越後妻有の豪農/商家・旧川西町の星名家住宅 … 建築の旅・WanderVogel2012/09/07

川西 星名家住宅
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越後妻有トリエンナーレ大地の芸術祭 を見て回っている時に出会った、十日町市(旧中魚沼郡川西町)にある星名家住宅です。

解説文には、
「星名家は江戸時代に酒造業を営みながら、大地主へと発展した町家で、小千谷街道(現 国道252号)に西面して広大な屋敷を構えている。
街道に面した主屋の間口は三十二メートルに及ぶ豪壮な造りで、内部には広い板敷きの茶の間や台所があり、四室の座敷を備えている。
主屋(写真の切り妻の家)の背後の敷地には、南北に土蔵造の蔵が三棟づつ(計六棟の土蔵)並び、これらに囲まれて庭が作られている。
天保13年(1842)に上棟し、母屋は豪雪に耐えられるように太い柱、桁、梁など雪国特有の様式を伝える豪壮な造りで、新潟県における大地主層の住宅の代表的な例として価値が高い。
間口十七間の母屋、蔵6棟、茶室2棟と敷地も合わせて国指定重要文化財の指定を受けている。
裏手の雑木林の中には雪季の積雪を保存し、主に酒造関係の冷蔵所として利用された、深さ3mの玉石乱積み壁面を持つ「雪穴」も残されており、これも登録有形文化財(建造物)に指定されている。」
とあります。

街道側と妻側には雁木が出ており、1階では街道に面して格子戸が力強く並び、透けて見える内部空間と共に、とても美しい象徴的なデザインを見せています。
2階に見える細い千本格子は、全体を支配する豪壮な雰囲気に色気と雅な感じを与えています。

1階のごつい格子の奥には豪雪地帯らしい「土縁(つちえん)」と呼ばれる土間が回されているのが見えます。
この「土縁」は、内部空間のようで外部空間、外部空間のようで内部空間といった極めて日本独特の「あいまい」な空間概念を持っていて、この建築空間(軒下/軒内)が「自然」と極めて高い「親和性」を持っていることが一目でわかります。

土縁の奥には縁側状の板の間が広がっていると想像できるが、一面に板戸が閉め切られているので、室内を垣間みる事は出来ない。

主屋は平入の建物で、中央あたりの格子のない一間の柱間奥が玄関となっています。

六棟ある大きな土蔵群も敷地外側から垣間みる事が出来ますが、そのうちの1棟の外壁は吸込まれるような深みのある黒漆喰できれいに塗られており、相当に手の込んだ造りであることが解ります。

現在ももちろん住居として使われていることもあって、内部を拝見する事が出来ないのが残念でした。


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