目立たないがよく見ると不思議な雑草たち … 自然観察・WanderVogel2017/09/26

コツブキンエノコロの実
- -
雑草といえども普通の植物同様に、花も咲けば実も付ける。

周辺の足元に人知れず生えている「雑草」とひとくくりで呼ばれる植物の仲間には、イネ科やカヤツリグサ科といった地味なものがけっこう多い。
写真の草もイネ科の植物で、猫じゃらし(エノコログサ)の小さい版という感じの「コツブキンエノコロ」という雑草だ。
漢字で書くと「小粒金犬ころ」と書く。

そもそもエノコログサという名は、穂が犬の尾に似ていることから「犬っころ草」が転じてエノコログサになったという。
エノコログサを漢字で書くと「狗尾草」と書くのだそうだ。


イネ科の植物は世界中に分布しているのだが、種類がとても多くて、700属8,000種もあると言うのだからビックリだ。
日本人の主食の稲をはじめ、パンを作る小麦・大麦、トウモロコシ、茅葺き屋根や俵の材料、合羽(蓑)として利用されてきた茅や菅、ススキ、タケやササなど人の営みと密接に関係してきた歴史を持っている。

エノコログサ自体も粟(あわ)の原種と言われていて、飢饉などの際の非常用の救荒穀物として農村部では古くからそれなりに食されて来たようだ。

日本の農村、山村、漁村、どこでも同じなのだろうが、山菜・野草であれ、微毒のあるキノコであれ、アク抜きが大変な木の実であれ、口に出来るものはとりあえず「食」の対象としてきたということなのだ。

それは決して「美食」に対する探究心なんて生易しいものではなく、飢えとの戦いにおけるギリギリの選択、といえる動機があるのだと思う。

アクセスカウンター