大手ゼネコンの相次ぐ施工不良は教育不足が原因?2008/03/02

今年に入って、次々に発覚したスーパーゼネコンの現場での施工不良をどう受け取るべきか、という記事があった。(日経BP社の建設・不動産専門情報サイトより) 監理専門の建築士の酒見氏が答えているのだが、「建設業界に潜んでいた積年の問題が明るみに出たと受け取るのが正しいだろう。多くの建設会社が、現場の担当者や専門工事会社を技術面できちんと教育してこなかったことが表面化したのだ。大手だからこそ、竣工前に施工ミスを発見して、補修や再施工を可能にしたともいえる。現場管理が甘い建設会社は、見つけられないまま竣工させてしまうケースもあるだろう。」と語っている。
僕の設計した現場でもそっくり当てはまる。けっして高度な構造を持つ建物ではない、ごくごく普通のRC造や鉄骨造・木造建築でも上記のような状況は少なからず感じられる。全てがそうではないが、現場の監督員や作業員の技術面での勘違いや間違いなどは建設界の構造的な問題か?と思ってしまうほどだ。たぶんその間違ったやり方をずーっとしてきて疑問に思うこともなかったのかもしれないし、そもそも新しい基準や法規、工法などを再教育するシステムもなかったのだろう。また、個人レベルでもそれをしてこなかったのかもしれない。建設の技術や施工・法規は日々変わってきている。どんどん知識を新しく取り入れていかないと追いついていかない。一生懸命新しい勉強している者とまったく気にしてもいない者とが同じ現場にいたのでは作業上の意思統一も出来ないだろう。現場では設計者・監理者・監督・作業員の全てがひとつの目標に向かって日々邁進をしているものだ。間違いやミスや勘違いを起こさないためには最低限の技術的な意思統一が大切だ。それには「教育」が大切なファクターになってくるのだと思う。昨今の施工不良を見聞きするにつけそう感じる。第三者監理によるチェックも有効ではあるが、まずは作り手ひとりひとりがしっかり勉強し続けることが大切なことだろう。
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