越後妻有トリエンナーレ・下条駅脇のランドマーク「茅葺きの塔」 … 建築の旅・WanderVogel2012/09/03

妻有トリエンナーレ 下条
- -
十日町市から可愛らしい2両編成のJR飯山線で小千谷方向に2駅行ったところの「下条駅」脇に建つ「下条茅葺きの塔」。

面白い建築を設計することでメディアに取り上げられることの多い「みかんぐみ」と神奈川大学曽我部研究室の共作です。
こういう作品は、建築的な目で見ると(茅葺き工法なども含めて)賛否両論があると思いますが、私はこういうのすごく好きです。

ランドマークとしては高さが足りないという意見もありますが、現在の建築基準法(12m以下)では致し方のないところでしょう。
方形の塔の屋根(外壁?)に「段葺き」で葺かれた二重螺旋の茅葺きが、日本の風景とはひと味違った「亜細亜」な原風景を表現しています。


紹介文にはここ下条(ゲジョウ)にはかつて多くの茅職人が暮らしていたのだそうですが、今は現役の茅職人は残っていないそうで、この塔は長岡の茅職人さんに葺いてもらったとのことです。

茅葺きの屋根というのは、広く日本全国に存在していますがそれぞれの地域で気候風土や伝統、あるいは容易に調達できる材料などをベースに、葺き方や下地材料、施工要領、棟の形状や納め方など独特の地方色があり、それが「おらが村の風景」を形作っているともいえます。
(たぶんこの塔の棟の形状というか納め方は「長岡風」なのでしょうか?、仕上げ材料は違うにせよ長岡地域独特の形状と納めをしているものと想像しますが、すみません 詳しくは断言できません…)

細かく言えば、茅葺き屋根そのものが隣村との違いの出る「地域の独自文化」ということですので、本来であればその村の独自工法を踏襲しつつ組み上げていくのが文化的にも伝統保存的にも正しい姿なのですが、こういう「二重螺旋の段葺き」という日本の茅葺きのジャンルからまったくかけ離れた姿で葺くのであれば(作者はこのへんの事柄はしっかり解っていて、やっているのだと思います)、これはこれで楽しい! と、私などは思ってしまいます。


コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2012/09/03/6563629/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。

アクセスカウンター