シルクロードを放浪する老バックパッカーの想い出13 … 海外・WanderVogel2021/09/14

ベナレス1979
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写真:1979年冬、ベナレス・ガンガに面したダシャーシュワメド・ガートを河上から望む。

ベナレス(ヴァーラナシー)、北インドのヒンドゥー教徒にとって最大の聖地といったらここをおいて他ない、というくらい存在感のある古都。
釈迦が訪れた時すでに古都であったと言うから、相当長い歴史がある町なのは確かだ。ベナレスの街の郊外には、釈迦が初めて説法を行ったサールナート(鹿野苑)もあるため、ヒンドゥー教徒と同様に仏教徒にとってもベナレスは聖地なのである。当然。玄奘三蔵もベナレスを訪れている。

ムガル帝国の皇帝の中でもとりわけ非寛容とされるアウラングゼーブ帝によって、古くからのヒンドゥー寺院が破壊されてしまったことから建築的にはまぁ見るべきものも少ないのだが、ベナレスの街の魅力はガートを中心とした混沌として濃密な宗教空間の有り様にこそある。
ガートの岸辺一帯に広がる迷路のような街の造りは、他の町ではあまり見ることのない異質で異次元の世界へと旅人を誘う。この不思議な空間を身をもって感じとることこそがベナレスを旅する醍醐味、価値の本質と言えるだろう。

迷路のような町を散策した後は、疲れ切った頭と身体を休めるためにも、小舟を一艘借りきってのんびりとガンジス川を漂い、河の上から点在するガートを見物するのが良いだろう。
僕がここを訪れた1980年頃には、ガンジス川にはたくさんの白いカワイルカが泳いでいたが今でも元気に泳いでいるのだろうか?

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