医療施設の特殊建築物等定期調査報告 … 調査/検査・建築設計2014/09/04

ゆあーずホール
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自分で設計した建築物を継続的にメンテナンス出来るというのは、設計者にとってはとてもありがたいことです。

一昨日行ってきた新潟県内にある病院施設は、十数年前から病院や老人健康施設、リハビリ施設、トレーニング施設など数棟の医療関係施設を設計させてもらってきた関係で、竣工後も継続的にメンテナンスまでみさせてもらっている。

病院施設などの特殊建築物の定期調査報告は、3年に一度の割合で県に報告書を提出することが義務づけられています。

もちろん経年変化による劣化の調査が主たる調査項目ではあるが、その他にも法律・法規自体の基準(ルール)が変わって、予期せずに「既存不適格」となってしまうこともあります。

病院関係者が気付かない事柄を定期的に調査・報告し(是正工事を行い)、基準に合った施設内容を維持していくことは医療施設としては大切なことです。


この施設の大きな特徴のひとつは、天然温泉を自前で持ち、温泉療法も行っていることです。
老健や特養、リハビリ施設などのお風呂には天然温泉を使用していますし、トレーニング棟でも屋内プールのジャグジーや浴室、露天風呂などに温泉を使っています。

温泉地ならではのサービスと言えますが、仕上げ材や配管等の設備機器が一般よりもかなり傷みが早いという頭の痛い点も一方ではあります。
したがって、メンテナンスに気を付けなければならい個所は通常の医療施設よりもだいぶ多いのも事実です。

来所者のために、屋外に足湯(これも掛け流しの温泉)の施設を2カ所つくってありますが、こういった付帯設備も日頃の手入れ・メンテナンスが長持ちの秘訣と言えます。


(写真の)高い天井とトップライトを持つ運動ホールや植物園は、開放感があり利用者にはとても好評なのですが、雪国ではやはり手がかかる設備のひとつといえます。
まあ、設計者としてはこだわりを持って設計したところではあるのですが、、、

幸いにも中越沖地震、新潟長野県境地震と2度の大きな地震を受けた時でも重大な損傷はなく、内装材が一部剥がれた程度でしたが、さすがに竣工から十数年も経つとトップライト周りの防水に劣化がみられ、ところどころで雨漏りが発生してきている。

今回の検査/調査では、屋上防水の一部やり替えとトップライトのサッシシールの打ち替えなど、少し広範囲に手を入れざるを得ないと判断しました。

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