シルクロードを放浪する老バックパッカーの想い出20 … 海外・WanderVogel2021/11/04

チュクン・リ 5,400mにてローツェ北壁を望む
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新型コロナウイルスの世界的な猛威は、今年や来年では完全に終息することは期待できない。
ヨーロッパやアメリカといった医療先進国においてもそうなのだから、医療インフラの整っていない国や地域では外国人がリスクを感じず自由に旅が出来るようになるには、まだこの先何年か掛かるのかもしれない。

勝手の違う海外で一人、医者にかかるのは何とも心細いものだが、僕も度重なる海外放浪の中で医者に助けを求めることが多々あった。

ぼんやりと思い出してみても、タイで1回(マラリアで通院)、マレーシアで2回(胃炎で通院と肺炎で入院)、インドで1回(赤痢)、ネパールで1回(高山病で救急ヘリ搬送・病院送り)、モロッコで1回(歯痛で通院)と結構な日数病院通いをしている気がする。また、病気でなくとも、予防注射を海外で打たなければならないことも出てくる。(イスタンブルで1回、インドで1回)
通常の状況であれば、それなりに何とか安心は確保できるのだろうが、それに新型コロナウイルスが加わるとなると話は変わってくる。このまま数年待ち惚けを喰らうと、僕も「重症化リスクのある高齢者」の域に達してしまうからだ。


南アジア(インド、ネパール、バングラデシュ、パキスタン、イラン、アフガニスタン、チベットなど)と東南アジア(タイ、ビルマ、ラオス、カンボジア、ベトナム、マレーシア、インドネシアなど)、まだまだ歩きたい地域、再訪したい村々が僕にはたくさん残っているのだ。

そして僕には、それほど時間が残されていない。60歳後半に突入しての過酷な地域への一人旅は流石にリスキーだろうし、周りにもいらぬ心配と迷惑をかけることにもなろう。などと考えると、やはり時間がない。
兎にも角にも、この新型コロナウイルスがインフルエンザ並みに予防薬と治療薬が世間に行き渡ってくれないと如何ともし難い。


写真:2017年冬、5,400mのチュクン・リへの途上からローツェ北壁を望む。エベレストの頂上が少しだけ飛び出しているのが見える。
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