豪雪地帯における安全安心な地域づくりとは2008/03/01

今冬の豪雪は20年ぶりだそうだ。(新潟の南魚沼や妻有に限るとそれほど多いという感覚はないが・・・。) 国土交通省の都市・地域整備局は、「豪雪地帯における安全安心な地域づくりに関する懇談会」を先月開催しその議事要旨を公表した。雪下ろしなどの事故での高齢者の割合が高くなっているという。僕の通っている南魚沼や十日町一帯は日本でも有数の豪雪地帯である。車道と歩道との間には深い側溝(流雪溝)が敷設されていて。グレーチングの蓋が嵌まっている。屋根から落ちた雪や家の前の雪はそのグレーチング蓋を開けて側溝内に落し入れるのである。しかし流雪溝に雪を捨てる担い手が年々高齢化しているため、設備を活かしきれていないとしている。また、過って高齢者がその側溝内に落ちて流されてしまったりという事故も毎年のように起こる。
山間地集落の道路では除雪費用がまかなえず、孤立と離村の選択が迫られているともいっている。人口が少ないため、予算投入が難しいという見方もあるが、山村住民は山地を荒廃から守っているという観点からいうと、そういうところにこそ税金を投入しても良いのではと思う。日本の国土の大部分は山間部である。特に人との関係性が密接である里山から山間部にかけては下流域全体の生態系の大切な「源」でもある。旧建設省は日本の河川という河川をみんなコンクリートで固めたいのかと、いぶかるほど乱開発をしてきたが最近それにもようやく歯止めがかかろうとしている。しかしその一方で山間地集落住民の高齢化問題によって山野が荒廃していっては元も子もない。税金の使い道は短期間の「費用対効果」だけでは判断できないこともある。長期的な視点に立って省庁を越えた税金の使い道を考えてもらいたい。今回の懇談会が単に「豪雪」と「高齢化」の関係性だけにとどまることなく日本の国土・自然を守るための第一歩になればと期待したい。それで美しい渓流がいつまでも残り、フライフィッシャーマンの「夢」が落胆へと変わらないよう願いたい。

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