「OPEN!HERITAGE 25 in 関内」の開催 … 邸園/文化財保全・HM2013/11/01

横浜のイベント2013
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2013年11月10日(日) 横浜の関内地区一帯で、歴史を生かしたまちづくり25 周年記念イベント「OPEN!HERITAGE 25 in 関内」が開催されます。
主催は横浜市都市整備局、公益社団法人 横浜歴史資産調査会(YOKOHAMA HERITAGE)
私も当日はボランティアスタッフで案内等で参加していると思います。

日時:平成25年11月10日(日) 10:00~16:00(受付9:30~15:30)

受付:旧関東財務局(中区日本大通34)横浜公園の海側に面して建っています。

見学施設:関内の歴史的建造物25か所(下記ちらしを参照)

     ※外観のみの見学。なお、一部建物において内部の公開を実施。

参加費:1000円(特製カードホルダー付)

内容:受付後、25か所の建物を巡り、各建物前にて特別配布するカード(限定)を集めます。

全体では3部構成になっていて
1:「OPEN!HERITAGE 25 in 関内」
2:記念講演・シンポジウム:BankART STUDIO NYKにて
3:交流会:BankART STUDIO NYKにて

詳細、http://www.city.yokohama.lg.jp/toshi/design/press/20131027140631.html
内容(ちらし)、http://www.city.yokohama.lg.jp/toshi/tirasi.pdf

古都鎌倉・苔生した五輪塔と七層塔 … 邸園/文化財保全・HM2013/11/02

苔生した五輪塔と七層塔
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写真は鎌倉極楽寺切通し西端の南側山裾にある古い石塔や七層塔が残る墓所の遺構です。

七層塔は安山岩で作られ相輪上部と請花、宝珠は無くなっているがその他の保存状態はすごく良い。鎌倉末期/室町初期に作られたものだといいます。
塔身(下から2層目の立方体に見える部分)には四方に(通常は省略して梵字などが彫られているが)蓮華座上に座した金剛界四仏がきれいに浮き彫りにされていて、高さ3m近くある塔全体のバランスも良くとても美しい七層塔です。

上杉兼方七層塔と伝えられているが、解説によると時代的にこれが墓塔とは考え難いということでした。とはいえ、鎌倉に伝わる層塔の遺品は極めて少なく貴重な存在であることには変わりはなく国指定の史跡になっています。
(史跡というわりにはここへの案内などは少なくて、かなり目立たない存在です。側に立っている木製の案内板も古ぼけていて、文字の一部は判別不能になっていますけどね。)

このほか写真左側のような凝灰岩あるいは安山岩で作られた五輪塔が数基と写真左の凝灰岩製の五層塔がいっしょに残されています。
安山岩で作られたものは石質が緻密で硬いので形が残っていますが、凝灰岩に彫られたものは柔らかいので風雨に晒されかなり風化してしまっています。

石塔などを鑑賞する知識は全くと言っていいほどありませんが、今日は元県立歴史博物館館長だった方に先生をお願いして、解説をしていただきながら鎌倉の隠れた魅力を堪能してきました。詳しい解説を受けての散策でしたので、解らない石塔のことでも理解度はかなり高まりました。

鎌倉には歴史ある国宝級の神社仏閣はもちろん優れたお庭や庭園、明治から昭和初期にかけての近代(別荘)建築など見るべきものがたくさんありますが、今日は鎌倉七切通しの一つ「極楽寺坂」を中心にして成就院やこういった石塔、鎌倉十井の一つ「星の井」などマイナーなところを巡ってきました。

西丹沢・コシバ沢源頭部より箱根方面を望む … 山歩き・WanderVogel2013/11/03

西丹沢から見た箱根の山々
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まだ夜の明けないうちから車を走らせ、ちょうど良い時間に寄(やどりぎ)大橋の駐車場に到着しました。

身支度して、やどりぎ自然林事務所前のゲートを通過し、酒匂川水系 中津川支流の一つである寄(やどりぎ)沢を遡行していきます。
やがて登山道は寄沢から分かれ雨山峠に向かって右岸斜面を登って行くのですが、沢沿いのみずみずしい紅葉が見たくて「この先・危険」の看板を横目に見ながら、コシバ沢をそのまま突き上げます。
ネットで調べると、コシバ沢はかなり危険という書き込みが多く見られるので、普段は岩稜地帯を歩く時以外あまりかぶらないヘルメットを装着して遡行します。 (ですが、いつもフライフィッシングで行っている沢の源流部のほうが数段危険な感じがします。)
真っ赤にに紅葉したイロハモミジやホソエカエデ、黄葉したオオモミジ、スギやヒノキの青い葉など色とりどりの木々が沢全体を彩っていてとても美しい!

写真は美しく色づいたホソエカエデの向こう側に、薄霧に浮かんだ箱根の山々が現れた瞬間です。そのコントラストが幻想的で見事でした。

コースタイム:(山行時間=6時間45分、写真を撮りながらのゆっくりしたペースでした)
寄大橋(7:30)~コシバ沢出合(9:00)~コシバ沢右岸登り(9:30)~(沢沿いにトラバースしながら高度を上げる)~鍋割峠(10:05)~茅ノ木棚沢ノ頭(10:30)〜雨山峠(11:10)~雨山頂上/昼食(11:45〜12:20)~檜岳 ヒノキダッカ (12:50)〜正規ルートを外して寄大橋目指して尾根を下る(下山開始)~「成長の森」案内看板(13:50)~林道合流(14:05)~寄大橋(14:15)

地図=1/25,000:中山、大山、秦野

西丹沢・雨山峠付近のミズナラ林の尾根 … 山歩き・WanderVogel2013/11/03

雨山峠のミズナラ
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前回(10/21)鍋割山稜を歩いたときは尾根全体がブナの木に囲まれていましたが、今日登った雨山峠から檜岳(ひのきだっか)にかけての尾根はミズナラを主体にコナラやイロハモミジ、ヤマボウシなどが尾根全体を占めていました。
同じような山域なのに尾根によってかなり植生の違いがあるものですね。

なだらかな尾根全体にミズナラやコナラの落ち葉が厚く降り積もり、足下はフカフカのじゅうたん(というか布団)のようです。
尾根筋の黄葉/紅葉はもう終盤という感じで、あらかた葉が落ちてしまった木々は見通しも良くなって、地面まで陽の光が降り注ぎとても明るい尾根になっています。
初春の情景も美しいですが、晩秋から初冬に移っていくこういった空気感もまた良いものです。僕は好きです。

かなりマイナーな山行コースということでしょうか、三連休 中日の晴れた日だというのに、ぜんぜん人に会いません。全行程で単独の登山者4名とすれ違っただけでした。
以前のblog:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2013/10/21/

ヤマウルシの紅葉と枯れた実 … 山歩き・WanderVogel2013/11/05

ヤマウルシの紅葉と実
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ウルシ科の植物には、ハゼノキ、ヤマウルシ、ツタウルシ、ヌルデなどがありますが、漆液が採取できるのは10mほどに成長する高木樹のウルシだけです。
写真は戸隠森林植物園で撮ったヤマウルシ(落葉低木)の紅葉した葉と垂れ下がる枯れた実です。

昔、里山に植えられたウルシ(ヤマウルシ)の木は樹液を採取するためではなく、この漆の実が目的だったようです。
ウルシは樹皮を傷つけて採取する「漆」だけに利用するのかと思っていましたが、その実はかつては和ロウソクの原料(木蠟・もくろう)や鬢付け油の原料にも利用されていたそうで、またその木材自身は軽くて水に強い性質を持つことから、漁網の浮子(アバキ)として使用され、かつては漆液に次ぐ重要な産物(現金収入)だったようです。
木蝋はハゼノキの実で作るものだと思っていました、同じウルシ科なので当然ウルシの木の実も同じ成分なのでしょうね。

ハゼノキと言えば以前 文京区にある「旧安田楠雄邸」を見学した時に、玄関脇にハゼノキの巨木が立っていて庭木にしてはあまりの立派さに一見して「ハゼノキ」とは分からなくて「この木は何の木ですか?」と聞いてしまったことを思い出します。これも紅葉の時季にはかなりの見物ですね!

漆の木は比較的成長の早い木で、8年~15年漆を掻いた後に切り倒されてしまいますが、根(株)はそのまま残され、翌春には切り株から芽(萌芽枝)が出てまた育ち始めるといいます。切り倒した漆の木の色はかなり黄色みの強い木材ですが、年を経るごとに色が抜けていき落ち着いてくるそうです。

また「石川県輪島漆芸美術館」のfacebookを覗いてみると、ウルシの実(種子)を使った「うるし茶」なるものを作って、地元輪島塗のカップで出しているとのこと。
ウルシの実をきれいに洗い、乾かし、フライパンで炒ってミルで挽くと出来上がりだそうで、香ばしい良い香りのする「茶」になるそうです。
これはぜひ一度 飲んでみたいものです。

西丹沢で見つけたツキノワグマの糞 … 山歩き・WanderVogel2013/11/06

西丹沢のツキノワグマの糞
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(あまり気持ちの良い写真ではありませんが、これも自然の一部ですから、、ご勘弁を)
先日の日曜日に登った西丹沢の檜岳(ヒノキダッカ)山稜で見つけたツキノワグマの糞。

尾根上にはミズナラやコナラ、ブナなどの落葉樹の林になっていて、この時期には葉を落としてかなり明るい稜線が広がっています。足元には大量の落ち葉に混じって、ドングリやブナの殻斗と弾けた実が一面に散らばっています。

ツキノワグマの糞を良く観察すると、ブナの殻斗と堅果類(ミズナラのドングリ?)を確認することが出来ます。夜になると稜線上まで上がって来て木の実をムシャムシャ食べているのでしょうね。

そう言えば、登山道入口に「クマ出没注意」の大きな看板がありました。
丹沢山系の中でもこの辺りはあまりメジャーな山域ではありませんから、夜になるとクマも安心して歩き回っているのかもね。
この時期、山でのビバークはあまりやりたくないですね。

古都鎌倉/御霊神社・タブノキの巨木 … 邸園/文化財保全・HM2013/11/07

鎌倉御霊神社のタブノキ
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鎌倉長谷の近く(坂ノ下)にある御霊神社の境内脇には樹高:20m、胸高周囲:4m、樹齢350年の堂々たるタブノキの巨木が立っています。
かながわの名木100選と鎌倉市の天然記念物に指定されています。あたり一面に太い枝を伸ばし、驚くほど立派なタブノキです。

3.11東日本大震災の時に大津波にも生き残った「奇跡の木」として一躍有名になり、宮脇昭先生の「潜在自然植生=常緑広葉樹・照葉樹」の名前としてもいつも真っ先に登場するあの「タブノキ」です。
各地にある神社やお寺の「鎮守の森」にはタブノキやシラカシやクスノキなどの照葉樹が植えられていた、というイメージがありますが、実はそういう樹種が植えられたのは明治時代以降・特に終戦後になってからだという調査結果もあります。
理由の一つは、薪の需要が無くなり伐採が減り、肥料の需要もなくなり落ち葉の採取が行なわれなくなったことが影響してのことだそうです。そうであれば、鎮守の森=常緑広葉樹・照葉樹という図式とは単純にいかない、ということになりますね。鎮守の森の照葉樹林は案外歴史が浅いということか。

今、盛んに東北の海岸で行なわれている宮脇方式の照葉樹の森づくりも、自然の植生を目指すのであれば最初から照葉樹林ありきと言えるほど単純ではないのかもしれませんし、そもそも宮城県などにあった長大な海岸林については仙台藩時代から延々と人の手で管理されてきた人工の海岸林なわけですので、樹種選定での意味合いも技術的な点からもかなり違いがあるのではないでしょうか。

とはいえ、御霊神社のこのタブノキは少なくとも350年は経っているのですから、この木は江戸時代からこの地に立っていたというわけです。例外的に…。

神奈川県建築士会・近代建築の幕開けと横須賀 … シンポジウム・邸園/文化財保全2013/11/08

横須賀シンポジウム
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今日は第11回 神奈川県建築士会活動交流会 よこすか大会が、横須賀の文化会館で開かれました。
午前中から横須賀の軍港や街並み散策などのツアーも催されましたが、都合がつかずシンポジウムだけ参加してきました。

講演は2題で、横須賀開国史研究会会長の山本詔一氏の「日本の近代化は横須賀から」と防衛大学校准教授の正垣孝晴氏による「横須賀造船所第1号ドライドックの建設と編年変化」と題した公演でした。

特に「横須賀造船所第1号ドライドック」についての講演は期待以上に充実した内容で、講演する時間が足りなくなり、しっかりと話しが出来たのは半分くらいであとは時間切れ、という感じでした。もっと聞きたかったなあ、と残念な気持ちで閉会となってしまいました。

江戸幕府、明治維新、明治新政府と新しい日本の激動の時代を背景として「横須賀造船所・ドック」がどれほど重要な位置づけであったのか、なぜ横浜ではなく横須賀が選ばれたのか、建設にあたっての東京湾の成り立ちからの地質学的な観点、江戸/帝都の防衛上の見地からの話しなど多岐に渡る話しのひとつひとつが非常に興味深くとても有意義な講演でした。

ドライドック建設の技術的な興味はもちろんですが、日本が開国に向けて動き始める時代のフランスやイギリスの対東アジア戦略や、中国、日本が直面していた国際情勢の緊迫感などがひしひしと伝わってきました。

この時のドライドックの建設技術、製鉄技術、レンガやタイルの製造技術、木骨レンガ造の建築技術などがそのまま、群馬にある「富岡製糸場」建設に直接的に結びついていることなど、歴史上の事柄が推理小説をひも解くような臨場感を持ってピタッと一つにつながった感じがしました。
そして、このドライドック建設に費やされた莫大な建設費は、横浜を舞台とした「生糸」輸出で稼いだ外貨で支払われていると言う事実にも改めて納得させられました。

横須賀製鉄所(後に横須賀造船所)の建設を指揮したフランス人技師ヴェルニー、軍医であり植物学者でもあったサヴァチェ、設計技師フロランとバスティアン(後に富岡製糸場を設計/建設)、日本(幕府)側の総責任者であった小栗上野介忠順(タダマサ)らの活躍は、そのまま近代日本建設の基礎となったと言ってもよい。
同時に、江戸末期から明治時代にかけて国内外の激動の時代にあって、幕府側、新政府側のどちらにも「日本」という国の行く末を真剣に考え、実現に向けて英断を下した政治家と優秀な官僚たちがいたことに今さらながら感謝の気持ちを強くしました。
その時代のことを私たちはもっともっと知らなければいけないと思います。

炭焼きの準備(横浜自然観察の森・雑木林FC) … 自然観察・WanderVogel2013/11/09

炭焼き準備
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今日は短時間ですが近くの「横浜自然観察の森」雑木林ファンクラブで今月末に行なう炭焼きのための下準備で、炭となる原木の整理をしてきました。

原木はシラカシ・アラカシといったカシ類やサクラなど、観察の森内で伐採・間伐した広葉樹を使います。今回は小径木で作りますので、少し太い木は半分~1/4に割って細くした後に炭にします。作った炭はイベントなどで販売するので、不良品を作らないように丁寧に作業しましょう。炭焼き釜の火入れは11/23(土)に予定しています。

園内の散策路脇ではゲンノショウコ(現ノ証拠)の実がはじけていました。この草は自分で実を弾いて遠くに飛ばすという「技」を持った風変わりな草です。
牧野新日本植物図鑑によると『果実が裂開した状態は,みこしの屋根に似ていることから,ミコシグサの名がある。」とあります。
また、古来からの民間薬の代表格で優秀な整腸生薬であることから、イシャイラズ(医者いらず)、タチマチグサ(たちまち草)などの異名もあります。

OPEN! HERITAGE 25 in 関内・シンポジウム+ボランティア … 邸園/文化財保全・HM2013/11/10

オープンヘリテイジシンポジウム
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OPEN! HERITAGE 25 in 関内「歴史を生かしたまちづくり25周年記念イベント」 が時おり小雨のぱらつくなか、横浜関内一帯で行なわれました。
25周年記念に合わせて、関内のある25の歴史的建造物を巡ってもらい それぞれで渡される記念カードを25枚集めよう、というイベントです。

私もヨコハマヘリテイジの会員として、案内ボランティアで参加すると共に、終了後に「BankART STUDIO NYK」で開催された基調講演とシンポジウムで十分に楽しませてもらいました。しかし、関係者や建築好きには多少興味のあるイベントではありますが、一般には今ひとつ盛り上がりに欠けているように感じました。
やはりイベントの企画力・ベクトルをもう少し一般向けに振った方が幅広い層で盛り上がるのかもしれませんねぇ。

シンポジウムは大変良かったですよ。会場も普通のホールではなく、BankART STUDIO NYKで行なったというのも趣旨をとらえていてしっくりきました。
コメンテーターは西先生と米山氏でお二人とも多少お年を召していますが、パネリストの4人はみな40歳代と若手で揃えた点も良かったのではないでしょうか。

パネリストからは横浜の歴史を生かした「まちづくり」について、学者(研究者)、市民ネットワーク、企業人、行政官の各立場からの提言・要望・今後の進め方・今までの活動報告などがプレゼンテーションされ、みなそれぞれに積極的で独自な取り組みをしていることがよくわかり心強いものを感じました。
今日の詳しい報告内容についてはそのうちに、公益社団法人 横浜歴史調査会(ヨコハマ ヘリテイジ)のHPにアップされると思います。

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