建築資材の生産/取引の停滞 … 巨大地震の被害と影響2011/03/19

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建築資材、石油化学製品や鋼材など素材や部品の生産/取引が停滞しています。

仮に生産工場が正常稼働したとしても、被害の大きな東北地域への復興が最優先という方針から、関東圏に回ってくるにはかなりの時間がかかるものと思われます。


日本経済新聞によると、以下の建設資材についての予測が出ていました。

●石油化学製品
 建設資材として重要な、配管やダクトに使う塩化ビニール樹脂では、信越化学工業の鹿島工場(茨城県神栖市)が現在止まっています。
三菱化学グループでは生産能力の5割強に相当する設備が止まったままですし、輸入品についても港湾での陸揚げが滞っているため現在動きが取れません。

●鋼材・アルミ建材
 建設鋼材のH形鋼では現在、千葉など東京湾内にある物流拠点がトラックの確保や被災状況の確認に追われ、出荷が止まったままです。
電炉最大手、東京製鉄の宇都宮工場(宇都宮市)も出荷が止まっています。また、その他の鋼材工場でも同様に稼働していない状態が続いているようです。
 また、非鉄金属等の生産工場も同様に被害を受けていますので、窓サッシなどのアルミ建材も一気に品薄状態になり、手に入りにくくなります。

●ガラス
 旭硝子は建設用ガラスの国内唯一の拠点(国内需要の約3割を賄っている。)である鹿島工場(茨城県神栖市)の稼働が停止ししたままで、「操業再開まで1カ月かかる」(同社)としています。
現在、被害調査で工事が一時止まっているゼネコンなどの建設工事が来週にでも再開されると、ガラスなどの建設資材不足が一気に表面化する可能性があります。

●セメント
 東北・関東向けセメント供給拠点の大船渡工場(岩手県大船渡市)が稼働を停止している太平洋セメントは、東北向けには日本海側の7カ所から出荷を続け、関東向けには北海道や九州の工場から海上輸送を検討している、としていますが、これも今後は不足気味になるでしょう。

●合板
 合板は最大手メーカーのセイホク(東京・文京)の宮城県石巻市の生産拠点が震災被害を受けたため、問屋各社への入荷が大幅に減っています。
合板問屋の多くは地震前の受注分をこなすのに精いっぱいで、新規受注は断っているところが多い。
また、今後いずれは復興需要で足りなくなるのが確実との見方が広がっています。

●電子部品
 電子部品では半導体のほか、携帯電話に使う水晶部品などで複数の工場の稼働が止まっていようです。
電子部品は建設資材には一見 関係がなさそうですが、現在の住宅設備には多くの電子機器が使われていますので、影響は避けられないでしょう。


どちらにしても、今後はあらゆる建設資材の欠品、不足がしばらく続くことは間違いありません。

このままでは、町のあちこちで工事をストップされた住宅やビルの建設現場の姿を目にすることになりそうです。


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