリス式の沈床花壇、噴水公園、ローズガーデンなどが造られ、庭園/公園として整備されました。

横浜山手の文化遺産は現在残っている三十数棟の西洋館(公開しているのは7棟)や明治/大正期の土木遺構などに留まらず、こういった庭園や植栽にも往時の雰囲気が受け継がれています。

フランス領事館跡一帯の丘にはタブノキやクスノキ、シイノキなどの高木常緑樹、プラタナス(スズカケノキ)やカエデ類のような紅葉する高木落葉樹のほか、ヒマラヤ杉なども植えられていて、深い森林の中を歩くような気分が味わえます。

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