ネパールヒマラヤ・Phuへの旅/記録 2 … 海外・WanderVogel2021/07/17

Phu川の風景 2018年初冬
- -
写真:トレッキングの途中足を止め、振り返って見たPhu川の風景 2018年12月

Phuへの旅/記録 2
現地のcheck postでもらった1枚のリーフレットによると、この地域が一般の外国人クライマーに開放されたのは1991年10月からとあるが、別の情報では一般トレッカーへの開放は今世紀に入ってからの2003年だと記されている。いずれにせよ、つい最近まで一般旅行者の立ち入りが厳しく制限されていた地域、ということだ。
ただ、このルートは、Himlung (7,126m) BaseCampへのアプローチルートになっているので、マイナーながらも一部のクライマーには多少知られてはいた。

アンナプルナサーキットやエベレスト方面の主要なトレッキングルートと違い、設備の整った宿があるわけでもなく、名の知れた山がどーんと見える!というわけでもない。そのわりに往復にけっこう日数を喰われるので、訪れるトレッカーが極端に少ないのかもしれないが、もともと情報が少ないが故に不安要素があるというのも大きな要因だろう。netで検索しても日本語での情報がほとんど見つからなかったのはそう言うことなのかもしれない。

今回の山旅で目にし体験した荒涼として殺伐とした乾いた大地、趣きのある大きなチョルテンとゴンパ、城砦のようなphu村の佇まい、風俗,暮らしぶり、民家の囲炉裏端に吊るされた干涸びたヤクの干し肉、など、昔旅した「チベット」や「ラダック」を思い出させてくれるような異世界だった。

Naar Phu Valleyの高標高で極度に乾燥した渓谷には、ボティア(Bhotiya)の人々が何世紀にもわたって住み暮らしてきた。この地は今でも文化的にも宗教的にも完全にチベット文化圏に入る。
この地方の住民のほとんどが今でもチベット語を話せ、読み書きも出来るのだという。普段、Nar Phuの人々は「ナル語」というこの地域独特の言語を使っている。ナル語(Nar)は、Nar Phu地方のナル (Nar)とプー(Phu)の2つの村の住民の間だけで話されている超マイナーな言語なのだそうだ。

Naar Phu Valleyは、北と北東でペル山脈を境に中国・チベット自治区と国境を接し、西北はダモダル山脈でムスタン(王国)と隔てられている。その他の西側と南側、東側はいずれも5,000m~6,000m級の高い山々が屏風のように立ちふさがっている。


Naar Phu Valleyを歩くには、ネパール国内でのトレッキングで通常必要な2種類の許可証TIMSとACAPに加えて、特別な Permit(許可証)が必要になる。
さらに、ガイドを連れていたとしても、外国人一人でのトレッキングは認められていない。外国人2人以上の行動が入域の条件となっていて、谷入口のチベット風の門の手前に建てられたcheck postでしっかりチェックされる。
(今回、現地ガイドとポーターを連れていたとはいえ、単独行の僕が正式なPermitを取得出来たのにはちょっとした訳があるのだが、詳細は省く。)

Naar/Phu khola入域のPermit Feeは、9月~11月までは週一人あたりus$90、12月から8月までが週一人あたりus$75とけっこう高額だ。この額はMustangへの入域Permit Feeに比べるとまだ格安なのだが、Mustangの対象エリアと比べるとこちらはかなり狭いエリア(基本的にはNaar/Phuの2村)なので、一般トレッカーにとってこの値段設定はやはり高額にうつる。

Permit Feeの支払いは、空港での入国Visa取得と同様にアメリカドルキャッシュでの支払いしか出来ないので注意が必要だ。ネパールルピーで支払おうとしてもダメなのである。

- -
アクセスカウンター