ススキの原で見つけた寄生植物・南蛮煙管 … 自然観察・WanderVogel2017/08/23

ナンバンギセル
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鎌倉の散策登山道での1枚。ススキの原で見かけたナンバンギセル(南蛮煙管)

夏の丹沢でススキの原を探せばたまに見つかるナンバンギセル(花期は7月~8月)ですが、ここまでまとまって育っているのは僕も初めて見ました。
イネ科の植物の根やミョウガの根などに寄生して育つ寄生植物ですので、探すポイントは寄主の根元を探す、ということで見つかる確率はぐっと高くなります。
寄生主の根から栄養を取って生育しますので、場合によっては寄生主自体を殺してしまうこともあるようです。

姿・色を見ると解るように、葉緑素を持っていないので他の植物のように光合成をして自分で栄養を作り出すことは出来ません。

栄養分はすべて寄生主から搾取する以外にナンバンギセルは生きていく術を持ちません。
そうして見ると、周りのススキは元気良く育っているのに、足元のススキの株はすっかり枯れてしまっているのが見えます。

これだけたくさんのナンバンギセルに寄生されて栄養分を吸い取られてしまっては、やはり正常に生きてはいかれなかったと言うことなのでしょうか?
神秘的でかつシビアな自然の営みを見ることが出来ました。


ナンバンギセルは、丹沢のブナ林でたまに見られるヤマウツボや、海岸に近いところで見かけるヤセウツボなどと同じ、ハマウツボ科に属しています。
それぞれ違う寄生主を持っていて、環境に応じて生きていく術を身に付けている、というわけです。

ヤマウツボ:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2017/07/25/
ヤセウツボ:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2016/05/11/

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