山上の畑脇・ヤマノイモのむかご … 山の収穫・WanderVogel2017/10/05

ヤマノイモのむかご
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先日の山上の畑、畑脇にヤマノイモ(山の芋、自然薯)がたくさん自生していて、むかごを付け始めています。

ヤマノイモ(学名:Dioscorea japonica)は、種名に japonica と付いているように日本原産の芋です。
タロイモ由来の外来種である里芋やヤツガシラ(サトイモの栽培品種)、中国原産で後に日本に移入された長イモ、南米アンデス高地原産のジャガイモ、メキシコなど熱帯アメリカ原産のサツマイモなど外国からの移入種と違い、今日スーパーなどで売られている芋類の中で唯一「日本原産の芋」と言っても良いでしょう。

このむかご、すでに何度が収穫をしましたが、やっと大きくなり始めたところですので、本格的なむかご採りはこれからです。
写真のむかごはまだ小さいですが、この二回りくらい大きくなった頃が実際には採り時でしょう。
北信州や新潟の津南町などにある道の駅などでは、この時期ヤマノイモのむかごが店頭に並び売られているのですが、そこそこいい値段で売られています。


食べ方としては、むかごご飯が一般的なのでしょうが、僕はカレーに入れて食べるのが好きで、ジャガイモなどと違って煮崩れせず少し粘りのあるこの味はまさしく秋の味覚という感じがします。
先日畑脇で採った栗の実といい、ミツバアケビの実といい、山里近くの畑では畑の収穫物以外にも秋の味覚を楽しむことが出来て楽しい。

季節ごとの旬なものを山や畑で収穫し口に出来る、これがホントの贅沢と言えるのだろうな。


ところで、「むかご」っていったい何なんでしょう?

むかごは、ツルにくっ付いているけど、実や種ではありません。
むかごはツル(茎)の一部が丸く太って出来たもので、土の中で芋ができるのと同じような仕組みで出来ています。
ヤマノイモはもちろん種子でも増えますが、種子自体にはあまり栄養分を持っていません。ですので、むかごに比べると成長が遅いのです。でもその代わりに、風に飛ばされて遠くで芽を出し子孫を広げることができます。
写真中央左に写っているのが若い実(中に翼を持った平たい種子が3つ入っている)で、熟すと下向きにサヤが開いて風に飛ばされた種子がヒラヒラと落ちて広がっていく仕掛けです。

ヤマノイモは雌雄異株なので、当然 種子は雌の株にしか出来ません。でもこの「むかご」は雄雌どちらの株・茎にも出来るのです。
むかご(無性芽)は言ってみればその個体のクローンなので、雄のむかごからは雄が、雌のむかごからは雌ができることになります。
上でも書きましたが、むかごはポロリと地面に落ちてからは種子より早く成長することが出来るので、種子より確実な繁殖方法と言えます。
というようにヤマノイモは、地中の芋、むかご、種子、の3通りの繁殖方法を持っていることになります。

植物は、様々なかたちで子孫を残す方法を生み出し、進化をしてきました。
森林探訪や植物観察の面白さは、そういう植物の持つ「力」や「性質」を知ることでもあるのです。
う~ん、植物は実に奥が深い!そしてむかごはとても美味しい!

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