間伐作業と木の偉大さの話 … 森林インストラクター・WanderVogel ― 2012/12/10
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足柄下郡真鶴町の山中でのヒノキ林の間伐作業で、斜面の下の方まで日が差し込むようになり明るい林になりました。
間伐作業も終了し、みんなでお昼ご飯を食べ終わってからインストラクターの責任者から面白い話しを聞くことが出来ました。
以下は、その時の受け売りですが少しだけ建築の専門家らしいコメントをプラスしました。
木の切り株(年輪)で木の年齢が解るか? と言う問いに対して、参加者の半数はYES、半数はNOでした。
これは僕も目からウロコでしたが、答えはNOです。
単に木の切り株を見て、バームクーヘンのような同心円になった輪を数えても、切った位置によって年輪の数は変わる、という当たり前のことにパッと考えが至らなかったのです。
確かに年輪は上にいくほど少なくなりますから、根元に近い部分の年輪であればおおよその年齢が解る、ということになりますね。
切り株の年輪を見ると白い輪と赤い輪が交互に並んでいて、白い輪は夏に 赤い輪は冬に出来たもの、これは正しいのですが、その役目は?
この答えを知って(この歳になって、ちょっと大げさですが…)木を含めた植物の進化の偉大さ(?)に改めて気付かされました。
木というのは気温が上がって早く成長する季節には隙間が多くて厚い層(白身)をつくり、気温が下がってきて成長が遅くなると密な層(赤身)をつくりだしています。
隙間が多い層の役目は根から上方に水分や栄養素(エネルギー)を供給する設備系の役割をしていて、密な層の役割は(ただ単に成長が遅いというのではなく)木が自分自身を自立させるためのコア・構造体としての役割を自ら造り出していて、それを毎年交互に繰り返すことで強固な構造物を形成している、ということになります。
成長に必要な栄養素を運ぶ白い層は木の生長に合わせて外側に向かってどんどん細胞分裂していきます、外周部に近い層は新しいパイプラインとしての現役の役割をしていますが、機能上必要の無くなった芯に近い部分は硬化していき白から赤みを帯びた構造系の役割を持つ組成へと変化していく。という構造耐力上、機能上まったく理にかなった合理的な成長をしていく、ということですから改めて「木ってスゴい!」と思ってしまいます。
木は(特に針葉樹は)基本的に真っすぐ上方に伸び、高く広い樹形を作るという性質を遺伝子的に持っています。
そのために、少しでも垂直軸がブレると自分自身で傾きを調整しようとします。そのため例えば斜面に生えて曲がって伸びてくるような場合には、谷側の白い年輪部分を厚く、山側を薄くしてだんだん垂直軸に近づけていく、ということで(たぶん、年輪の中心(剛芯)と木の直径の中心(重心)とのバランスを取りながら)自身で姿勢制御をして垂直方向に伸びていく。
生育する土地の自然条件として、たえず決まった方向から強風が吹き付けるといった外部応力を受ける場合も同様です。
では、木の切り株で「北」の方角を知ることが出来るか?
答えはNOです。切り株の年輪を見たときに年輪の幅が狭い方が「北」という説を信じていましたが、まったく根拠の無い俗説です。
上で書いたように、木はそのような単純な思考で生きているわけではない、ということが解ります。
年輪の出来かたや年輪幅の違いは日の当る位置などにはまったく影響されず、ひたすら垂直に伸び、高く広い樹形を保つことに影響を及ぼす障害(外部応力)に抵抗するために、木自らが考え出す構造力学的な生体反応ということなのですよ!
と、(僕だけが無知だったのかもしれませんが…)今更ながら感動してしまいました。
なぜ年輪を見ることで縄文時代・奈良時代といったその木が過ごした時代が解るのか? など、「年輪の持つデータベース」の話もあったのですが、それは次回のBlogで…。
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足柄下郡真鶴町の山中でのヒノキ林の間伐作業で、斜面の下の方まで日が差し込むようになり明るい林になりました。
間伐作業も終了し、みんなでお昼ご飯を食べ終わってからインストラクターの責任者から面白い話しを聞くことが出来ました。
以下は、その時の受け売りですが少しだけ建築の専門家らしいコメントをプラスしました。
木の切り株(年輪)で木の年齢が解るか? と言う問いに対して、参加者の半数はYES、半数はNOでした。
これは僕も目からウロコでしたが、答えはNOです。
単に木の切り株を見て、バームクーヘンのような同心円になった輪を数えても、切った位置によって年輪の数は変わる、という当たり前のことにパッと考えが至らなかったのです。
確かに年輪は上にいくほど少なくなりますから、根元に近い部分の年輪であればおおよその年齢が解る、ということになりますね。
切り株の年輪を見ると白い輪と赤い輪が交互に並んでいて、白い輪は夏に 赤い輪は冬に出来たもの、これは正しいのですが、その役目は?
この答えを知って(この歳になって、ちょっと大げさですが…)木を含めた植物の進化の偉大さ(?)に改めて気付かされました。
木というのは気温が上がって早く成長する季節には隙間が多くて厚い層(白身)をつくり、気温が下がってきて成長が遅くなると密な層(赤身)をつくりだしています。
隙間が多い層の役目は根から上方に水分や栄養素(エネルギー)を供給する設備系の役割をしていて、密な層の役割は(ただ単に成長が遅いというのではなく)木が自分自身を自立させるためのコア・構造体としての役割を自ら造り出していて、それを毎年交互に繰り返すことで強固な構造物を形成している、ということになります。
成長に必要な栄養素を運ぶ白い層は木の生長に合わせて外側に向かってどんどん細胞分裂していきます、外周部に近い層は新しいパイプラインとしての現役の役割をしていますが、機能上必要の無くなった芯に近い部分は硬化していき白から赤みを帯びた構造系の役割を持つ組成へと変化していく。という構造耐力上、機能上まったく理にかなった合理的な成長をしていく、ということですから改めて「木ってスゴい!」と思ってしまいます。
木は(特に針葉樹は)基本的に真っすぐ上方に伸び、高く広い樹形を作るという性質を遺伝子的に持っています。
そのために、少しでも垂直軸がブレると自分自身で傾きを調整しようとします。そのため例えば斜面に生えて曲がって伸びてくるような場合には、谷側の白い年輪部分を厚く、山側を薄くしてだんだん垂直軸に近づけていく、ということで(たぶん、年輪の中心(剛芯)と木の直径の中心(重心)とのバランスを取りながら)自身で姿勢制御をして垂直方向に伸びていく。
生育する土地の自然条件として、たえず決まった方向から強風が吹き付けるといった外部応力を受ける場合も同様です。
では、木の切り株で「北」の方角を知ることが出来るか?
答えはNOです。切り株の年輪を見たときに年輪の幅が狭い方が「北」という説を信じていましたが、まったく根拠の無い俗説です。
上で書いたように、木はそのような単純な思考で生きているわけではない、ということが解ります。
年輪の出来かたや年輪幅の違いは日の当る位置などにはまったく影響されず、ひたすら垂直に伸び、高く広い樹形を保つことに影響を及ぼす障害(外部応力)に抵抗するために、木自らが考え出す構造力学的な生体反応ということなのですよ!
と、(僕だけが無知だったのかもしれませんが…)今更ながら感動してしまいました。
なぜ年輪を見ることで縄文時代・奈良時代といったその木が過ごした時代が解るのか? など、「年輪の持つデータベース」の話もあったのですが、それは次回のBlogで…。
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