山の自然素材を使って作るアート(イケマ) … Nature Art・Workshop2021/08/16

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「タネ・種子」に注目して作った標本風のサンプル作品:イケマ・生馬・牛皮消
「森林インストラクターと山を歩き、山で収集したもので作品を作ってみよう」という“森のワークショップ”の一環で作成した、WS用の個人的な「習作」

イケマ:学名:Cynanchum caudatum 、キョウチクトウ科ガガイモ属のツル性多年草。
山の林縁部や、日当たりのよい斜面などで普通に見られる。

キョウチクトウ科ガガイモ属の特性で、全草毒草である。特に、植物を傷つけたときに出る白い汁(乳液)に毒性を持つ。
また、その太く長い地下茎にはアルカロイド系の毒性があり、昔から生薬としても用いられてきた。漢方名で「午皮消根」といい、効能は利尿、強壮、強心薬、食中毒の解毒や腹痛、歯痛、風邪薬、回虫の駆除などに使われていた。

またイケマは、アサギマダラ(蝶)の食草としても知られている。同じキョウチクトウ科ガガイモ属のキジョラン(鬼女蘭)もアサギマダラの食草。
アサギマダラはイケマやキジョラン、ガガイモなどの葉の裏側に産卵し、その幼虫はその葉を食べて育つ。アサギマダラは、鳥などの外敵から身を守るため、幼虫のうちにガガイモ属の持つ毒素を体内に取り込み「蓄積」しているという。この天敵からの防御システムもアサギマダラのDNAに組み込まれたプログラムなのだと考えると自然の不思議さには感嘆させられるばかりだ。

花期は7月から8月で、小さな花が多数集まって花序全体が球のように丸くなって咲く。花が終わると、ガガイモ属特有のオクラのような紡錘形の袋果(果実)を2つずつつける。袋果の中には白く長い種髪(毛束)をつけた長さ8mmほどの種子が入っている。袋果が割れると毛束の付いた種子が飛び出し風に乗り飛散する。


イケマは「生き馬」を意味し、ウマの便秘を治す薬に使われたとか、「カムイ(神)の足」というアイヌ語が由来で名付けられたとかイケマと言う名の由来には諸説あるようだ。(アイヌ語名も日本語名も「イケマ」というそうだ)
アイヌ民族にとってもイケマは古くから重要な植物で呪術用、薬用、食用とされていたようで、伝染病などから身を守るお守り代わりに乾燥したイケマを身に付けていたともいう。


アサギマダラ(タテハチョウ科):日本全土から朝鮮半島、中国、台湾、ヒマラヤ山脈まで広く分布し、その目立つ色彩の翅は一目でそれと分かる。アサギマダラの成虫は、秋に日本本土から南西諸島・台湾などへと渡り、初夏から夏にその逆のコースで北上するとされ、「旅する蝶」として知られている。
上にも書いたように、アサギマダラはガガイモ属植物の持つアルカロイド系毒素を体内に取りこみ貯えることで身体を毒化し、敵から身を守っている。アサギマダラは幼虫・蛹・成虫とどれも鮮やかな体色をしているが、これは毒を持っていることを敵に知らせる警戒色と考えられている。(Wikipedia抜粋)

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